金融そして時々山

山好き金融マン(OB)のブログ
最近アマゾンKindleから「インフレ時代の人生設計術」という本を出版しました。

老いて学べば、則ち死して朽ちず~言志晩録を現代流に読む

2023年08月01日 | ライフプランニングファイル
 「老いて学べば、則ち死して朽ちず」という一句は、江戸後期の儒学者佐藤一斎の言志晩録(言志四録の一部)に出てくる言葉だ。
 この一句は「少にして学べば、則ち壮にして為すこと有り。壮にして学べば、則ち老いて朽ちず」の後に続いている。
 直訳すれば「老年になっても学んでおけば、見識が高くなり、社会に役に立ち、死んでからもその名前は残る」ということだ。
 「死んでから名前を残す必要なんかない」という人もいるかもしれない。私もそう考えることもある。だがもし自分の子どもや孫が私の死後「年を取ることも悪いことじゃない」と思うような生き方を残すことができれば良いと思うこともある。
 ではどのような生き方が悪くない生き方なのか?
 人にはそれぞれ生き方はあるが、悪くない生き方に共通するのは自立していることだと思う。
 自立の源は自ら考えることだと思う。人の意見に安易に左右されず、誘惑に迷わされず、自ら知恵と判断力で長い人生を歩き続けることだと思う。
 学ぶということは単に本を読むということではない。色々な事を経験し、人の話を聞き、自分で考え自分の答を出すことだと私は思う。
言志晩録には「一燈を提げて暗夜を行く。暗夜を憂うこと勿れ。只だ一燈を頼め」という言葉もある。
 油断をすると特殊詐欺に巻き込まれたり、高額の健康食品を買わされたりとシニアライフには危険がつきものだ。遺産整理や遺言書の作成など後の人を煩わさないためにやっておくことは多い。
 そのためには学ぶことが多いのだ。「老いて学べば死して朽ちず」とは、できるだけ自立する生活を保ちながら、立つ鳥跡を濁さずを実践することなのである。
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好景気でも6割のアメリカ人は給与ぎりぎりの生活

2023年08月01日 | 投資
 CNBCに61% of Americans say they are living paycheck to paycheck even as inflation cools.という記事が出ていた。「インフレが鎮静化しても61%のアメリカ人は給与ぎりぎりで暮らしている」という意味だ。
 Paycheckは「給与支払い小切手」で以前は給与は小切手払いだった。現在では銀行振り込みや電子マネーへのチャージが主流だが、Paycheckは給与の代名詞で使われている。
 記事によると、インフレ率が3%に低下してきたので、物価高に締め上げられてきた消費者も一息ついていると述べる一方でLendingClubの報告によると「給与ぎりぎりの生活をしている人の割合は変わっていない」ということだった。
 インフレの鎮静化と堅調な企業業績から、アメリカではリセッションの懸念が後退し、7月の株式市場は好調に推移し、S&P500とナスダックは5カ月連続で上昇した。
 今週木曜日にはアマゾンとアップルの四半期決算発表がある予定で、発表内容が好感されると相場全体がさらに上昇する可能性が高い。
 景気が底堅く、労働需給もひっ迫し、給与生活者には追い風が吹いているように見えるアメリカでも6割の人がかつかつの暮らしを送っているという。
 生活水準が高いのか?それともまだ給与水準が低いのか?
 市場資本主義は結局のところ中産階級の締め上げ、富裕層と貧困層の二極化が進むのか?
 それは分からない。
 ただ日米を比較すると実は日本の消費者の方がかなりインフレには弱い。
 まずアメリカの公的年金(ソーシャルインシュアランス)は100%物価スライドだが、日本の公的年金はマクロスライド制のために物価上昇分をカバーできない。またサラリーのインフレ追随率も遅れがちで実質賃金の伸びはマイナスになっているようだ。

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