今年は寒い日が続くせいか、会社の同僚や先輩に体調を壊す人が増えている。更に痛ましいことに今週前の会社のOBが60歳にして他界したという話を聞いた。心臓発作ということだ。
こういう話を耳にすると雑誌や新聞の流し読みしていても、ついつい健康問題を扱った記事に眼が行くものだ。
最近のニューヨークタイムズ(NT)を読んでいると、ボストンのBringham and Women's HospitalのYates博士による長寿の研究が紹介されていた。その研究は四半世紀にわたって2,300人以上の男性の生活習慣を分析して、90歳を越えて長生きしている人の健康管理のポイントをまとめたものだ。
結論は巷間言われていることと同じである。すなわち「禁煙」「体重管理」「血圧コントロール」「定期的な運動」「糖尿病を避ける」ことである。
研究によると、90歳前に死亡する危険性が「喫煙者は非喫煙者に比べて倍である」「糖尿病を持つ人は86%増える」「過度に肥満な人は44%増える」「高血圧の人は28%増える」ということだ。
一方定期的な運動を行っている人は90歳前に死ぬ危険性を20%から30%削減することができる。
長寿にはこれらの要因の他「教育レベル」「社会的孤立の度合い」「コレステロール値」「適度なアルコールの摂取」などの要因が影響を与えるがこれらは分析されていない。
大切なことは長生きしている人も90歳前に死んだ人も同様に慢性的な病気を抱えているということだ。
Instead of delaying disease, they delay disabilityとNTは言っている。「長生きした人は病気にかかることを遅らせたのではなく、病気により身体障害を起こすことを遅らせた」ということである。
短い日本語に意訳すると一病息災ということになるだろう。 病気を自覚しながら、それをコントロールして自立した生活を維持するということが長寿につながるということなのだろう。
蛇足を加えるならば、一病息災の「一病」は自覚症状を伴う病気であることが必要かもしれない。「サイレント・キラー」と呼ばれる高血圧症などは、自覚症状が少ないため放置されがちだ。