金融そして時々山

山好き金融マン(OB)のブログ
最近アマゾンKindleから「インフレ時代の人生設計術」という本を出版しました。

イバンカと金英哲の接触はあるか?興味深いオリンピック閉会式

2018年02月23日 | 英語・経済

テレビ桟敷で楽しんだ平昌オリンピックも明後日閉会式を迎える。

閉会式にトランプ大統領の娘で大統領補佐官のイバンカ・トランプ氏が出席すると報じられた数時間後、北朝鮮は金英哲労働党中央委員会副委員長を閉会式に派遣すると発表した。

金副委員長は2010年に韓国の哨戒艦天安が沈没した事件に関与した見られ、韓国が制裁対象にしている人物だが、韓国統一省は南北関係の改善と非核化推進のために彼の訪問を受け入れいると発表している。

外交アナリストの一般的な見方では、北朝鮮はハードライナーの金副委員長を派遣する狙いは、オリンピック・パラリンピック終了後開催が予定されている米韓共同軍事演習が朝鮮半島の緊張を高めるという警告を発することにあるという。

米国政府はイバンカ・トランプ氏が北朝鮮派遣団と会談する予定はないといっている。

だがオリンピックの幾つかの競技を見ていると、力とスピードの真っ向勝負だけで勝負は決まるものではないことが分かる。

特に複数の競争相手と同時にスピードを競い合う競技では、駆引きの巧拙が勝負を決める場面があった。

イバンカ・トランプ氏と金副委員長の間に接触が起こり、何かが進展すると考えるのは現段階では楽観的過ぎるだろうが、

公式声明だけを信じて何も起こらないと決めるのも早計だろう。

「兵は詭道」(戦いは騙しあい)である。閉会式後もしばらく韓国から目が離せない。

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デジタル化で生産性は回復する~マッキンゼーグローバル研究所

2018年02月22日 | デジタル・インターネット

WSJはマッキンゼーグローバル研究所の「デジタル化の拡散で生産性はやがて回復するだろうが、多くの産業分野でデジタル化はまだ初期の段階にある」というレポートを紹介していた。

労働生産性が金融危機後低迷していることは多くのエコノミストを悩ませてきた。マッキンゼーレポートは労働生産性低迷について3つの原因をあげている。

一つは1990年代に始まった生産性向上ブームが約10年で終了を迎えたこと。次に2007年―09年の金融危機後世界の主要経済で需要が減退したこと。

最後に次の生産性向上を牽引する主役のデジタル化がまだ普及段階に入っていないこと。

レポートは過去50年を見ると新技術の商業化が始まって90%の普及率に達するまで8年から28年かかっている。

デジタル化はテクノロジー、メディア、専門職、金融サービス分野では進んでいるが、小売業、農業、建設、病院、行政、教育面では遅れている。

マッキンゼーの指摘はこれらの分野でデジタル化が普及が始まる時生産性は上向くということになる。

米国の例では長期的な生産性の成長率は年間2%だったが、昨年の成長率は1.2%まで低下していた。

★   ★   ★

このレポートは米国と欧州諸国の調査をベースにしたもので日本は含まれていない。

しかしトレンドは同じと考えてよい。もっとも日本の場合、メディア・専門職(士業)・金融サービス面でも欧米の先進分野には立ち遅れているのではないか?と思うことがある。一例は未だにファックスが使われ、オフィスのペーパーレス化が進まない点だ。

小売業についていえば、決済面で現金大国の日本が欧米のみならず中国など途上国にも大きく後れを取っていることは間違いない。

卑近な例でいうと日本にはまだ新聞代金の現金集金などという慣習が残っている。個人宅への集金はコストがかかるがそのコストは現金払いをしている人だけが負担する訳ではない。総ての購読者が負担している訳だ。国民経済として壮大な無駄をしていると言わざるを得ない。

生産性の向上なくして若い世代が生活レベルを向上させていくことはできない。昔からの慣習を変えてデジタル化できることはデジタル化することにサービス提供者と消費者がタイアップして取り組む必要があるのだが、日本は遅れていると言わざるを得ないだろう。

 

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生き残るために身の丈を縮める邦銀~Asian review の記事から

2018年02月21日 | 金融

今日(2月21日)日経アジアンレビューにShrinking to survive: Japan's banks face a quiet crisisという記事が出ていた。邦銀の直面する問題を多方面への調査を踏まえた取り上げた中々良い記事だと思う。この記事の記者の方からはインタビューを受け、記事の中に私の名前が実名で出てくるのでヨイショをする訳ではないが・・・

