金融そして時々山

山好き金融マン(OB)のブログ
最近アマゾンKindleから「インフレ時代の人生設計術」という本を出版しました。

朗報!9月7日から日本入国時の陰性証明が不要に~ワクチン接種3回で~

2022年08月25日 | ニュース
 この秋海外旅行を考えている人には朗報だ。
 岸田総理は昨日(8月24日)「コロナワクチンを3回接種し、接種証明を持っている人は9月7日から帰国前72時間以内のPCR検査陰性証明は不要とする」と発表した
 私は10月ネパールに渡航する予定だがこれは朗報だ。
5月に渡米した時は帰国時にPCR検査の陰性証明を求められて不便な思いをした。陰性証明は外務省が認めるフォームでないといけない。つまり英語日本語併記となっているため、日本人医師のクリニックでないと発行することは困難だ。私は外務省の推奨するクリニックにいったが1枚の証明書発行に3百ドルほど払った記憶がある。
 不便さは金銭の問題だけではない。クリニックにアポイントを取る。証明書を受け取りにいくという具合にスケジュールが制約される。また万一PCR検査で陽性になると予定していたフライトに搭乗できないというリスクがある。このリスクを金銭的緩和するため、保険契約を結ぶのでそのコストがかかるという具合に負担が大きかった。
 ネパール渡航を前にPCR検査がなくなった(条件付きだが)ことは朗報だ。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「インフレヘッジにどんな株を買えばよいですか?」~ある女性の質問への回答

