金融そして時々山

山好き金融マン(OB)のブログ
最近アマゾンKindleから「インフレ時代の人生設計術」という本を出版しました。

市場参加者の6割、資産購入の終了を来年6月と予想

2013年06月19日 | 投資

昨日(6月18日)米国株はダウが138.38ポイント(0.91%)、S&Pが12.77ポイント(0.78%)上昇と続伸。昨日・今日と続くFOMCの結果待ちで、取引高は少ないが、投資家の間に「バーナンキ議長は、資産購入プログラム終了について懸念する市場をなだめるような発言をするのではないか、また経済状態は資産購入規模が縮小しても、成長が持続するだろう」という強気の読みにかける人が出ている。

経済専門チャンネルCNBCの予想では、資産購入プログラムの終了時期を来年6月と予想する人が6割で、年内に終了すると予想する人は5%、また2015年以降と予想する人は12%だった。

株価については目先横ばいながら先行き強気の見通しで、S&P(足元1、651ポイント)については今年年末1,655ポイント、来年6月に1,722ポイントというものである。

半年先を読む株式市場。ほぼ連銀の資産購入プログラムの終了を織り込みつつあると考えて良いだろう。

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「大友式ボケ予測テスト」、時代遅れのところもあるそうです

2013年06月18日 | うんちく・小ネタ

昨日(6月17日)日本相続学会で東葛病院の下院長の「いかに老いるか」という講演を聞きました。その中でちょっと気になったのが、「大友式ボケ予測テスト10問」に関する話です。これは以下の10項目について「ほとんどない:0点 時々ある:1点 頻繁にある:2点」で採点し、合計点が8点以下なら正常、9-13点は要注意、14-20点:病的(ボケのはじまり)というもです。

チェック項目は①同じ話を繰り返す②知っている人の名前が思い出せない③物のしまい場所を忘れる④漢字を忘れる⑤今しようとしていることを忘れる⑥器具の説明書を読むのを面倒がる⑦理由もないのに気がふさぐ⑧身だしなみに無関心になる⑨外出をおっくうがる⑩物(財布など)が見当たらないことを他人のせいにする

です。

読者の皆さん、自己採点の結果はいかがでしたか?総ての項目ゼロ点でしたか?

私は頻度は別として幾つかの項目で気になるところがありました。まず②「知っている人の名前が思い出せない」では、知っている(といっても相手は知らないが)タレントの名前を思い出せないことがあります。特に女性タレントは単に美女、というだけでは個体認識が難しい場合があります。その点美人かブスかは別として剛力彩芽のようなタレントはひと目で覚えられるので気に入っています③「物のしまい場所を忘れる」では、物理的なもののしまい場所を忘れることはまだありませんが、コンピュータ上のデータや写真などの格納場所は忘れることがあります。より正確にいうと初めから「どこに格納した」という意識が薄いようです。ただしこの問題については「検索方法」を覚えているので、実害はほとんどありません。将来「コンピュータに格納したかどうか」を忘れると問題だなぁと思いますが。

④「漢字を忘れる」パソコンでものを書くようになって漢字は忘れて来ました。「読むことはできるけれど書けない漢字」は増えています。⑥「器具の説明書を読むのを面倒がる」携帯電話やスマホの細かい字で書かれた利用者ガイドブックを読むのは面倒です。あれを全部読んでいる人、いるのでしょうか?どうせ読まないのであれば、グーグルのタブレットnexus7のように紙ベースのガイドブックなんかほとんどなし、という方がすっきりしていて良いと思います。

⑧「身だしなみに無関心である」 身だしなみそのものに無関心だ、とは思いませんがファッション(流行)には無関心です。男にはライフスタイルにあった服装があれば良いと思います。⑨「外出をおっくうがる」梅雨の猛烈な湿気、余程の用事がないと出かけるの億劫ですよね。昨夜久しぶりに遅い時間の満員電車に乗って帰宅すると疲れました。

ということでこのテストの妥当性を下先生に確認したところ、お答えは「テストは20年前に作られたもので、今日では一部当はまりにくい項目もあると思います」ということでした。

