金融そして時々山

山好き金融マン(OB)のブログ
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黒人青年射殺事件、「典型」の罠の例

2014年08月18日 | 社会・経済

米国ミズーリ州で武器を持っていない黒人青年が白人警官に射殺された事件に対して、抗議デモが起こり、周辺の商店が襲われるなど緊張が高まっている。ミズーリ州知事はセントルイス郊外のファーガソンに非常事態を宣言した。

このニュースを見て私は最近読み始めた「リスクにあなたは騙される」(ダン・ガードナー 早川書房)のある一節を思い出していた。

・・・「西欧諸国、特に米国に不幸にも普及している典型性にまつわる迷信の一つは、黒人にかかわっている。つまり、典型的な黒人は犯罪者であり、典型的な犯罪者は黒人であるというものだ。・・・自覚的であろうとなかろうとこのことを信じている人が、都会の歩道を歩いているところを想像するといい。黒人が一人近づいてくる。瞬間的に、この人の「腹」は「典型的なものに関する規則」を用いて、この黒人が犯罪者である見込みが高いと判断するだろう」

射殺された黒人青年は近所で起きた強盗事件の容疑者と疑われたという話や道路の真ん中を歩いて交通妨害していたので、射殺した警官と口論になり、警官が発砲したとという話が流れている。

事実がはっきりするには少し時間がかかるだろうが、射殺した警官の頭の中、いや「腹」の中に「典型的な黒人は犯罪者である」という固定観念があったことは間違いないだろう。

「リスクにあなたは騙される」によると我々は「典型的なものに関する規則」でしばしば騙される。「典型的ないくつかの出来事で構成されている詳しいシナリオの方が、それらの出来事の部分集合より起こりそうに思われることがある」

心当たりがあるのは、将来のリスクに関する経済予測本だ。予測本は少数のシナリオをついてかなり詳細な予測を述べるので、読み手は「リアリティ」を感じて、シナリオを対する信憑性を高めてしまうようだ。

ファーガソンの警察当局は、黒人青年に発砲した警官のWilsonは「優しくて静かな男で優秀な警官だ」と述べている。

しかし優しくもの静かな男が固定観念にとらわれている場合は大いにありうるのである。

コメント (1)
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