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最近アマゾンKindleから「インフレ時代の人生設計術」という本を出版しました。

ジェロントロジ―(老年学)の箴言集③~「幸運は偶然ではない」

2023年08月20日 | ライフプランニングファイル
 「幸運は偶然ではない」Luck is No accidentは、アメリカの社会心理学者クランボルツ博士の言葉です。私は「その幸運は偶然ではないんです!」(J.D.クランボルツ+A.S.レヴィン著 ダイヤモンド社)を読み返しながらこの記事を書いています。
 クランボルツ博士の理論は「計画的偶発理論」と呼ばれています。計画的偶発理論というのは「キャリアの8割は予想できない偶然の出来事で決まる」「偶然の出来事は本人の努力や考え方によってキャリアアップにつなげることができる」「本人が冒険心などを持つことによって幸運を引き寄せるチャンスを増やすことができる」というものです。
 50代の後半に自分の第二の人生を考えている時ふと先輩から誘いがあったことを思い出し、その会社に転職したらうまく行ったというような経験がある方であれば、この理論はすっきり腹落ちするでしょう。
 クランボルツ博士がこの理論を提唱したには20世紀の終わり頃のことでした。当時はITブームでアメリカでは転職が盛んでしたから博士の理論はポジティブに受け止められたと思います。当時の日本はまだそれほど転職が盛んではなかったので、この理論が広く受け入れられたかどうかは知りません。
 私はクランボルツ博士の本を読む前から「社外にまでネットワークを拡げる」ことを重視してきました。仕事での付き合いは会社を卒業すると自然に消滅することが多いでしょうから。
 結果として趣味やボランティア活動で幾つかのグループの仲間と付き合いが続いています。
 「定年後」(中公新書)の著者・楠木新さんは「定年後の最大の問題は、健康でもお金でもなく孤独だ」と書いています。孤独が総ての人にとって一番の問題かどうかは分かりませんが、仲間がいる方が良いことは間違いないでしょう。仲間がいることが幸せだとすれば、クランボルツ博士の言葉は「仲間は偶然できるものではない」と言い換えることができるでしょう。
 仲間を作るためには、趣味にしろボランティア活動にしろ、自分から積極的に活動していくことが大事です。
 クランボルツ博士は幸運を招き寄せるには「好奇心」「持続性」「楽観性」「柔軟性」「冒険心」が必要だといっています。
 これはこれからキャリアを形成していく若い世代の人だけでなく、シニアにも当てはまる話だと私は考えています。これらの気質を持っている人の周りには仲間が集まり、楽しい時間を過ごすことができるでしょうから、健康促進面でもプラスはあると思います。もちろんお付き合いのため、ある程度のお金はかかるでしょうが、それは楽しい人生を送るために必要経費と考えるべきですね。
 

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