以前勤めていた銀行のOB会報に過去1年間の物故者リストが出ていた。お世話になった人の思い出を偲んだ後、このデータが意味するところはなにかあるのだろうか?と考えてみた。
一年間の物故者数は22名。余り大きな銀行ではないので物故者の数は多くない。このデータを死亡年齢順に並べた後、まず平均死亡年齢を出してみた。平均死亡年齢は71.5歳。無論このことは母集団である某銀行の勤務員の推定平均年齢が71.5歳ということではない。ただ単に「ある調査期間における亡くなった人の平均年齢は71.5歳だった」ということに過ぎない(つまり80歳や90歳で元気に暮らしている方のデータはカウントされていないからだ)。
次に中央値(つまり死亡年齢順に並べて真ん中に来る人の年齢)を見ると68.5歳。平均値より中央値が低いということは、若年で死んだ人が多い可能性を示唆している。
年代別の死亡数を見ると50代が1名、60代が10名、70代が5名、80代6名だった。物故者は一様に分布するのではなく60代に多かった。物故者リストに死因は出ていないが、50代、60代でお亡くなりなった人はガンの方が多かったようだ。
この少数のサンプルから結論を出すことは乱暴だが、ガンなどで60代に死亡することがなければある程度長生きする可能性が高いという推定は成り立ちそうだ。実際このサンプルの平均年齢以上(73歳以上)の物故者の平均死亡年齢は81.4歳だった。
もっともこのような推論が正しいとしても、何かの役に立つのだろうか?運よく70過ぎまで生きた場合に「俺はかなり長生きする可能性がある」と思い、更なる将来に備えて質素な生活を送る・・・という覚悟を決めるヒントになるかもしれないが。
そしてそのような質素な暮らしがまた長寿につながるのかもしれないが推測の域をでるものではない。