金融そして時々山

山好き金融マン(OB)のブログ
最近アマゾンKindleから「インフレ時代の人生設計術」という本を出版しました。

日本の失業率、実態は8%近辺か?

2011年12月22日 | ニュース

今朝の朝刊(複数)によると昨日内閣府はミニ白書で2011年7~9月の企業内失業者数を465万人と発表した。企業内失業者数は企業の生産能力に見合った最適な雇用者数から実際の雇用者数を差し引いた数だ。

総務省統計局が発表している10月の失業率は4.5%である。これは完全失業者数292万人を就業者数6,246万人と失業者数の合計で割ったものだ(季節調整後)。

仮に企業内失業者総てを完全失業者に加えると失業者数は757万人になり、失業率は11.6%になる。しかしこれは余りに極端な話で企業は景気回復や新規事業展開に備えてある程度の余剰人員を抱えるのが一般的だ。仮に企業内失業者の内半数が「長期的な失業者」とすると、失業者の数は524万人となり、失業率は8%となる。

次に「雇用調整助成金の支給対象者数」からアプローチしてみた。この助成金は事業主が雇用者を一時的に休業させる場合等に支払われる助成金で、今年10月の対象者は65.4万人になっている。この対象者を失業者と看做して計算すると、失業者数は357万人、失業率は5.5%となる。つまり雇用調整助成金により1%失業率が改善されている訳だ。

以上のような推論をまとめると日本の本当の失業率は4.5%ではなく、8%近辺ではないか?というような気がしてくる。

米国の直近の季節調整前失業率が8.7%(ギャラップ)だからむしろこの方が整合的かもしれない。

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北朝鮮、集団指導体制に移行か?

2011年12月21日 | ニュース

昨日(12月20日)のNHKのクローズアップ現代を観ていると、金正日総書記の逝去を悲しむ北朝鮮市民の映像が流れていた。大袈裟な身振りで弔意を示している彼等彼女等を見て「やらせっぽい」と感じた人は多いのではないだろうか?もっとも儒教の国であり、総書記を「父」と思っている国だから総てが「やらせ」と判断するのは危険だが、健康そうな彼等彼女等の様子を見ると少なくとも独裁政権下で恩恵を受けていた連中が悲しみを露にした・・・というところだろうか?

気になるのは日々の食糧も事欠く多くの国民の反応だがそれは簡単には見えない。

さてロイター(英文)は、北朝鮮と中国の事情に詳しいある情報筋からの話として、後継者となった金正恩氏は、権力を義理の叔父である張成沢(金正日の妹の夫)・労働党行政部長や軍部と権力を分けあわねばならないだろうと報じた。この情報筋は2006年の北朝鮮の最初の核実験の前に情報をロイターに伝えたので、同社は信頼性が高いことを示唆している。

またこの情報筋は米国や韓国が挑発しなければ、北朝鮮が近い将来核実験を行なうことはないだろうと報じている。

もし北朝鮮の集団指導体制移行が事実とすれば誰がその振り付けを書いたのだろうか?それは分からないが、今の状態では誰か一人が金正日のような独裁権を握ることができなかったことは事実だろう。ただし三者鼎立という三脚が安定するかどうかを判断するのは早すぎる。

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カレンダーをEvernote連動にスイッチ

2011年12月20日 | デジタル・インターネット

季節感が乏しくなったが、さすがにオフィスに取引先からカレンダーや手帳が届くと年の瀬を感じる。昨年まではこの時期丸善に出かけてシステム手帳のカレンダーを買い替えてた。本当にシステム手帳が必要だったか?あるいは使いこなしていたか?ということは疑問だが、革表紙の手帳には「できる」というイメージがあった。

僕は「男はFashionではなくFunctionだ」という主義だが、小道具の見栄えはある程度必要だと考えている。機能的な道具を持っている男はできるというイメージを想起させるからだ。

さてスケジュール管理についていうと今はスマートフォンだ。スマートフォンを使っている人はジョルテなどのスケジューラーと呼ばれるアプリケーションを使っていると思う。私も最近までスマートフォンのジョルテとパソコンのOutlookの同期を重宝していたが、今はEvernoteと同期するSnapcalという無料アプリを使い始めた。

EvernoteとSnapcalを同期させるにはEvernoteに作った「スケジュール用」のタグを使う。僕はEventという名前をタグにつけている。Snapcalの優れた点は送られてきたメールをEvernoteに取り込みEventというタグに入れ、SnapcalのEvernoteアカウントを操作する(ここは手動)とメール本文を解読して「日時」や「場所」を自動的に予定表に書き込んでくれることだ。

写真はある会合開催のため送られてきたメールをパソコンでEvernoteに取り込んだところだが、上記操作でスマートフォンのSnapcalに日時・場所を取り込むことができた。

