最近私のブログにトラックバックが増えているが、余りブログの内容に関係ないものやブログで私が主張していることと正反対の内容も多く時々削除している。私の主張と正反対の内容というのは「投資で簡単に大儲けが出来ます」という類のものである。私がブログを通じて読者諸氏(みなさん)に伝えたいことは投資とは不確実性に賭ける行為であり、絶対に儲かるとか簡単に儲かるということはありえないということである。このことはエコノミスト達の予想がどれ程当たらないものか?ということを見ると良く分かる。
最近のウオール・ストリート・ジャーナルに米国のエコノミスト達による2007年の経済予想が出ていたが、その中で2006年の予想(エコノミストの平均)と実績が出ていたのでざっと見てみよう。予想・実績とも2006年第一四半期から第三四半期に関するものである。
GDP 予想3.3% 実績3.4%、CPI 予想3.1% 実績2.0%、失業率 予想4.7% 実績 4.5%、 3ヶ月T-Bill利回り 予想5.21% 実績5.01%、10年国債利回り 予想5.24% 実績 4.71%、 ドル・円為替レート 予想110円 実績 119円、 ユーロ・ドル為替レート 予想 1.28ドル 実績 1.32ドル
ということでドル円為替や10年国債利回り等は中々予想し難いことが分かる。
ということを踏まえてエコノミスト達による今年の予想の平均値をざっと見ておこう。GDPについてはQ1 2.2%、Q2 2.4%、Q3 2.7%、Q4 2.9%と後半に回復する予想だ。CPIについては5月末が1.7%、11月末が2.4%である。長期金利は6月末が4.67%、12月末が少し上昇して4.83%である。ドル・円為替レートは6月末が114円、12月末が112円と少し円高を見込んでいる。
ところでエコノミスト達が2007年の米国経済に対する最大のリスクは何か?という質問の対して答は次のとおりだ。
住宅 29%、金融危機 20%、エネルギー価格の高騰 9%、インフレーション 9%、保護主義の台頭 7%、連銀の金融政策 5%、その他20%
さて第一位に上げられた住宅問題であるが、「住宅価格の下落が経済に与える最悪のインパクトは過ぎたか?」という質問に対する答は「過ぎた」が57%でまだ「過ぎていない」が43%である。かように市場の対する見方は分かれるものである。
従って「簡単に大儲けが出来る方法などない」ということが良く分かるのである。