金融そして時々山

山好き金融マン(OB)のブログ
最近アマゾンKindleから「インフレ時代の人生設計術」という本を出版しました。

「岳人」1年間購読してみます

2014年08月28日 | 

山好きの人であれば、一度は手に取ってみたことがあると思われる山岳月刊誌の「岳人」。その「岳人」の発行元が9月号より、中日新聞からモンベル・グループのネイチャーエンタープライズに変わった。このことは2,3ケ月前に知っていたが、モンベル・グループが「岳人」を引き継いだ経緯が、今月号のOUTWARD(モンベル会員向け雑誌)に載っていた。

それによると今年1月に、中日新聞東京本社の事業部長がモンベルを訪れ「発行継続が極めて難しい状況に直面している。今後『休刊』の可能性を含めて発行形態の見直しに入った」と辰野社長に告げた。

その時、辰野社長はとっさの決断として「モンベルで引き受けましょうか?」という言葉を発した。辰野社長の記事「軌跡」?によると、岳人の創刊は昭和22年(1947年)で、当初は京都大学山岳部の有志により発刊され、その後中日新聞に引き継がれた。昭和22年といえば、ヒマラヤの8千メートル峰(アンナプルナ)が初めて登られた年の3年前だ。アンナプルナ初登頂の3年後には世界最高峰のエベレストが登られ、登山ブームが花開いた。「岳人」はその頃から登山家の情報誌としての責務を担ってきた。

しかし時代が移り未踏峰や未踏の難ルートもほぼ登り尽くされてきた感がある。また「山ガール」や「中高年登山」という言葉が象徴するように今もちょっとした登山ブームなのだが、登るところは一般ルートであり、「岳人」の専門的な情報を参考にして登山をするような人はそれほど増えてはいないと思う。

一方で情報媒体としてはインターネットが普及し、登山に関する情報も無料で簡単に手に入るようになった。常識的に考えると事業として「岳人」の発行が成り立つのか?という疑問が起きて当然だろう。

優れたクライマーであった辰野社長は「若き日々、初登頂の記録を『岳人』の記録速報に記載してもらう事がクライマーのステータスを満たす目標だった」と述べている。

では辰野社長は、ノスタルジアから「岳人」を引き継ぐことを決めたのだろうか?そうではない。辰野社長は「今あえて、紙媒体『岳人』の担うべき役割があると信じる」と述べている。

辰野社長は「読み物としてまた写真集としても読みごたえ見応えのある内容にしたい」「僭越だが『山の文芸春秋』あるいは『山のナショナルジオグラフィック』を目指したい」と述べている。

この辰野社長の心意気に共感して私は1年間新生「岳人」を購読するこに決めた。

Gakujin私も辰野社長ほどではないが、若い頃に何回が「岳人」に寄稿し、自分の文章が活字になった時の喜びを味わっている。このような場を後輩たちにも残してあげたいと思う。

今私は電子本を読むことが増えているし、自分でもささやかな電子出版を行っている。電子本の愛好者になりつつあるのだが、それでも紙の新しい本特に写真の綺麗な本のページをめくる時の楽しさは捨て難い。

ささやかだけれど、少なくとも1年間は「岳人」を応援したいと思う。

★   ★    ★

 

最近出版した電子本

 

「英語の慣用表現集」 http://www.amazon.co.jp/ebook/dp/B00LMU9SQE/

 

「人生の山坂の登り方・降り方」 http://www.amazon.co.jp/ebook/dp/B00LYDWVPO/

 

 

 

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米国の景気拡大はどこまで続くか?

2014年08月28日 | 金融

今週S&P500は終値で2,000ポイントを超えた。更なる上昇を予想する見方もある中、50%から60%のコレクション(株価調整)が起きるという予想も出ている。CNBCはTice Capital の社長とPeak Theories Reseachの創業者がテクニカル分析から50-60%のコレクションが起きると可能性が高いと予想していると報じている。

2000年以降米国株は2回の大きなコレクションを経験している。ITバブルで2000年9月に1,520ポイントの高値を付けたS&P500は、約2年間で800ポイントまで下落した。下落幅は47%である。リーマンショックの約1年前の2007年10月1,549ポイントの高値を付けたS&P500は2009年2月には735ポイントまで下落した。下落幅は53%である。

この二つの前例から見ると、コレクションが起きると株価が50-60ポイント、つまり1,000ポイントの下落が起きる可能性があるという予想にはある程度の説得力がありそうだ。

次に株価の上昇と景気サイクルの関係を見ると、2000年の株高の前には約10年間景気の拡大期が続いた。2007年の株高の前には6年の景気拡大期が先行した。

全米経済研究所によると、現在の景気拡大は5年間続いている。これは戦後の平均的な景気拡張期58ケ月より少し長くなっている。ただし企業の在庫管理技術が進んだことや物価上昇が落ち着いていたことで、景気拡大期は長くなる傾向があるので、過去の物差しを持って、景気の曲がり角が目の前に迫っていると考えるのは早計かもしれない。

株価に上昇余地があると判断している人とコレクションが迫っていると判断している人の違いは、連銀がいつ政策金利の引き上げに動くかという判断にかかっているのだろう。ただ恐らくどちらの見方に立つにしても、連銀の金融引き締めが「景気拡大を絞殺す」可能性大ということでは考え方は一致しているのではないか?

景気拡大が続くと、需給ギャップ(潜在産出量と実際の産出量の差)がタイトになり、物価と賃金が上昇し、そして連銀がインフレ防止のために政策金利の引き上げに動くというのが過去のパターンだ。

受給ギャップについては、現在の産出量は潜在産出量より5%ほど低いのでまだ景気拡大の余地はありそうだ。エコノミスト誌は需給ギャップから見ると最低でも2年以上景気拡張が続く余地があることが示唆されると述べている。

また失業率と景気拡大期の関係については、過去3回の景気サイクルを見ると、失業率が自然失業率(5%~5.5%)に達してからも約3年間景気拡大が続いていた。エコノミスト誌は「この過去の物差しから見れば、景気拡大は2018年まで続く可能性があるだろう」というJPモルガンの意見を紹介している。

と同時にエコノミスト誌は、リセッションに陥る2つのリスクが軽視されている可能性があると警鐘を鳴らしている。一つは労働需給がタイトになっていて、生産ギャップが一般に考えられているいるより、小さいという可能性だ。もう一つはゼロ金利政策が終了した時の景気に与える大きさである。

株価との関連でいうと、米株は薄商いの中で2,000ポイントという心理的な壁を超えたということは気がかりである。最近の相場を牽引してきたのは機関投資家で個人はサイドラインにいると見られている。

逃げ足の速い機関投資家が、金利上昇とそれに続く景気後退を予知して、ポジション調整に動くとコレクションが起きる可能性が高いと私は感じている。もっとも個人的は50-60%のコレクションが起きる可能性は余り高くないと考えているのだが・・・・。

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