金融そして時々山

山好き金融マン(OB)のブログ
最近アマゾンKindleから「インフレ時代の人生設計術」という本を出版しました。

中国のデフレ状況はバブル崩壊後の日本に似ている

2023年08月02日 | 投資
 最近はWSJで日本の話題を見かけることが少なくなったとはいえ2つの話題があった。。一つは日銀が長期金利のキャップを0.5%から1%に引き上げるという観測から日本国債の金利が上昇し、日本の機関投資家が米国に投資している資金が国内回帰するのではないか?という話。
 もう一つは「中国のデフレ状況に関してバブル崩壊後の日本に似ている」という話だ。
 1990年代に日本は株価と不動産価格の下落により、企業と家計は債務負担をカバーするため、投資や消費を抑制せざるをえない状況に追い込まれた。いわゆるバランスシート不況が起きた訳だ。
 中国の最近の経済統計では6月の企業利益と新築住宅の価格が低下している。

アメリカの消費者物価指数は3%まで下落したが、中国のそれはすでにゼロまで下落し、卸売物価指数は昨年後半からマイナスに転じ、下落を続けている。
 先月の卸売物価指数は前年比5.4%のマイナスになった。
 卸売物価がマイナスに転じている理由の一つは、コロナで世界的に生産が落ち込んだ時、それをカバーするべく中国が増産体制に入ったことにある。それがオーバーキャパシティになってしまったのだ。

もっとも記事によると、大部分のエコノミストは中国は最終的に日本のように長いデフレに陥ることはないだろうと予想している。それは中国政府が色々な小規模の景気刺激策を実施しつつあるからだ。
 だが中国のデフレが長期化するのではないか?と懸念している人もいる。それは中国の企業も個人も借金漬けで、景気浮揚のための追加借り入れの余地がないだろうと考えているからだ。


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