FTによると「コボック指数」Cppock indicatorが「買いシグナル」を出した。このニュースはブルンバーグにも出ていたが、FTのポイントを紹介しよう。コボック指数はテクニカル分析の一つで1962年にコボック氏が発明した。これは当月の月中平均株価を10ヶ月前のげっ中平均株価と比べ騰落率を計算する。これを10か月分作る。次に直近の騰落率に10をかけ、その1ヶ月前には9をかけ、10ヶ月前には1をかけるという方法で加重平均を出す。この合計がプラスになると「買いシグナル」を示すという。余り有名ではないが的中率の高いシグナルであるらしい(私はテクニカル分析は得意でないので詳しくは分からないが)
もっとも警告を発する人もいる。FTによると弱気で有名なソシエテ・ジェネラルのエドワード氏は「モメンタム投資(株価が上昇気配にある時、相場の勢いを信じて投資する手法)は利益を上げうるし、10回の内8回はこれらの指標は上手く機能する。しかし何時でも利益を上げることができる訳ではなく、失望することもありうる。もし私のようにファンダメンタルに対する見通しがないならば、コポック指数を追いかけるだろうが、今回は後で失望するだろう。」と述べる。
またコポック指数を信じる人もまだ上昇の兆候が弱いので若干の警戒を示す。実際2001年に同じ過ちがあったからだ。
コボック指数以外のプラス材料は取引量が増加していることだ。FTによると2ヶ月前に「今回の株式ラリーは短期の鞘取りを狙った投機家が牽引しているので持続するかどうか疑問だ」と述べていたNYSEユーロネクストのニーダラウアー会長は今週「取引高は非常に良い」と延べた。
またバークレーズ・キャピタルによると現在14%をキャッシュポジションにしている~これは歴史的に見て高い水準だが~投資家の8割は今年中に資産の再配分を計画しているということだ。
これらのことは株価の上昇要因である。もっとも前述のエドワード氏が述べるように雇用問題や住宅価格の下落などファンダメンタルの弱さは持続するので、株価がどこまで上昇するかは分からない。ただ3月以降の上昇相場を取り損ねた投資家の焦りがもう少し株価を押し上げるのではないかと私は見ている。