金融そして時々山

山好き金融マン(OB)のブログ
最近アマゾンKindleから「インフレ時代の人生設計術」という本を出版しました。

ナスの株の栄養診断

2009年06月28日 | 食・レシピ

ナスは私のような家庭菜園の全くの素人でも簡単に栽培できる野菜だ。既に3こ収穫したし、新しい実も二つできている。栽培は簡単とはいえより多くの実を収穫するには肥料を与える程度のことはしないといけない。

肥料が足りているかどうかを判断するにはナスの花を見る。

Chouka

上の写真のようにめしべが周りのおしべより長い花(長花柱花)が多い株は栄養が足りているので、差し迫って追肥をしなくてよい。

しかし下の写真のようにめしべが回りのおしべより短い花(短花柱花)が多い株は栄養が不足しているので追肥をする必要がある。

Tannka

家庭菜園の真似事をすると農作物を作るには、経験と先人の知恵が必要だということを実感する。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

テスラはワイルド・カード

2009年06月24日 | 社会・経済

今日の日経新聞に「米政府、日産に低利融資」~環境支援で1500億円~という記事が出ていた。これは2007年に米国政府が先進技術自動車製造奨励プログラムとして250億ドルの政府資金を予算取りした中から融資されるもので、今回はフォードが59億ドル、日産が16億ドル、テスラが4.65億ドルの融資を受ける。

米国マスコミの評価は如何?と思い、ニューヨーク・タイムズを読んだところ、面白い文章に出会った。

Tesla was perhaps the wild card in the funding equation because it is a small start-up.という文章だ。

テスラTeslaというのは2003年にカリフォルニア州で設立された電気自動車メーカーでベンチャー企業(start up)だ。そのテスラが米政府から電気自動車開発資金の融資を受けた。文中にあるwild cardをどう解釈するか?がポイントだろう。ワイルド・カードは一般的に「トランプのオールマイティ」とかコンピュータの「検索の時に総ての言葉を代用する記号」という意味だが、この場合は当てはまらない。英語辞書を調べると「重要な人物・要素だが、予想できないこと」という意味があることが分かった。辞書にIn a sailboat race the weather is the wild card. という例文が出ていた。「ヨットレースでは天候がワイルドカード(予想できない重要な要因)だ」という意味だ。

ニューヨーク・タイムズの文章に戻ると「テスラは小さなベンチャー企業なので、恐らく融資決定方程式の中で予想できないが重要な企業だったのだろう」という程度の意味になる。

今回の低利融資プログラムは、金融面で問題のある企業つまりGMやクライスラーは排除されている。その中でテスラは小さな新興企業だが、政府融資を受けることができた。なおテスラはベンチャー企業だが、先月ダイムラーが同社の株式を約10%取得している。また同社は来月から黒字化すると述べている。

テスラの最初の電気自動車ロードスターは10万9千ドルという高値にもかかわらす650台を超える注文が殺到した。また2011年にはモデルSを投入する予定だ。モデルSは一回の充電で300マイル(480km)走行可能。充電時間はわずか45分。価格は57,400ドル、税金優遇措置により49,900ドルになるという。燃費はプリウスの倍というから経済的にも競合しそうだ。

電気自動車の将来はどうなのだろうか?ファイナンシャル・タイムズによると、ミシガン・ベースの調査会社CSM Worldwideは、世界中の自動車メーカーは2015年には10万台の電気自動車を作るだろうと予想している。これは世界の自動車生産台数のわずか0.1%だ。だが、米国政府の省エネ自動車奨励プログラムを受けようと70社以上の自動車メーカーや部品供給業者が申請を行っている。その中には第二、第三のテスラがいるかもしれない。バッテリーの量産による低価格化が進むと電気自動車のシェアが急進する可能性もある。

私は電気自動車はガソリン車向けの巨大な製造ラインを抱えない新興自動車メーカーにある面で優位性があると考えている。テスラはひょっとすると「オールマイティ」という意味でwild cardと呼ばれる日があるかもしれない。

いずれにせよ自動車メーカーや部品メーカー特に金型メーカーなどにとって、電気自動車そのものが「予想できない重要な要素」ということでwild cardになってきたことだけは確かだ。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

オーストラリア・ワインの成功と失敗

2009年06月24日 | 社会・経済

私はワイン好きだが全く通ではない。昔の会社の後輩でご実家の酒屋さんを継いだ人から毎月2本ワインを購入して飲んでいる(無論他にも安いワインを買っているが)。そのお酒屋さんは手頃な値段で味の良いワインを選んだ上「解説」まで作ってくれるのだが、私はすぐ銘柄と味を忘れてしまう。ところで近くのスーパーで買う安いワインはチリやオーストラリアのものが多い。オーストラリア・ワインでは「ワラビー(小型のカンガルー)」のラベルがついたイエロー・テイルという銘柄をよく買う。今日の話はこのオーストラリア・ワインに関するニューヨーク・タイムズの話からスタートする。

オーストラリア・ワインは前世紀末頃から海外市場への進出を始め、1999年から2007年の間に海外売上を3倍以上伸ばした。2004年にはイタリア、フランスを抜いて英国では最大のシェアを取った。英国でオーストラリア・ワインを取り扱ったのは、数社の大手スーパーマーケットで、彼らは購買力にものをいわせて購入価格を思い切り叩いた。この時期チリ、アルゼンチン、南アフリカのワインと競合していたので、大手スーパーは交渉力を持っていたのだ。