2022年08月23日 | 投資
 先日山仲間とキャンプに行った時ある女性から「将来インフレが進むのではないか?と不安です。資産防衛のために株を買いたいのですがどんな株が良いですか?」という質問を受けました。その時の私の答はシンプルで「マイクロソフト株が良いですよ」というものでした。
 でもあまりにも素っ気ない答なのでもう少し補足説明をしてみたいと思います。
 まず今後もインフレは進むのでしょうか?
 現在アメリカで起きているインフレの原因は次のようなものです。
  • コロナ一段落の後、我慢していた消費需要が爆発的に増加しました。今年5月にニューヨークに行った時タイムズスクエアや五番街に人があふれていました。海外からの旅行者はあまりいませんが、コロナ期間中アメリカ国内で旅行や観劇を我慢していた人がニューヨークに殺到している感じでした。余談ですがこの抑圧された需要をPent up demandと言います。日本人は慎重でおとなしい気質ですからあまり抑圧された需要が爆発しているとは思いません。それでもキャンプ場に行くとかなり利用者が増えたなぁと感じます。
  • アメリカではコロナ感染を警戒して対面で仕事をすることを警戒する人もいて就業者総数はコロナ以前の水準に戻っていません。つまり求人数が求職者数を上回る状態が続いています。このため失業率は過去最低レベルまで下がり、賃金の上昇が続いています。
  • 食品・原油などコモディティ(汎用品)と言われるものの値段は、ロシアのウクライナ侵攻によるロシア・ウクライナからの輸入の滞りなどで高止まりが続いています(原油価格は少し下がってきましたが)。
  • また「世界の工場」中国のゼロコロナ政策による物流供給チェーンの滞りにより色々なものの値段が上がっています。
 このようなアメリカや欧州の物価高に伴う輸入価格の上昇、円安による輸入価格の上昇、一部の業種における人手不足などで日本でもジリジリと物価は上昇しています。
 問題はこのインフレ傾向は短期間に鎮静化するのか持続するのかという点です。コロナについては私は専門家ではありませんので、論及は避けますが、グローバル化が進む中、パンデミックPandemic(感染症の広域での大流行)という現象は今後も起こりうると考えておいた方が良いと思います。
 ウクライナ問題のような大きな紛争は今後発生する可能性が高いと考えています。理由は世界には異なる価値観を持った国が多く存在しかつ力を着けてきている一方、アメリカは「世界の警察」を止めると宣言して以来戦争抑止能力が低下しています。パックス・アメリカーナ(アメリカの平和)という言葉が死語になったとは思いませんが、アメリカがロシアや中国の暴発を抑止できるかどうかは慎重に考える必要があるでしょう。
 私は長期的にはインフレ傾向は続く可能性が高いと考えているのですが、その理由の一つは地球温暖化に伴う農水産物の収穫の不安定化や温室ガス抑制のためのエネルギー価格の上昇などがあります。これに加えて日本の場合は労働力不足による賃金上昇圧力が高まる可能性が高いと考えています。
 なお社会保障や雇用構造の点から見ると日本の社会は米国などに較べて、インフレ抵抗力が非常に低いと言わざるを得ません。わかりやすい例は公的年金です。日本の公的年金はマクロスライド制という仕組みのため、インフレ分だけ年金が増えるということはありません。むしろ今年の年金改定のように物価が上昇しているのに年金額は減ったということが起きています。これに較べてアメリカの公的年金は完全物価スライドです。
 また雇用という点ではアメリカでは現在1年間で30%位の人が転職し、より高い給料を得ています。これに較べて日本の転職率は8%程度です。転職が当たり前の世の中になると、優秀な社員には会社は給与アップで引き留めを図りますから従業員の給与はあがる可能性が高まります。雇用構造の上からも日本社会はインフレ抵抗力が弱いと言わざるを得ませんね。
 次にインフレヘッジにマイクロソフトなど米国優良株が良いという本題についてです。
 少し硬い話をすると一時話題になったピケティの「21世紀の資本論」の中に出てくる「利益率>成長率」という説があります。これは資本家が投資によって得られる利益率は労働者の賃金の成長率(所得はGDPと並行して伸びる)より高いので格差が拡大するという説です。説を支持するかどうかはさておき、コロナ禍の中の株高などを見ると投資のリターンは大きいと感じます。
 つまりもしピケティの説を正しいと思うなら資本家的に振る舞う=株を買うのが良いということになります。
 次にどのような株式投資をすれば良いのか考えてみましょう。
 下のチャートはマイクロソフトと米国の代表的株価指数S&P500と日経平均の過去5年の株価の推移を示したものです。
 このチャートから次のことが分かります。
  • 米国株市場平均は日本株市場平均よりパフォーマンスが良いがこの5年に限っては日本株もかなり健闘している。
  • マイクロソフト株のパフォーマンスは市場平均を圧倒している。
なおこのチャートだけでは分かりませんが、他のデータを合わせて考えると次のようなことが言えます。
「アメリカ株全体のパフォーマンスは日本株より高いが、アメリカ株のパフォーマンスを押し上げているのは、マイクロソフト、アップルなどIT銘柄であり、IT銘柄を除くと日米の株価インデックスにそれほど差はない」
 ということは過去を参考にすればマイクロソフトやアップルの株を買うのが株価上昇が期待できインフレヘッジ効果があるということになります。
 その中で敢えて私が一銘柄ということであればマイクロソフトを選んだ理由はアップルより配当性向が高いという点です。もっとも両社の過去の株価推移はほぼ同じようなものでどちらを買っても長期的には同じでしょう。
 また私はiPhoneユーザーではなく、それ程アップル好きでないということもマイクロソフトを推奨した理由です。マイクロソフトとアップルもトリプルAという最高の財務格付を持っている会社ですから安心して長期保有できると思いますよ(もっとも株のことですから値段は上下しますが)。
 参考までに世界的なプロの投資家の最近の行動を見ると、ウォーレン・バフェット氏率いるバークシャー・ハザウェイ社は株式市場全体が下がった今年第2四半期にアップル株を大きく買い入れました。またサウジアラビア王室につながるファンドは同じ時期にマイクロソフトやテスラ株をかなり仕込んだそうです。
 私の話はこれでおしまいです。多少なりとも参考になれば幸甚です。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

蓼科で大人のキャンプを満喫

2022年08月22日 | うんちく・小ネタ
 先週末蓼科のHYTTER FOREST CABINSというキャンプ場に山仲間十数名が集まり、キャンプ生活を楽しみました。キャンプ生活といってもテントに泊まった人は一部でバンガロー泊の人の方が多かったので、野外に泊まり自分たちで料理を作って楽しんだという方が正確でしょう。
 でも野外に泊まって自分たちで食事を作るのは初めての体験!という人もいて好評な企画でした。
 「火を起こす」「食材を調理する」「ビールやワインを飲む」「ワイワイ話をする」「歌を歌う」「ゲームを楽しむ」と若い時の気分に還ってはしゃぐのは最高のストレス解消でしょう。もっともプロジェクトと企画し運営してくれた幹事さんはストレスが大きかった思いますが。
キャンプ場には若い家族連れの方が多く、タープ付きのテントを張って快適なキャンプ生活をエンジョイしていました。
 私が持っていったテントは10年以上も前に購入したMont Bellの山岳テントです。キャンプ場で見ると山岳テントを張っている人はいません。山岳テントは耐風性や雪の重さに耐える力は強いのですが、居住性は低くまたタープ付きテントに較べるとかなり高いものです。キャンプ場でキャンプ生活を楽しむにはもっと居住性の良いタープ付きのテントなどを持っていくべきでしょうね。
 今回のキャンプでは料理長が腕を振るってアクアパッツァなども作ってくれました。
 この集まりは「山好き」「料理好き」「お酒好き」という以外はあまり共通点がなく、また職歴、居住地もバラバラなのですが、美味しいものを楽しく作り、楽しく頂くという一点に力を合わせることができました。
 大人のキャンプ万歳です。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

