今朝(4月8日)のメディアは昨日発表された緊急事態宣言一色である。
会社勤めの人の中には今日から在宅勤務という人も結構いるのではないか?あるいは暫く交代で出社しながら在宅勤務の準備を進めるという企業も多いだろう。
私の顧問先もここ1ケ月強在宅勤務に備えて、ビデオ会議システムやリモート操作でパソコンを動かす仕掛けの導入に努めてきたので曲がりなりにもそこそこの在宅勤務を行うことは可能だ。
緊急事態宣言は企業にとってテレワーク(在宅勤務など)の遂行能力を問われる場であり、テレワークの遂行能力はDXの進捗度合いの代理指標といえるから、結局DXのレベルを問うことになる。
DXというのはデジタルトランスフォーメーション。情報通信技術を活用して人々の暮らしを豊かにしていこうというスウェーデンのストルターマン教授が提唱した概念だ。
ちなみに英語圏ではtransをXと略することが多いので、Degital TransformationはDTではなくDXになるそうだ。
ところで企業でDXというとビデオ会議システム、チャット、パソコンの遠隔操作などハード・ソフト面で新しい仕組みを導入することに関心が高まるが、本当に必要なことは「デジタル処理ができるように業務処理判断をシンプルにする」「ポイントを絞り短時間で会議を終わらせ決めたことをすぐ行動に移す」などIT以前の規律Disciplineの変革が必要だ、と私は考えている。
簡単にいうとデジタル・トランスフォーメーションの前にディシプリン・トランスフォーメーションのDXが必要なのだ。多くの日本の会社には。
上司の「そこは何とかうまくやってくれ」という曖昧な指示。いや指示ではなく単なる願望。
部下の「結果はうまくいきませんでしたが、努力したことは認めてください」という甘え。
セールスパーソンの「重要な用事はありませんが近くまで来ましたのでご挨拶に寄りました」という無駄な外訪(これは流石に減ったか?)
これらが粘性の強い付着物となって日本の企業活動を鈍化させているのだ。
緊急事態宣言をコロナ感染拡大防止の対策だけではなく、企業のDXの遅れに対する警鐘と受け止める会社はどれ位あるだろうか?