なおSnapcalで作成した「予定」をEvernoteに取り込むこともできる。かなり優れたツールだと思っている。問題点をあげると手作業を加える部分があることだ。もしEvernoteとSnapcalが完全に同期するともっと便利なのだが・・・・

いずれにせよ今年はシステム手帳の「カレンダー」を買わないと思う。スマートフォンはシステム手帳よりシステム的でFunctioningだ。システム手帳はOld fashionになりつつある。やはり機能的なものが流行するのである。

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ヘッジファンドは中国に警鐘を鳴らす

2011年12月20日 | 金融

昨日(12月19日)は北朝鮮の金正日総書記の死亡ニュースに目を奪われていたが、明るくない話題としてはHSBC発表の中国の製造業購買担当者景気指数(PMI)が11月に続いて景気判断の分岐点である50を切り49となるというニュースがあった。11月の47.7(確定値)よりはやや戻しているものの、HSBCのエコノミストは「中国の成長エネルギーはなお弱く、輸出の落ち込みと不動産市場の落ち込みが一段と成長を妨げる」という見方を示した。

中国の成長鈍化について目端の利いたヘッジファンドは以前からショートポジションで利益を上げているが、更に景気回復が遅れるかどうか「現地調査」などに乗り出したという記事がFTに出ていた。

欧州の債務危機を予想して大きな利益を上げた数少ないヘッジファンドの一つエマージング・ソブリン・グループは2010年に39.6%のリターンを上げ今年も同程度のパフォーマンスを上げる見込みだが、顧客に「我々は連続して起きている世界的な債務危機は次は極東で起きるのではないかという予想を高めている」というメモを送っている。

中国政府が公表するデータが不十分で経済実態の全貌を把握できないのは資産運用者の頭痛のたねだ。大手ヘッジファンドは現地調査員を雇い、工場に出入りする自動車の台数を数えるようなことまでしているとFTは報じる。

中国に対する懸念は製造業のスローダウンだけではない。信用バブルも大きな懸念だ。中国銀行が発表している「総与信残高」の伸びを見ると過去3年間で総与信額はGDPの9割も増えた。その資金の大きな部分が不動産市場に投入されているとすれば、バブルの規模は大きい。

FTは北京や上海のアパートの売却価格は年間収入の30倍にもなっている(米国ではサブプライム崩壊前でも6倍だった)と報じている。

ところで「次の債務危機は極東the Eastで起きる」という予想の極東はこの場合中国を指しているが、一般論としては日本の国債も射程に入れておくべきだろう。金正日死亡後の北朝鮮、不動産バブル崩壊寸前の中国、国債残高が臨界点に近づく日本・・・・リスクのうねりは続く。

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金正日の死、トップ交替の年の先駆けになる

2011年12月19日 | ニュース

今日(12月19日)北朝鮮のテレビ局から金正日総書記が17日土曜日に過労による心臓発作で死亡したと発表した。彼の年齢を69歳と報じているメディアもあれば70歳と報じているメディアもあったが、元々生年月日も生まれた場所も謎に包まれているから当然起こりうる混乱である。

土曜日の死亡が月曜日の朝に公表されるのはかなり遅いと思うが、三男の金正恩への政権移行準備に手間取ったのかもしれない。正恩氏がトップの座に着くことは前から決まっていたが、役割分担については実力者と看做される正日の妹・金賢姫などと色々な駆け引きがあったのかもしれない。

さて2012年は世界各国で大統領選や政権交替イベントが予定されている。1月には台湾の総統選挙、3月にはロシアの大統領選挙、3月には中国の国家主席交替、5月にはフランスの大統領選、そして11月にはアメリカの大統領選があり、12月には韓国の大統領選が控えている。

韓国政府には金正日の死による北朝鮮の政権交替が、朝鮮半島の統一を促進するイベントになるだろうという見方が多い。私もその可能性が高いと考えているが、直線的に統一の動きに向かうとは考えにくい。まず20代後半と言われている金正恩が(良し悪しは別として)正日並のカリスマ性を発揮し、軍部や国民を統制できるとは考えにくい。正恩を担ぐ派閥間の抗争などが北朝鮮の内部崩壊につながる可能性は大きいだろう。

このような北朝鮮の動きやそれが誘発する極東の地殻運動がロシアや韓国、そして場合によってはアメリカの大統領選挙に影響を与えそうだ。

2011年は欧州が揺れに揺れた年。その揺れは来年も簡単には収まらないだろうが、それに加えて2012年はアジアも揺れそうな年だ。日本にとっても外交・国防が一段と重要な年になりそうだ。それは政局にどのような影響を与えるのだろうか?

この場でどの政党の誰?という積もりはないが、「外国に対してきちんとものを言える人」を持ってこないと国益を損ねる懸念が高い時期だと思われる。

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