大河原峠から北横岳ラウンド~晴のち雨の山歩き

2022年08月21日 | 
昨日(8月20日)大河原峠から北横岳を時計回りに登ってきました。大河原峠は標高2,081m。蓼科山と北八ヶ岳の盟主・横岳(北横岳)の間にある峠です。この峠は白樺湖と佐久を結ぶ林道(蓼科スカイライン)の最高点であるとともに、大分水嶺上の峠でもあります。
 一度は行ってみたい場所でしたが、車でないとアクセスできないので中々チャンスがありませんでした。今回山仲間と蓼科湖近くのキャンプ場でキャンプをすることになり、マイカーで行くのでこの機会に大河原峠に行くことにしました。
 大河原峠からは蓼科山に登る、北横岳に行くなど幾つかのコースがあるのですが、蓼科山は何度も登っているので、双子山から大岳を経て北横岳に登り、亀甲池に降って天祥寺原から大河原峠に戻るというコースを歩くことにしました。
8時45分に大河原峠を出発して25分程登ると草原の双子山山頂です。山頂からは浅間山、荒船山など特徴的な山容を持った山々を見ることができました。浅間山から荒船山に続く稜線は大分水嶺で、秩父山地を通り、八ヶ岳の最高峰赤岳を経てこの双子山を通り蓼科山に続いています。
双子山から双子池には気持ちの良い草原歩きで始まりやがて深い針葉樹の森の中に入っていきます。
9時50分双子池到着
双子池から大岳へは大きな岩塊の中をすり抜けるような岩道です。ところどころ踏み跡が薄くなり遠くの赤布を頼りにあるくところもあります。北横岳の山頂の標識には「難路」という注意書きがありました。
大岳分岐(大岳山頂は登山道から片道7,8分のところにあります)の手前から本格的に雨が降り出しました。
よってほとんど写真は撮りませんでした。13時30分北横岳山頂。
15時10分天祥寺原 着 16時大河原峠帰着
標準的なコースタイムより少し遅くなりましたが、雨が降り始めると雨具の着脱に時間が取られ、また岩場での足捌きが悪くなるので時間がかかったためです。
楽しみにしていた北横岳からの眺望はありませんでしたが、変化に富んだコースを歩くことができて良い思い出となりそうです。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

