ジェロントロジ―(老年学)の続きの話をすれば、「賢いお金の使い方」の話になるでしょう。私は「賢いお金の使い方」というのは、買うものや買うサービスを利用して、自分の欲求を最大限に満たすものを買うことだと考えています。
具体例で話をしましょう。私は山岳写真や花の写真を撮るのが好きで、一眼カメラを使っています。少し前に前から使っていたオリンパスの一眼カメラが不具合を起こしたので新しいカメラを買うことを考えた時どういうカメラを買うのが賢い買い物なのかを考えてみました。
話をシンプルにするため、選択肢は持っている交換レンズを活用できるオリンパスの後継メイカーOM SYSTEMが出しているハイエンドのOM-1と下位のOM-5を比較した考え方を披露したいと思います。実勢価格でOM-1が22万円程度、OM-5が14万円程度なので8万円の価格差があります。
どちらを買おうか?と考えた時、自分の心の中を整理してみました。
ハイエンドのOM-1を買うということはそのシリーズの最高品質を手に入れたという自己満足を満たします。もっともキャノンやニコンなどはフルサイズ一眼でもっと高価なカメラを出していますから、人様に見栄を張れるようなものではありませんが。
でもOM-1が持っている高機能、たとえば「高速で動く被写体を撮る機能」(プロキャプチャー機能)をフル活用するか?というとしないと思います。
プロキャプチャー機能は、野鳥の撮影では威力を発揮すると思いますが私は本格的に野鳥を撮影することはありません(山に行った時撮ることはありますが)。ですからOM-1が実装している強力なプロキャプチャー機能は不要だ、ということになりました(OM-5もプロキャプチャー機能は持っていますが、OM-1に較べると見劣りします)。
つまり私のカメラ趣味のターゲットやカメラ技術あるいは作品を発表する場(私の場合はSNSに掲載する程度)を考えると機能的にはOM-5で十分ということになりました。使う可能性が低い機能と高価なものを持ちたいという自己満足のために余計なお金を使うのは無駄だと判断しました。
一方私にOM-5を買わずに、手許にある機能が古くなった一眼カメラやスマートフォンで済ませることができたか?というとそれではフラストレーションが溜まったと思います。つまりOM-5は、山岳写真や花の写真を私の撮影技術のレベルで最高に美しく撮ることができるカメラで相性が抜群だと思っています(まだまだこれから使いこなしていく必要がありますが)。
このようなモノを買う時、満足度は高いでしょう。
簡単にいうと高いモノを買ったという自己満足や見栄を捨て去り、自分に本当に必要なものを買うのが賢いお金の使い方だと私は考えています。