金融そして時々山

山好き金融マン(OB)のブログ
最近アマゾンKindleから「インフレ時代の人生設計術」という本を出版しました。

会社の友達を作るなら、2度目3度目の会社が良い

2021年08月14日 | ライフプランニングファイル
 定年後の友人関係について書かれている本は、概ね定年前に会社べったりの人間関係を改め社外の友だちづくりに努めなさいと書いています。
 例えば斎藤孝さんは「年を取るのが楽しくなる教養力」(朝日新書)の中で「定年後の危機として、会社組織を離れたことをきっかけにパタッと人間関係が途絶えてしまい、いきなり孤独に陥ってしまうということがよくいわれます。」「退職する以前から地域社会への貢献をしていた人は比較的ダメージが少ないとよく言われます。逆に言えば、会社を離れてから取りかかっては遅いということです。」と述べています。
 生活経済評論家の川北義則さんは「男はお金とどうつき合うべきか」(だいわ文庫)の中で次のように述べています。
 「定年後、改めて新しい友だちを作るのは難しい。老後、無聊(ぶりょう)な日々をすごしたくなかったら、学生時代の同窓生とこまめに連絡を取り合ったり、趣味の仲間を見つけるなど、会社抜き、仕事抜き、肩書抜きでつきあえる人間関係をいまのうちからつくっておくことだ」
 会社を離れる前に老後もつき合える仲間をつくっておけ、という二人のアドバイスは正しいと思います。ただし理屈の上では正しいけれど、実践するのは中々難しいと思います。
 そこで私が自分の経験を踏まえて、これから定年を迎える人々に提案したいことは「友だちは第二、第三の職場で作る方が作りやすい」ということです。
 65歳まで働く人の割合が約7割、69歳まで働く人の割合も5割近くになっている現在、60歳以上になると関連会社や全く別の会社を第二、第三の職場とする人も多くなっています。
 私はこの第二、第三の会社は実は「仕事抜き」「肩書抜き」の趣味の仲間のベースを作る格好の場所だと考えています。
 実際私は第二の職場で山の会を作りました。職場の山好きをベースにした会ですが、メンバーは別に会社の役職員に拘りません。メンバーの友だちで気心の合う人ならだれでも歓迎、というスタイルで運営しているので、設立から15年経った今でも活動が続いています。
 このような活動は第一の職場、つまりお互いに若くて、仕事の上で競い合ったり、相手の肩書が気になるような職場では難しかったと思います。
 子会社という第二の職場ではお互いの肩の力が抜けていますから、会社の仲間とも肩書抜きの趣味の仲間の会を続けることができるのです。
 更に私は第一の会社と全く関係のない第三の職場で5年弱アドバイザーとして仕事をしたのですが、そこでも山とスキー好きの仲間と同好会を作りました。そして元の山の会と新しい山の会をSNSや情報交換会と称する飲み会で結んで仲間の輪を広げています。
 なお定年後の友だち作りについて、アドバイスを加えるなら、「友だち作りに励むより、自分の趣味やボランティア活動を拡大した方が人の輪は広がる」と私は考えています。
 私は2,3のボランティア活動に関わっていますし、それなりに頼りにされていると思っています。頼りにされている大きな理由は、多少のITスキルによるところが大きいと思っています。
 多少のITスキルといったところで、ボランティア仲間のZoom会議を立ち上げるとか海外送金に新興フィンテック企業を使うといった程度の話なのですが。
 情報について「情報は欲しい、欲しいと探し回っても集まるものではない。むしろこちらから情報を提供していると自ずと情報はあつまる」という言葉があります。
 友だちつくりにも似たようなことが言えそうです。つまり友だちをつくりに励むより、「あの人と友だちになると便利そうだな」と思われる人間になる方が早くて確実かもしれません。また便利な人間になることで仮に友だちが増えなくても損はないと割り切れると思います。
コメント
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