仲間内アンケートからDX推進の問題点を考えた

2022年08月18日 | デジタル・インターネット
 DX(デジタルトランスフォーメーション)については、第二次岸田改造内閣が突破力のありそうな河野太郎氏を3人目のデジタル大臣に据えるなど政府が力を入れています。しかしDXについては一部の民間企業では成功しているものの、多くの市民を相手にする行政機関では期待する成果を上げていません。DXとは「ITの浸透が人々の生活をあらゆる面で良い方向に変化させること」(2004年にスウェーデンのウメオ大学のエリック・ストルターマン教授が提唱した概念)なのですが、ITが浸透するほどにはうまくいきません。その原因はどこにあるのでしょうか?
 その問題を身近な例で考えてみたいと思います。
 身近な例というのはごく最近私が山仲間に対してキャンプ地で登る登山ルートについて「MicrosoftのFormsというアンケートツールを使ってアンケート調査を行ったけれど、期待どおりの処理がおこなわれなかった」というものです。期待していたデータ処理というのは次のとおりでした。①Formsを使って電子的なアンケートを作る②そのアンケートのURLおよびQRコードをメッセンジャー(電子メール)で参加者に送る③参加者はアンケートに回答し指定の送信ボタンを押して回答する④アンケート結果はリアルタイムでエクセルで集計されるというものです。つまり主催者側(この場合私)が集計作業を行わなくても瞬時に全参加者の意向を把握できるというものでした。
 ところが期待どおりに送信ボタンを押して回答してくれた人は約半分で残り人はメールで回答してきました。メールで回答を受けると私はエクセルシートに回答を手入力する必要があります。手入力するということは手間がかかりますし、タイプミス(あるいはコピーミス)というヒューマンエラーを起こす可能性があります。
 これは「DXが期待どおりに進まなかった簡単な例」ですが、行政機関でDXが期待どおりに進まない原因もこの例の中に「原型」がありますから少し考えてみました。
 まず「なぜアンケート回答者は指示どおりに送信ボタンを押してデジタル的に回答しなかったか?」という問題です。一つは一部の回答者から指摘があったのですが、URLからダウンロードした回答フォームで送信ボタンを押したけれど送れなかった。ただしQRコードからダウンロードした回答フォームからは送ることができたという問題です。主催者側では簡単なテストを行った上でアンケートを実施したのですが、回答者側のデバイス(PCやスマートフォン)やOSのバージョン等によりうまく機能しない場合があるということです。行政機関が実施する調査等では、複数のデバイスやOSでテストしてあらかじめ問題点をつぶしているはずですが、不具合がでないとは限りません。不具合がでた時の対処方法が重要な課題ですね。
 次に「主催者側の後処理に対する配慮不足」という問題です。主催者側が複数のアクセス方法を用意したのは、デバイス等の問題である方法でデジタル回答ができない場合、もう一つの方法をトライしてデジタル回答をしてほしかったのですが、半数の回答者はデジタル回答を止めてアナログ的なメールで回答を行いました。「メールの方が早い」ということなのですが、一方でこれは「 主催者側の後処理(集計表を手作業で作成する)負担を増加させる」ということです。一般的にはユーザが後処理に考慮することは期待できません。そこで大手民間企業などでは「申込はこのフォームからお願いします。メールや電話では受け付けません」という案内を行っている場合があります。こうなるとユーザ側は不便でもなんとかして指定フォームからの入力にトライします。アマゾンなど外資系企業はこれで押し通しているところが多いと思います。行政機関がこれをやると当初はクレームが来ますがそれを乗り越えないとデジタルトランスフォーメーションは進みません。
 「デジタル化を進めるにはアクセスをデジタルルートに一本化する」ということが必要だということを徹底する必要があります。
 次の問題は「アンケートを少し複雑にしてしまった」という主催者側の問題です。回答項目をA,B,C,Dの4択にすれば良かったのですが、Eとして「その他」を入れました。その他については記述式回答になりますので、Eを選択した人は記述が必須になります。必須ということはこの項目に回答しないとアンケートを送信できないということになります。
 主催者側としては「アンケートをシンプルにして回答しやすくする」という課題と「回答者の気持ちやニーズをできるだけ細かくすくいあげる」という課題のバランス点を見出す必要があります。
 また回答項目を「必須」にするか「任意」にするかなどの設計も重要なポイントになります。
 さて以上のような考察を踏まえて、行政機関がDXを進める上で留意しなければならないことは何か?ということをまとめてみましょう。
 第一に「複数のチャンネルやツールの併存を止めて、デジタルチャンネルやツールに一本化する」ということです。「申込はWEBのフォームでも、メールでも電話でもファックスでもできます」などやっていると消費者側は自分にとって使いやすいチャネルで申し込みを行います。そうすると処理に要する時間や人手間が増え、状況のリアルタイムな把握ができなくなります。それは回りまわってユーザ側(消費者側)の不利益にもなるはずです。
  デジタルトランスほーメーションの推進者は、DXがいかに後処理を簡素化し、それは行政コスト=税金負担の軽減につながり、消費者のメリットになるかという点をもっと強調し、チャンネルやツールの一本化を呼び掛けるべきなのです。ユーザ側も長期的な視点にたって、多少努力してもDXについていくという気構えを持つ必要があります。また理由もなく従来の方法に固執するユーザまで保護する必要はありません。もちろん努力する気構えを持っている人には手厚いサポートをする必要はありますが。
 以上のことから第二のポイントは「行政も消費者側も後工程の処理コストを考えて協力し合いながら、DXを推進して行政コストを下げる」というコンセンサスを作ることが必要ということになります。
 第三のポイントは「行政側が意向集約などアンケート調査や申請フローなどのわかりやすさにもっと努力を払う」ということです。
 これはデジタル技術の問題というよりも消費者目線、市民目線でモノを考え、分かりやすい日本語で情報を共有するというコミュニケーションの問題です。この行政用語や法律用語を分かりやすい日本語にするということは、今後移民の受け入れを拡大していく上でも重要な課題です。デジタルトランスフォーメーションの推進と合わせて実施して欲しいですね。
 
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする