2月の三連休の最終日、天候ばっちりなので群馬県の浅間隠山(1,757m)に登ることにした。少し前まで浅間隠山にしようか荒船山にしようかと迷っていたが、浅間隠山の方が高いのでこちらに登ることにした。建国記念日の朝午前6時45分頃、西東京市の自宅を愛車X-trailで出発。一昨日スノータイヤに換えているので、どんな雪道でも平気だ。長野自動車道の藤岡インターチェンジから国道17号に入り、国道406号、県道54号と快適なドライブで9時15分頃浅間隠山登山口に到着。登山口の手前から道路の日陰部分には残雪が残るようになる。それでも運転のペースは落ちることなく自宅から2時間半で到着。登山口から100m程西側に行ったところに7,8台駐車可能なスペースがある。なおガイドブックには少し先の二度上峠に広い駐車場があると記されているが、ここに駐車できたのでそちらの状況は分からない。
登り口付近で70-80cmの積雪だろうか?暫く靴のまま歩くが、傾斜がきつくなるところでアイゼンを着けた。浅間隠山は頂上手前のピークに登るところが急傾斜だ。そこを過ぎると潅木も疎らになり、笹原が頂上に向かって広がっている。
午前11時頂上着。出発から1時間半。夏のコース標準タイムと同じだ。今日は暖かいので下着のシャツとフリースのシャツの2枚で登ったが全く寒くなかった。頂上では昼飯を食べるのでウインドブレーカーを羽織る。頂上からは浅間山やその手前の軽井沢高原ゴルフ倶楽部が一望できる。
頂上からは浅間山はいうに及ばず富士山・八ヶ岳・妙義山・谷川連峰・北アルプスなど日本の山々が一望できた。
写真は南の妙義山方面を見たものだ。妙義山は中程に位置しいてる。この尽きることない山並が日本の山岳風景だ。
頂上では4,5パーティ10名程度の人達と出会った。これだけの展望を持つ山でしかも冬でも登り易いから、もう少し登山者がいても良さそうなのだが登山者は多くない。車でないとアプローチし難いということで登山者が少ないのだろう。11時15分過ぎに下山開始。岩淵山と浅間隠山の鞍部辺りでアイゼンを外す。雪が団子のように付着して歩きにくいのでアイゼンを外すことにした。登山口には正午に到着。下山時間は45分だった。
登山口に近い谷筋では太陽光線が雪面に作り出すオブジェを楽しむことができる。
こんな時雪山遊びを知っていて良かったと思う。雪山を登ることで私のアウトドア生活は大きく広がっている。
今日の雪山遊びはこの程度のギヤ(道具)で出来る。雪山には危険な要素もあるので、無闇にお勧めはしないが経験豊富な仲間と出会う機会があれば取り組んで良い遊びだと私は思う。
登山口から10分程車で走ったところに「はまゆう山荘」なる凄く立派な宿泊施設があった。日帰り入浴500円という看板が出ていたので汗(3時間弱の登山ではあまり汗もかいていないが)をながすことにした。立派な宿泊棟を通って大浴場に着くが入浴客はゼロ。コンコンとお湯の溢れる大浴槽を独占して温泉を満喫した。
温泉の手前から浅間隠山を撮ることが出来た。ここから見る浅間隠山はピラミダルで立派だ。
登山前から帰りに猿の写真を撮ろうと考えていたので、駐車場で望遠レンズの準備をした。朝車を走らせていると「はまゆう荘」の手前の道路脇で望遠レンズの砲列が並んでいた。「猿を狙っているらしい」と私は思った。帰路猿のいそうな場所にはまだ巨大な望遠レンズが並んでいた。望遠レンズのことは詳しくないが一つ百万円はしそうな大口径レンズだ。群馬県の猿にそれ程の値打ちがあるのだろうか?と皮肉を言いたくる。
大口径望遠レンズの群に混じるのは嫌だと思いながら、車を走らせていると左手の斜面に数匹の猿を発見した。直ちに車を止め私の小さな望遠レンズ(望遠レンズプラステレコンバーターで550mm位にしたもの)を取り出し、シャッターを切った。三脚を立てる時間がないので、服が汚れることも忘れて私は車の屋根に望遠レンズを置き、泥だらけのドアにもたれながら猿の写真を取り捲った。
猿は枯れ草に混じっていて中々ピントが合わせ難いし、背景とのコントラストを出し難い。
しかし考えてみると猿は枯れ草やブッシュを外敵から身を守る道具にしているのである。猿の毛の色が枯れ草色に近いことは猿から見れば当然のことで、「もっとコントラストを出してくれ」というのは人間のわがままであろう。まして登山の合間に猿の写真を撮ろうなどと考えている安易なアマチュアカメラマンにまで媚を売る必要を猿は感じていないのであった。