金融そして時々山

山好き金融マン(OB)のブログ
最近アマゾンKindleから「インフレ時代の人生設計術」という本を出版しました。

「ジェロントロジ―(老年学)」座学で少し復習

2023年08月13日 | ライフプランニングファイル
 ジェロントロジ―(老年学)については、2年前に「マインドマップとエクセルでライフプランノートを作る」(kindle版)を書いた時に幾つかの本を読んで勉強したことがあります。
  それ以降は、ジェロントロジ―を学問として勉強するよりは、一シニアとして、ジェロントロジ―を実生活に活かすことに注力していました。
 今回ジェロントロジ―を書物を読みながら復習し始めた理由は、10月の下旬に日本相続学会の研究大会でシンポジストとして「シニアの資金準備とお金の使い方」について話をして欲しいという依頼があったからです。
 ジェロントロジ―には、「高齢化を社会・経済学的にとらえ、マクロ的な政策提言を行う」側面と「一人ひとりがどうすれば有意義な老後を送ることができるか」という個人ベースの健康やファイナンス面での具体的アドバイスを提案するという側面があります。
 マクロ的な視点からいうと今の日本で一番必要なことは、「元気なシニア層が意欲的に働く場を作る」ことです。それが労働力不足、仕事のノウハウの伝承、健康寿命の伸長ひいては医療費や介護費用の削減による社会保障費用の抑制につながるのですが、世の中はすぐには動かないようです。
 世の中の動きを待っている間にも年を取っていきますから、個々人としては「いかに有意義な老後を送るか」ということを考えることが、多くの人にとってジェロントロジ―の課題といえるでしょう。
 ところで我々は学校で教育を受け、会社に就職し、組織の階段を上り、やがて組織を去っていきます。その過程で「どうすれば試験の点数をあげることができるか?」「有名企業に入社するにはどうすれば良いか?」あるいは「どうすれば営業成績を上げることができるか」など手段のことばかり、教えられ考えてきました。
 「自分が長い生涯をかけて本当にやりたいことは何なのか」といった問題は頭をもたげることなく、目の前の問題に対処することで一杯一杯だった人が多いと思います。
 これに対してシニアライフは、「自分のやりたいことは何だ」というところから始まります。
 有意義な老後を送るにはまず「自分のやりたいことは何だ」ということからスタートして、そのためにはどのような準備が必要か?とかそのためにはどのようなスキルが必要か?お金はどの位必要か?といったことを考えていくのが手順です。
 また最大の資金準備は「できるだけ長く働く」ことなので、「やりたいこと」と「働くこと」のバランスをどう考えるか?がシニアライフプランの要なのです。もちろん研究大会のリスナーの中には「どうすれば資産運用でお金を増やすことができるか?」というノウハウを知りたいと考えている人がいると思いますが、ノウハウの話はあまりしない予定です。
 何故ならノウハウの中には、ある特定の環境下で有効だったが、環境が異なれば必ずしも成功事例にはならないというものが多いからです。
 投資については過去の好成績は、将来の高いリターンを保証するものではありません。
 むしろ「投資には不確実な面がある」「好成績は幸運による場合が多い」という位に考えておいた方が良さそうです。
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