金融そして時々山

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在宅勤務は効率的~米国の話だが

2020年04月25日 | ライフプランニングファイル

CNBCが共和党・民主党勢力が拮抗する州で在宅勤務に関する世論調査を行ったところ次のことが分かった。

  • コロナウイルス騒動以降在宅勤務を行っている人は42%で自宅外で勤務している人は58%である。在宅勤務を行っている人の内9%は以前から完全に在宅勤務を行っていた。また14%は以前よりも在宅勤務の割合が増えた。また19%の人は初めて在宅勤務を行った。
  • 経済活動が再開された後、在宅勤務を続けるという人は24%で職場に戻る人は55%、未定という人が20%だった。
  • 所得階層別にみると、年収5万ドル以下の層では24%が在宅勤務を行い、5万ドル~10万ドルの層では36%が在宅勤務を行い、10万ドル以上の層では46%が在宅勤務を行っている。
  • 生産性については21%の人が在宅勤務により生産性が向上したと判断し、40%の人は低下したと判断した。39%の人は変わりがないと判断した。
  • 在宅勤務により浮いた通勤時間の活用について、47%の人が家族と過ごす時間を増やし、44%の人がリラックス時間を増やし、36%の人が睡眠時間を増やした。また33%の人が趣味に費やす時間を増やした。より仕事すると答えた人は28%だった。

この調査結果から次のようなことがいえるだろう。

  • 所得が高いプロフェッショナルな仕事や管理職の仕事は在宅勤務と親和性が高い。一方一般に所得が低いと考えられる仕事については在宅勤務と親和性が低い。
  • 生産性についは4割の人が低下したと考え、6割の人が変わらないか向上したと判断している。このことがコロナウイルス騒動が終息した後のオフィススペース需要に与える影響は大きい。つまり都市部において相当なオフィススペース削減の動きがでることを意味している。これは株式投資や不動産投資の上で注目しておくべき重要なポイントだ。
  • 在宅勤務の拡大は、生活の質の上で所得格差を拡大する可能性大である。所得の高い層の在宅勤務率が向上することは住宅関連投資や趣味への投資が拡大することを意味するだろう。

日本も米国と同じ傾向なのかどうかは分からないが、仮に在宅勤務により全体としての生産性が変わらないか若干でも向上すると判断される場合、企業は在宅勤務を拡大する動きを取る。それが都心部のオフィス需要を下押しすることは間違いない。

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