金融そして時々山

山好き金融マン(OB)のブログ
最近アマゾンKindleから「インフレ時代の人生設計術」という本を出版しました。

米国でアクティブファンドからパッシブファンドへのシフト加速

2016年12月14日 | ライフプランニングファイル

トランプラリーで株価上昇が続いている。トランプの恩恵を一番享受したのはゴールドマンザックスなど金融株の投資家だ。日本でも証券会社の株価は急騰しているから、社員もボーナスで恩恵を受けるに違いない。

だが資産運用業界全体を見ると明るい話ばかりではないようだ。米国ではアクティブファンドからインデックス運用タイプのパッシブファンドやETFへの資金シフトが止まらない。WSJによると、個別株に投資するアクティブファンドは過去一年間で2,427億ドルの資金流出で、パッシブファンドは1,859億ドルの流入増となった。アクティブマネージャーにとっては頭の痛い話だ。

コンサルタント会社のヒヤリングによると、2/3の回答者はパッシブファンドは向こう5年間現在のペースで増加を続け、19%の人はパッシブファンドの増加率はさらに加速するとみている。

モーニングスターによるとパッシブファンドの加重平均報酬は0.11%でアクティブファンドの報酬は0.78%だ。リターンに大きな違いがなければ、報酬率の低いパッシブファンドを選ぶというのが、投資家の当然の判断だ。

直接関係する話ではないが、一時債券王の異名を取ったビル・グロスの奥さんが離婚届を提出したというニュースを目にした。

ピムコの共同設立者で、債券のアクティブマネージャーとして著名なグロス氏だが、31年間寄り添ってきた奥さんのマネージはうまくいかなかったようだ。

資産運用者としての成功と人生の成功とは別のものなのだろう。

それにしても日本の資産運用報酬が高いのには呆れる。証券会社の増収増益期待から株価が上昇するのは結構なことだが、期待の中に運用報酬の増加が入っているとすると、複雑な気持ちにならざるを得ない。

 

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スケジュール調整サービス「伝助」は便利そうだ

2016年12月14日 | デジタル・インターネット

高校同級会の幹事から来年1月の同窓会案内がメールで届いた。

出欠はスケジュール調整サービス「伝助」にて知らせてくれ、と書いてあったので早速ウエッブサイトを開いて出欠を連絡。コメント欄に「幹事様ご苦労様」と一筆添えた。

この伝助、中々使えそうである。今まで山仲間などの会合調整には「調整さん」を使っていたが、伝助の方が拡張機能があって便利そうだ。

具体的にいうと、伝助ではスケジュール調整を使って簡単なアンケート調査を行うことができる。

例えば「ゴールデンウイークに登りたい山」という意向集約を行う場合、幹事が幾つかの候補を上げ、参加者はそれぞれの候補に〇△×で意向を投票する仕組みだ。またコメント欄を使うと独自の希望を述べることもできる。中々の優れものだ。

システムは日進月歩する。調整さんには今までお世話になったが、これからはしばらく伝助を使ってみようと思う。

 

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パナソニック・ローソンは紙幣大国日本を変えることができるか?

2016年12月14日 | ニュース

日本は面白い国である。

世界最大の紙幣流通国であると同時にコンビニのレジの自動化で最先端を走ろうとしているからだ。

下のグラフはBISのデータに基づきWSJが作成したもので、GDP対比での通貨流通量で日本はダントツの世界一。

 

2番目はインドだが、そのインドでは先月上旬モディ首相が高額紙幣の廃止を宣言し、混乱が起きている。インドでは高額紙幣は脱税・汚職などの温床になっていたと見られていた。使用不可になる高額紙幣は年内であれば、銀行に預けることができるので、インド政府の狙いはアングラマネーを銀行システムに取り込むことである。

日本ではパナソニックがローソンと協同でコンビニ・レジの自動化に関する実証実験を開始したことが昨日ニュースになっていた。

記事によると「購入した商品の金額計算」と「袋詰め」が完全無人化されることは分かったが、支払をどうするか?という点は読み取れなかった。

少し前にアマゾンが実証実験を開始したAmazon Goでは決済はスマートフォンのアプリを通じて自動的に行われるのだが、パナソニック・ローソンはどうなっているのだろうか?