エピソードを省略して記事のポイントを紹介しよう。

  • ムーディーズ・ジャパンのSVPレイモンド・スペンサー氏は「リテール銀行は複雑な業務ではない。コンビニエンスストアの様に運営するべきだ。なぜ銀行は顧客が訪問できない時間帯(典型的には9時ー3時)に店を開けているのだろう?」と疑問を呈している。
  • 最大手の三菱東京UFJ銀行(4月1日より「東京」が消える)では、過去10年の間に店舗を訪れる顧客数は40%減少する一方インターネットバンキングのユーザーは40%増えた。
  • 邦銀は低成長と低金利という二つの重荷を背負っている。ムーディーズ・ジャパンによると邦銀のリターンオンアセットは0.3%で英国の0.8%、米国の1.0%よりはるかに低い。邦銀よりリターンオンアセットが低いのはドイツの銀行だけである。
  • KPMGは将来、世界的なテクノロジー企業が銀行業界を支配するようになり、2030年までに銀行はわき役に追いやれると予測する。
  • 邦銀の競争相手は同業だけではない。中国のアリババ集団のような金融コングロマリット化した企業が日本にやってくる可能性がある。
  • もっとも邦銀は手をこまねいている訳ではない。昨年9月に三菱UFJフィナンシャルグループの平野社長は9,500人の人員削減や516の営業店の内100店舗をテレビ電話等で顧客をアシストする自動化店舗に切り替えると発表した。
  • これに追随してみずほフィナンシャルグループも、10年間で1.9万人の人員削減を行い、100店舗を閉鎖すると発表した。
  • しかし英米の銀行のリストラ速度はもっと早い。英国の銀行は1989年以降年間300店のペースで銀行店舗を閉鎖している。米国では2017年6月までの1年間に1,700の銀行店舗が閉鎖された。
  • 日本のメガバンクは身の丈を縮めているだけだはない。成長著しい東南アジアという「ブルーオーシャン」での活路を求めて、三菱UFJフィナンシャルグループは現地銀行への出資比率を高めている。
  • 転職を斡旋するリクルート・キャリアに職探しを登録した銀行員は、2017年4月―9月の間で約3割増加し、1万人に達している。その多数は35歳以下である。

自分が働いてきた業界が縮小せざるを得ない状況を見るのは寂しいものがある。

しかし世の中変わらないものはない。アメリカの神学者ラインホルト・ニーバーは第二次世界大戦に出征する兵士に次のような祈りを捧げた。

「神よ、変えることのできない事柄についてそのまま受け入れる平静さを、変えることのできる事柄についてはそれを変える勇気を、

変えることのできないものと変えることができるものを見極める叡智をお与えください」

「金融」という機能は永遠に社会からなくならないが、金融の担い手は恐らく変わっていくだろう。

今何が変わり何が変わらないかを見極める力が求められている。

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e-Taxあれこれ

2018年02月21日 | ライフプランニングファイル

昨日飲食会社を経営するNさんとスキーに行く車の中でe-Tax論議が進んだ。

Nさんは前日所得税についてe-Tax申告を行ったそうだが、2年ぶりの電子申告で個人認証サービスの暗証番号を失念しており、市役所の出張所に走り、暗証番号を再登録して無事済ませたという。

今朝私の自宅には国税庁から「還付状況確認のお知らせを送りますので国税庁HPにログインしてください」という連絡がきていた。

そこでログインを試みるがうまく行かない。どうもパスワードが違うようだ。2週間ほど前このパスワードでログインしたはずなのだが・・

面倒くさいのでパスワードの再設定をパソコン上で行う。これは最初に登録した「秘密の質問」に回答すると再設定用のパスワードが登録メールに送られる仕組みだ。

e-Taxによる確定申告は便利だが、年に1回しか行わない作業なので細かい手順は忘れていることが多い。またパスワードも国税庁用と本人認証用の2種類があるなど少々煩わしい。

国税庁のデータによると平成28年度のe-Tax利用率は53.5%(ここ数年利用率は微増に留まっている)と半分を超えている。

しかし申告センターや税理士によるe-Taxの代理送信もかなり多いと聞く(実際の割合は不明)。

e-Tax利用はマイナンバーカードの取得・カードリーダーの購入など事前準備が必要だし、準備が整ったとしても、パソコンの設定や必要アプリのインストールが求められることが多い。事務とパソコンに慣れていない人にはそれほどたやすい作業ではないかもしれない。

国税庁の職員や税理士さんの手助けでe-Tax申告を行っている人も合算してe-Tax利用率が5割を超えたと認識すると、電子政府化などの政策判断に誤りをもたらす可能性がある。

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オリンピックを観ていると滑りたくなった

2018年02月20日 | スポーツ

連日オリンピックを観ていると滑りたくなり、尾瀬岩鞍スキー場にきた。
初めてくるスキー場。コブの多いタフなコースが目立つ骨太のスキー場だ。
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