外国語を学ぶことが認知症の発症を遅らせるかどうかは研究者の間でも意見が分かれているようです。
WSJのLearning a language may stave off dementia, but are apps the way to go?「言語を学ぶことで認知症を防ぐことができるかもしれないが、語学アプリがベストの方法ですか?」という記事によると、2020年に発表されたある研究では、バイリンガルになることで認知症の兆候を4~6年遅らせる効果があるということでした。
ただこの記事の後半では、バイリンガルが認知症予防に効果があるとはいえないという研究も紹介されています。
もし外国語学習が認知症予防に役立つということが明らかであれば、Duolingoなど語学アプリの提供者は大手を振って宣伝するのですが、現在のところ彼等は慎重です。理由は過去にゲームアプリが認知症を遅らせるという広告を出したアプリ業者が連邦取引委員会から罰金を科せられたことあがあるからです。
「適度な運動が認知症の発症を遅らせる効果がある」ということはかなり後半に認められていますが、外国語の学習が同様の効果があるのかどうかはまだ研究中ということです。
ただし私は「語学学習が認知症の発症を遅らせる」ことに期待しています。
私は現在地元に住んでいる外国人の方に日本語を教えるボランティア活動に参加していますが、この活動では英語を使うこともしばしばあり、また翻訳アプリを使いながら中国語でコミュニケーションを図ることもあります。
また日本語も人様に教えるとなると中々奥が深いものです。
仲間内や家族との会話では「あれだ、これだ」や「あの、その」で通じることも多いのですが、それではバックグラウンドを共有しない外国人の方とは話が通じません。
ひょっとすると認知症の予防には、使い慣れている日本語を誰にでも通じるものにすることから始めるのが良いかもしれませんね。
これからは介護や看護を外国人の方に頼むことが増えていくと思います。
まずは分かりやすくて、誰が聞いても同じ理解になるようなシンプルで平明な日本語を話すことが介護者に好感を持たれるスタート点です。そしてそれにより認知症の発症を遅らせることができるなら、素敵でしょうね。