コンピュータの発達が、個人の暗算機会や記憶負荷を減らすことで、ひょっとするとボケ防止の足を引っ張る可能性があるのではないか?という気がしましたが、講演の本筋から離れるのでそれ以上の質問はしませんでした。

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経済成長のスケープゴートに終わる可能性が大きい中国農民

2013年06月17日 | 国際・政治

昨日(6月16日日曜日)のNHKスペシャルhttp://www.nhk.or.jp/special/detail/2013/0616/は中国各地で起きる農民と地方政府の衝突、そしてその一つの解決策としての「紛争仲介人」の問題を取り上げていた。NHKのホームページによると「中国政府は、大規模な予算をあてて、人々の不満を緩和しようと懸命に取り組んでいる。 新生中国は、各地で高まる民衆の不満を解消し、更なる成長を続けることができるのか。」ということだが、私はかなり懐疑的に見ている。

中国の「都市化政策」は実質的には2,30年前にスタートしているが、改めて強調されたのは昨年12月の中央経済工作会議だった。そこで「都市化を積極的かつ穏便に推進し、都市化の質を高める」ことが改めて決めれた。なぜ都市化の推進が改めて取り上げられたか?というとそれが輸出に代替する経済成長エンジンと考えられるからだ。

ニューヨーク・タイムズはChina's Great Uprooting:Moving 250 million into cities「中国の大移転:2億5千万人を(農村から)都会へ」というタイトルの記事で、都市化政策の危うさに警鐘を鳴らしている。Uprootという言葉は「根こそぎ引きぬく。根絶する。(人やものを元の環境から)引き離す」という意味で、まさに農民を農村から引き剥がして都市に移住させる、ということだ。タイムズによると、中国政府の最終的な目標は、2025年までに国民の7割、9億人を都市に住まわせるというものだから、まさに大移転だ。だが「大移転」という言葉が記事に登場する理由はその規模の大きさのゆえだけではない。それがGreat Leap Forwardつまり「大躍進」の現代版と反対派には見えるからである。大躍進政策は1958年に毛沢東が推進した大増産政策だが、結果は数千万人の餓死者を出す失敗に終わった。

中国政府の狙いは「都市化に伴う大規模なインフラ投資」「都市化した住民の所得増・消費増に伴う持続的な経済成長の維持」だが、目論見通りにいく保証はない。

都市化による経済成長拡大の試みは、ブラジルやメキシコでも行われたが、結果としては失業率の拡大と都市の貧困層の拡大に終わった。

中国の農民が都市移住に反対する理由は、彼らの土地が不当に安い対価で収容されることだけではない。就業やライフスタイルに対する不安が大きいのだ。たとえ都市に移住した当面の雇用は確保されるにせよ、50歳、60歳になっても雇用される保証はない。また長年農業に従事してきた人たちにとって、やることのない都市でどのような生活を送るのか?ということも大きな不安材料だ。

教育レベルが低く専門的職業経験がない農村からの居住者が、職を失い貧困層に転落するリスクは大きい。

中国の都市化政策は、農村の自然環境・伝統的文化の破壊と都市における貧困層の拡大を招くリスク大であり、そのそのメリットを受けることができるのは、既に経済的基盤を確立している都市住民の一部にとどまるのではないだろうか?

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今日は外国人留学生を半日受け入れ

2013年06月16日 | うんちく・小ネタ

今日(6月16日日曜日)、かねて予定のとおり午前10時前に車で田無庁舎に出かけて、外国人留学生2名を迎えに行った。これはNIMIC(Nishitokyo Multicultural and International Center)

http://www.nimic.jp/ というNPO法人が主催する企画で、外国人留学生を半日自宅に招いて交流を図るというものだ。我が家には、韓国人と中国人の女子留学生が1名づづ遊びに来てくれた。お昼ごはんは「手巻き寿司」にすることにして、田無庁舎を出た足で新青梅街道の角上魚類に向かった。角上魚類は駐車場からかなり混んでいてた。雨にもかかわらず、日曜日の午前中から混んでいるのは、父の日だからである。父の日であれば、景気よく中トロ、大トロを並べれば良いと思うのだが、マグロの売り場には赤身のサクが並んでいた。