推測でものをいうと、支払については電子マネー決済以外に現金払いも受け付ける(自動化されると思うが)のだろうと思う。

日本ではまだまだ現金支払いを選好する消費者が多いからだ。街で見る限り若い人が電子マネーの力をフルに利用しているとは思われない。

時々バスに乗ることがあるが、見ているとSuicaやPasomoのチャージ漏れで乗車口で千円札を出してチャージしている若い人を見かける。こんな人が増えるとバスの運行時間に影響するので全くスマートでない。

日本でも高額紙幣が一部の犯罪の温床になっていることは間違いない。それは振り込め詐欺の手口の一つとして、現金をゆうパックで送らせたり、犯人に手渡しさせる方法が流布しているからだ。

もっともこのことが日本で高額紙幣を廃止するほどのインパクトを持っているとは思えない。基本的には銀行ATMからの送金ルートが振り込め詐欺の最大の手口だからだ。

日本の1万円に相当する100ドル紙幣を米国内で目にすることは少ない。昔小売店で100ドル紙幣を提示すると受け取りを拒否され小切手で支払ったことがあった。100ドル紙幣は偽札が多い上、一般的にはあまり使われないので、敬遠される傾向があった。

小切手取引が普及していない日本で1万円が消えることは予想し難い。

しかしコンビニやスーパーのレジが自動化し、支払も電子マネーやクレジット払いが一般的になると高額紙幣の流通量は減っていく可能性は高い。

コンビニやスーパーのレジの自動化は現金払いをカード払いに完全に切り替えることで完結すると思うのだが、流通業界の取り組みはどのようなものだろうか?

電子マネー払いやカード払いを促進する方法は簡単だ。それはポイント還元やキャッシュバックのインセンティブを高めることである。

私は電子マネーは高齢化社会に優しい支払い手段だと思っている。歳をとってくるとレジやバスの入り口で、財布やポケットの中から小銭を探し出すのが面倒になってくる。そこで紙幣を出してお釣りを貰っていると手間がかかるし、財布やポケットが小銭でパンパンになってくる。

その点オートチャージ付きの電子マネーは手軽でスマートだ。

インドなどでは犯罪撲滅が高額紙幣廃止のドライバーになったが、日本ではスマートシニアが高額紙幣削減のドライバーになるのではないか?と希望的な観測を私は持っている。ただし客観的に見るとシニア層の現金指向は強いので、流通業界がよほど思い切ったキャッシュレスペイメントのインセンティブをつけない限り、電子マネー払いは普及しないだろう。

もし流通業界がキャッシュレスペイメントの促進に強いインセンティブを持つとすれば、労働力不足によるキャッシャー確保に悲鳴を上げる時だろう。

米国では2014年から2024年の10年間でキャッシャーの雇用は2%しか伸びないと米国の労働統計局は推測している。全産業の雇用は7%伸びると予想されるのだが。

世界トップクラスのハイテク技術を持ちながら、労働力不足と超高齢化社会に直面する日本の問題を解決する小さな具体策の一つがキャッシュレスペイメントの促進だと私は考えているのだが・・・・

 