オーストラリア・ワインがアメリカで成功した理由は、有名なワイン評論家ロバート・パーカー氏の力によるところが大きい。彼はパーカー・ポイントなる独自の評点で世界中のワインをランク付けしている。その彼が南オーストラリアのシラーズ種のワインを高く評価したので、シラーズ種のワインが馬鹿売れした訳だ。

話はそれるがロバート・パーカー氏は日本語のホーム・ページも開いている。http://www.erobertparker.jp/info/welcome.php

1万2千円払って会員になると彼の評点とテイスティング・ノートを見ることができるということだが、私には猫に小判なので止めておく。

ところがシラーズと南オーストラリアだけが有名になり、オーストラリア・ワインというとこの一種類だけと消費者は思ってしまった。また廉価ワインで有名なイエロー・テイルが市場を席巻した結果オーストラリア・ワインは米国ではコモディティ(普及品)と思われてしまった。一度普及品と思われると値崩れを防ぐことは難しい。2007年のピーク時に較べて米国で消費されるオーストラリア・ワインは量で4%、金額ベースで25%減ってしまった。

昨年のオーストラリア・ワインの輸出価格は英国向けが1リットル当たり2.91豪ドル、米国向けが3.22豪ドル、中国向けが4.23豪ドルだ。因みに日本とシンガポール向けは5豪ドル以上ということだ。

ワイン価格の下落を受けて、オーストラリアのワイン業界では生産コスト(最近旱魃が多く灌漑費用がかさむ)を吸収できなくなり、減産・ワインメーカーの統廃合が起きている。業界としては「高級化」と「アジア特に中国市場の開拓」を目指しているという。

オーストラリア・ワインの成功と失敗はビジネス面で幾つかの示唆を与えてくれる。一つは嗜好品は普及品という印象を消費者に持たれると際限ない価格競争に巻き込まれる」ということだ。また「量販店に主導権を取られると価格競争に巻き込まれる」というのも教訓だ。時間をかけて消費者教育を行っていく、ブランドイメージを高めるという努力が不可欠ということだ。

それにしてもどうして日本は英米の倍近い値段を出してオーストラリア・ワインを買うのだろう。イエローテイルを輸入しているサッポロビールさんしっかりして下さいと言いたいところだ。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

役員が株を売るようでは相場は崩れる

2009年06月23日 | 株式

月曜日(6月23日)の海外市場は、大幅な株安・コモディティ安となった。S&P500インデックスは3.06%下落して今月初めて900を切った。株安の直接の原因は世銀が今年度の世界経済の収縮見通しを1.7%から2.9%に引き下げたことにある。またホワイトハウスのスポークスマンは米国の失業率は向こう数ヶ月で10%を超える見通しと述べた。

これらの悲観的な情報により、投資家は財政発動によるインフレ・金利上昇懸念より景気悪化に対する懸念を高めた。

ファイナンシャル・タイムズによると、米国の最大手企業の役員(つまりインサイダー)が大量に株を売却していることが証券取引委員会のファイリング・データから明らかになった。「米国のもっともスマートな(抜け目のない)プレーヤーである公開企業の役員は、自分の金を景気回復に賭けていない」と投資調査会社Trim Tabsのバイダーマン氏は述べている。因みに6月に企業インサイダーが売った株は26億ドルで、購入した金額1.2億ドルの22倍である。

これではグリーン・シュートGreen shoots~景気回復の芽(きざし)~も土足で踏みにじられたようなものである。

大量に売る株を持たない一般庶民は、コモディティ安にベットして、豪ドルでもショートしますか? もっとも豪ドルも既にピークよりはかなり下げているが。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

自作のナスを食べる

2009年06月22日 | 男の料理

今日(6月22日)の夕食に自分で栽培したナスの味噌田楽を食べた。今年のゴールデンウイークに植えたナスの苗からは2週間程前に2つの実を収穫したのでこれが3個目だ。今回は味噌田楽にして食べた。

Nasubi

味噌田楽の作り方は簡単だ。フライパンにオリーブオイルを引いてナスを柔らかくなるまで焼くというだけ。田楽用の味噌は市販のものを使っている。

ナスは便利な野菜だ。和洋中何にでも合う。トマトのような色鮮やかさはないが、焼いて良し、揚げて良し、漬けて良しという器用さはトマトが及ぶところではない。派手さはないが確実に脇役を務めることができる手堅い野菜である。我が家の三本の苗にはまた新しい実が膨らみはじめている。「茄子一つ位では料理にならないわよ」とワイフは言うが、一本の茄子を二人で分けて食べるのも悪いものではない。

蒸す夜は 焼き茄子冷酒 早寝かな   北の旅人

今日の帰りの電車は湿度が高く疲れた。こんな日はさっぱりしたお酒を飲んでサッと湯を浴びて早目に寝るに限る。ところで我が家では梅雨の時期に茄子を収穫したが、本来は秋が収穫時期のようだ。

芭蕉に 秋涼し手毎にむけや瓜茄子 という句がある。

ナスはアクがあるのでそのまま食べることはできず水で晒す必要がある。芭蕉の時代は各人がナスをむき、水に晒して食べていたのだろうか?茄子には体を冷やす効果があるというから、残暑の折茄子を水に浮かべてアクを抜きながら塩をふって食べると美味だったかもしれない。一本の茄子は想像を膨らませてくれる。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする