昨日(8月6日)発表された米国の雇用統計。7月の非農業部門雇用者増は予想を10万人近く上回る943千人だった。コロナウイルスで一番打撃を受けていたレジャー・接客業の新規雇用が380千人と先月の雇用者増を牽引した。
失業率は6月の5.9%から5.4%に大きく低下した。
デルタ株による感染拡大で、マスク着用の拡大やテレワークの延長など景気回復に水を差す動きが見られる米国だが7月の雇用統計にはデルタ株の影響はほとんどなかった。ワクチン接種が進んでいることで、米国経済はデルタ株の影響を受け難くなっていると見て概ね間違いないだろう。ただし今回の雇用統計が感染が急拡大する前の7月中旬のデータを元に作成されていることにも留意しておいた方が良い。
ところでハイテク銘柄が多いナスダックは0.4%下落した。
これは10年債利回りが上昇したことと呼応するものだろう。
市場には雇用の強さは連銀によるテーパ―リング(国債購入額の削減)の開始を意識させたことによる。つまり金利が上昇に転じるとハイテクなどグロース銘柄を売り、景気循環株を買うセクターローテーションが起きるからだ。
次のFOMCは9月21-22日でその前に8月の雇用統計が発表される。8月の雇用統計はテーパ―リングの開始時期を予想する上で重要性が高まっているとみるべきだろう。