サブプライムローン問題が賑やかになってから、私のブログへのアクセスが増えた。 ヤフー・ニュースの「サブプライムローン」のページに私のブログ「ハゲタカ舞うサブプライム市場」というブログが紹介されているからだ。ブログをエントリーしたのは昨年の3月中旬でまだサブプライムの問題は一般的ではなかったが。
私はサブプライムローン問題が顕在化した時から「これは邦銀や日本の大手投資家にとって10年に一度の大儲けをするチャンスだ」と言ってきたが、このチャンスをモノにしようという人は多くないようだ。
ところがFTによるとアメリカのキャッシュ・リッチな投資家達は、金融危機で売り叩かれた企業にハゲタカのように襲いかかろうとしている。今ハゲタカの時代が再び到来しそうだ。金融市場は4,5年から10年刻みで大きな混乱を起こしている。市場の暴落を黙って待っているのが、ウイルバー ロスWilbur Rossなどのヴァリュー(割安)投資家だ。
トラブルに陥ったモノライン保険会社を買収するか、あるいは新しい保険会社を設立しようかと考えているロス氏は「市場の動揺は買い物が多過ぎて選択に困るような状態をもたらしている」とFTに告げている。
買い物が多過ぎて選択に困る状態を英語ではembarrasment of riches、Embarrasmentは困惑だから「金持ちの困惑」というところだ。過去鉱業や自動車部品といった人気のない企業のリストラで財をなしてきたロス氏は最近「資金調達に悩む会社に投資しリストラするファンド」40億ドルをクローズしたと発表している。
ウオーレン・バフェット氏もここ数ヶ月で60億ドルの割安投資を行ったが、更に数倍のディールを狙っている。ロス氏やバフェット氏などの有名なバリュー投資家以外にも幾つかのヘッジファンドやプライベートエクイティが数十億ドルの資金を準備して、買い物の準備をしている。
舞い戻ってきたハゲタカは市場の底が近いことを告げているのだろうか? いつの時代も大金持ちは底値を拾って儲けることができる。
それとも底値を拾うチャレンジ心があるから大金持ちになれるのだろうか?