中国は西安から来たという留学生は、「寿司を食べるのは初めて」と言っていたので、ナマモノは大丈夫かな?という一抹の不安はあったが、ペロリと平らげてくれた。

お昼ごはんをはさんで、5時間ほどあれこれ雑談をした。今、東京外大で日本語を勉強している韓国人留学生は、この後日本で経営学を勉強して、病院の経営に関わりたいという。また中国人留学生は、ゆくゆくは中国で日本語の教師をしたいという。二人ともビジョンとそこに至るプロセスがかなり具体的に描けているようだ。

またそれぞれ英語はかなり流暢なようで、さらに日本語もかなりできるようになっている。「中・英・日」「韓・英・日」更には「中・韓・英・日」をある程度使うことができる若者が増えていきそうだ。高い意欲を持ったアジアの若い人に多少なりともお役に立てることがあればお手伝いをしたい、と思う。と同時に意欲的な海外の若者と競争して行かねばならない今の日本の若者は大変だな、と改めて思った次第である。

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「英雄たちの選択」~戦略論的にアプローチすれば

2013年06月15日 | テレビ番組

昨夜午後8時からはBSプレミアムの「英雄たちの選択」勝海舟の江戸城無血開城を見ていた。「武士の家計簿」の磯田道史氏を初めコメンテーターの意見は中々面白かったが、コメンテーターの中に「戦略論」のプロを入れるともっと見応えがあった、と思った次第。

慶応4年(1868年)3月、江戸城総攻撃を目指して進軍してくる東征軍に対して、勝には二つの選択肢~「徹底抗戦」と「無血開城」~があったと番組は述べる。その時勝には3つの達成するべき課題があった。「徳川家の存続」「江戸を戦火に巻き込まないこと」「内戦の長期化により外国勢の干渉を招かない」ということだ。

これを「戦略論」的に整理すると、達成するべき3つの課題は「政治目的」で、「徹底抗戦」か「無血開城=政治的交渉」は手段である。クラウゼビッツ流にいうと「戦争は血を流す政治的交渉」であり、戦争は政治的な目標を達成するために遂行するものである。従って政治的交渉により政治目的が達成されるのであれば、戦争という手段に訴える必要はない。

何故なら「兵は不祥の器にして君子の器にあらず。やむなくしてこれを用いる」(老子)ものであり、「百戦百勝は善の善なる者ではなく、戦わないで相手を屈服させる者が善の善なる者」(孫子)だからだ。

勝海舟とその交渉相手の西郷隆盛が「老子」や「孫子」の言葉を熟知していたことは間違いないだろう。1832年に書かれたクラウゼビッツの「戦争論」を知っていたかどうかは私には分からないが。

勝の胆力だとか交渉力が注目される江戸城無血開城だが、私は次に2つのことを見落としてはならないと思う。

第一は勝が「戦争になっても勝つあるいは少なくとも簡単に負けない」というシュミレーションを行いそれをちらつかせていたことである。特に幕府艦隊を使って、東進する東征軍を東海道が海岸に接近する駿河湾で艦砲射撃するというシナリオは実現性は高い。交渉というものは、力の裏付けなどの交渉材料がなくては成立しない。英米人は交渉材料をleverageと呼び、交渉の早い段階でお前のleverageは何だ、と聞いてくる。そしてleverageの強弱で着地点を探るので交渉のまとまりが早い。

国と国、会社と会社、人と人の間の交渉で大事なことはleverageを持つということだ。Leverageのない交渉は哀願に過ぎない。

次に勝と西郷という交渉相手が、重要な政治目的と教養という人格形成の基盤において共通点を持っていたということだ。

「世界最大級の大都市である江戸=東京の機能を損なわないこと」「大きな内戦を回避し、外国干渉を招かないこと」さらにはその先の「富国強兵で外国に伍していく」という政治目的の共有。また儒教や禅を中心とした東洋哲学に対する深い造詣と実践の共有。そして勝と西郷の無私の精神。これらが揃って江戸城の無血開城は可能になったのだ。

このことは今後の外交問題を考える上でも示唆的だ、と私は考えている。

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