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名古屋の恒例忘年登山は猿投山へ

2016年12月12日 | 

毎年12月に名古屋の山仲間と名古屋近郊で忘年登山を行っています。

今年は昨日(12月11日)豊田市と瀬戸市にまたがる猿投山(629m)を歩きました。

12月10日土曜日豊橋に止まるひかりに乗って豊橋へ。豊橋から名鉄で東岡崎に行き、盟友のSさんとウナギ屋さんで一献傾けました。

店は岡崎では有名な「かも川」 https://tabelog.com/aichi/A2305/A230502/23005018/

こってりしたたれの味も美味ですが、あっさりした白焼きが酒に合うと私は感じました。

岡崎からは愛知環状鉄道で豊田に行きビジネスホテルに泊まりました。

翌11日は快晴。総勢10名はおいでんバスで猿投神社へ(300円)。神社で1名合流して総勢11名でまず神社に参詣。

神社横からしばらく林道を歩きます。

20分ほど歩いて9時50分に登山道に入ります。猿投神社から猿投山に行くコースは標識がしっかりしていて歩きやすい道です。

10時37分展望台到着。ここは南側が大きく開けた絶景スポットです。

11時3分東の宮到着

東の宮から頂上に向かう尾根道の途中で南アルプスと中央アルプスが見えました。

600㎜相当の望遠レンズを出して南アルプスを撮影。右のピラミダルな山が聖岳で中央が赤石岳です。赤石岳の方が高いのですが、聖岳の方が近いので高く見えました。聖岳は南アルプスで一番南に位置する3千m峰です。

11時32分猿投山山頂到着。気温3度。少し風があるので体感温度は零度に近く寒く感じました。

頂上からは猿投温泉を目指して降ります。このルートは標識がほとんどなく、GPSを見ながら歩きました(それでも一カ所分岐を通り過ぎて戻るというハプニングがありましたが)。

猿投温泉の手前に小さな沼があり、ススキがきれいでした。

冬の短い日差しが水面に光っています。

14時18分猿投温泉到着。温泉に入って3時からすき焼きパーティになりました。

入浴+食べ放題・飲み放題+最寄駅への送り付きで3,990円のパック。お値打ちでした。

送りのバスを待つ間に紅葉を撮影。

下の写真はホワイトバランスをオートから晴天に変更して紅葉の赤を強調しました。

名鉄浄水駅から鶴舞駅・名古屋駅と乗り継ぎ、帰宅したのは午後10時前です。

長旅でしたが、ご馳走と絶景に恵まれた楽しい旅でした。

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【イディオム】Melt up~米国株は買いが買いを呼ぶ相場

2016年12月09日 | ライフプランニングファイル

昨日(12月8日)も米国株は高値を更新、ダウは大統領選挙以降13回目の高値を更新した。

USA TODAyに5 reasons why stocks are in melt-up modeという記事が出ていた。

Melt upは「相場に乗り遅れることを恐れる投資家が買いに入り相場を押し上げる」現象を表す相場用語だ。

同紙によるとMoonshot(月ロケットの打ち上げ。「壮大な挑戦」という意味がある)と呼ぼうが、トランプラリーと呼ぼうがメルトアップ相場は現実だという。

同紙がメルトアップ相場になっているという5つの理由は次のよおりだ。

  1. ベンチマークとパフォーマンスを競っているファンドマネージャーが相場に乗り遅れまいと株を買っている。
  2. 国債売りで長期金利が上昇していた(10年債利回りは7月の1.32%から1%上昇)が、12月に入って上昇に歯止めがかかった。長期金利の上昇は借り入れコストを上昇させるので、株価のマイナス要因だが、金利の過度の上昇懸念が弱まった。
  3. 大量の資金が債券投信から株式投信に流入している。
  4. トランプ効果。ビジネスフレンドリーな政策やインフラ投資増加予想から、UPSや鉄道株が高値を更新している。
  5. 物流株の上昇は「株の買いシグナル」という相場格言がある。

まさに買いが買いを呼び相場を押し上げているのが、大統領選挙以降の米国株相場だ。そして円安効果もあり日本株にも上昇のはずみがついている。

株価の上昇および上昇機運は財布の紐を緩めるので、良いことづくめなのだが、バリュエーションの急上昇はコレクション(株価の急激な調整)を起こす可能性が高い。

Melt upを解説しているFT.com/Lexiconは Gains caused by melt ups are usually followed quite quickly by melt downs.と結んでいた。

「メルトアップ相場の儲けの後には通常急速なメルトダウンが起きる」

相場に携わっている人なら誰しも知っていることだが、「自分はメルトダウンの前に売り抜くことができる」と信じているから、メルトアップ相場に乗るのである。かく言う私もメルトアップ相場に乗っているのだが。

ただしポートフォリオの半分程度は自動的にリバランスするファンドに資金を置いている。これは株価が当初設定した時価割合を越えたら自動的に当初の時価割合まで株を売却し債券を購入するファンドだ。

欲はほどほどが良いと私は考えているのだが・・・

 

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