金融そして時々山

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【映画】「沈まぬ太陽」を観た

2009年11月09日 | 映画

11月8日(日曜日)ワイフと武蔵村山のミューに「沈まぬ太陽」を観に行った。上映時間は午前10時開始午後1時半終了という大作(途中10分の休憩あり)

オフィシャル・サイトはこちら → http://shizumanu-taiyo.jp/

話の粗筋は労働組合委員長として「過酷な労働条件は事故につながりかねない」と待遇改善を要求した恩地(渡辺謙)が、会社の懲罰人事でカラチ・テヘラン・ナイロビと10年間僻地に追いやられ、帰国後は御巣鷹山事故の後始末に尽力するというものだ。事故後政府は国民航空の会長に関西財閥から国見会長(石坂浩二)を招聘する。国見会長は恩地を会長室の室長に抜擢し、国民航空の改善に乗り出す。しかし会社の不正経理を明らかにする過程で、国民航空と自民党の暗部に触れたため国見会長は志半ばで解任される。恩地もまたナイロビに派遣される。

この映画を観て私が思ったことは、「多くの人は会社のため、国のためという言葉を口にするが本当に会社のため国のために動く人は少ない」ということである。

恩地は組合委員長として活躍したが、彼の中で「会社と組合」は対立していない。会社を良くするため、安全なフライトのために組合員の改善を求めていたので、会社と対立したという意識はない。一方副委員長の行天(三浦友和)は組合を踏み台にして出世街道を歩む(最後は贈賄容疑で逮捕されるが)。

行天達は「会社のため」という言葉を口にするが、それはほぼ「己の出世」あるいは「己に住みよい会社を守るため」という意味だ。

「国のため」についていうと総理の参謀を勤める竜崎(品川 徹)達が口にする「国のため」という言葉は結局のところ政権のため、党のためということに過ぎない。

これに対し恩地のいう会社のためは本当に会社を良くするためという意味だ。また国見会長は「国のためではなく事故で死んだ者たちや残された家族のため」に尽力する。しかし一人一人の国民を離れて国はないと考えれば、国見こそ本当に国のため働こうと考えたのだろう。

高い理想を持って生きる男たちはすがすがしい。人の一生は短いがすがすがしい生き方は「沈まぬ太陽」として長く人々の心に残ることを教えてくれる映画である。

コメント (1)
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