金融そして時々山

山好き金融マン(OB)のブログ
最近アマゾンKindleから「インフレ時代の人生設計術」という本を出版しました。

優良業者でも注意したい「無料点検」

2013年06月04日 | うんちく・小ネタ

「タダより高いものはない」という言葉がある。企業が中々利益を上げることが出来ないこの世知辛い世の中で「無料で点検します」などという話があれば、用心した方が良い。

先日外出先から帰宅し玄関ドアを開けようとすると、中年女性が近寄ってきて「ご主人様ですか?」とたずねてきた。聞くと東京ガスのガスメーターのチェックをしている人で、ついでにガス風呂やレンジの無料点検の御用聞きをしているという。ガス、というとガス漏れが恐いので風呂のボイラーの点検の打ち合わせをワイフと電話で行う様に依頼した。ガスレンジは最近買い換えたばかりなので問題はないが、風呂のボイラーは10年選手なので少し気になったからだ。

数日して東京ガスの点検が終わった。ワイフに聞くと「問題はない」ということだが、「10年経つといつおかしくなっても不思議わありません、念の為に買い替え機種の見積書を置いておきます」といって、早速見積書が届いたという話である。

私は東京ガスは優良業者だ、と思っている。先般のガスレンジの買い替えでも的確な判断と妥当な値引きで取り付けを行なってくれた。レンジの買い替えについては、最初新しくオープンしたイオン東久留米店がレンジ本体の安売りを行なっていたので、取付工事の見積を行なって貰った。ところが見積にきた下請けの担当者のレベルが低く、「設置済のガスの配管が邪魔をして、奥さんがご希望の引き出し式のレンジが導入できない」「私の仕事は設置費用の見積だけでトータル幾らになるかは分からない」というので、不愉快になり東京ガスに見積を依頼してみた。

東京ガスの対応は「配管の問題は簡単に処理でき引き出し式が導入できます」「設置費用はこれこれ、古いオーブンの撤去費用はこれこれです」「近々キャンペーンを実施する予定ですので、キャンペーン価格を適用してお安くサービスするべく上司に相談します」と極めて適切なものだった。

という経験から私は東京ガスは優良業者だ、と判断しているのである。また優良業者だから買い替えの押し売りはせず、見積書を置いていくにとどめたのだと判断している。

もし東京ガスが悪徳業者であり、あるいは万一東京ガスの担当者が不心得者であり「お宅のボイラー、このままですと直ぐにもガス漏れしますよ」なんて言われると、たちまち買い替えを迫られていたことになる。

私は東京ガスのような優良業者は悪徳セールスをしないと信じているが、一方仕組みとして「安全性をチェックする業者」と「新しい商品を販売する業者」が一緒ということにシステム的なリスクを感じていることも事実だ。つまり「新しい商品を売るために、現在使っている商品のリスクを顧客に強調するモチベーションが働く」リスクが制度的に存在する、ということである。

「無料点検」というのは、顧客に売り込む強力なセールスチャンスであり、無料は販売促進費で賄われているのだ、と喝破すべし。優良業者の東京ガスにおいてすら、制度的なリスクを内包しているのだから、世の中の「無料点検」「無料招待」などの無料はリスクの塊と考えておいた方が良いだろう。

先刻ご承知のことだが、ガスレンジのような古い機器の撤去など工事を伴う商品の購入では、商品価格の差より、工事費の差の方が大きくなる場合がある。トータルで幾ら?ということを的確に提示出来ないできない業者に発注するのはリスク(不確定要素が大きいという意味で)が高いのである。またCost overrunしないように釘を打っておくことは言うまでもない。安い見積で受注して、後から追加費用を請求するのも悪徳業者の常套手段だからだ。

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自信は時に身を滅ぼす。ゴルフも政治も・・・

2013年06月03日 | ニュース

週末4年ぶりにプレーしたゴルフ。スコアは良いはずはなかったが、当初恐れていたほど滅茶苦茶にもならなかった。その理由ははっきりしている。安全ゴルフに徹したのである。遠くからグリーンオンを狙うとバンカーにハマる可能性の高いところでは、短く安全に花道から・・・という具合に。長年のブランクにより、当然ショットに対する自信はなくなっている。しかし自信がないから、謙虚に安全策を取ることになり、結果としては当初思っていたよりはましなスコアにつながった。

自信過剰が身を滅ぼす危険については、「河童の川流れ」という諺がある。英語にはPride goes before a fall.(プライドは衰退に先行する)という直截な言い方がある。自信過剰に溺れるというのは洋の東西を問わない人間の性なのだろう。

自信過剰に溺れる、といえば先週金曜日から続いていたトルコの大規模なデモについてFTにHubris threatens to humble all-powerful Erdogan(自信過剰は全権力を掌握しているエルド元首相の地位を貶める危険性がある)という記事があった。

10年間政権の座にあり、経済成長を推し進めてきたエルドガン首相。先週のデモの直接の原因はタクシム広場の緑地を取り壊して、モールにするという政府プランに反対するものだったが、その背景にはイスラム色を強めるエルドガン政権に対する世俗派の反発がある。FTによると政権発足時には、反対する少数派の意見にも耳を傾けていたエルドガン首相だが、最近は独裁色が強まってきた、という批判が高まっている。

日本の政治家を見ていても、権力を握る前までは慎重に謙虚な発言をしていた人が、権力の座に座った途端に自信過剰で傲岸な発言をして墓穴を掘る場合がある。

選挙民は「謙虚で自分たちの声を聞いていくれる政治家」を選んだつもりだったが、選ばれた政治家は恐らく自分の考え方全般に負託を得た、と勘違いするのである。ゴルフでの自信過剰は、OBやバンカーでの大叩きで済むが、実社会での自信過剰のツケは大きな代償を伴う場合が多い。古い諺は「口は災いの元」という言葉で、軽々な発言を戒めている。

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4年ぶりのゴルフ、「結果OKなし」の烏山城

2013年06月03日 | スポーツ

この週末(2013年6月1日-2日)は、栃木県の烏山城カントリークラブでゴルフを楽しんだ。私にとっては4年ぶりのゴルフである。4年前にばね指(一種の腱鞘炎)で指が痛くなって以来、ゴルフから遠ざかっていたが、今回山の仲間が企画したゴルフツアーがあり、参加した次第だ。

Karasuyama

コースは烏山城カントリークラブ。日本プロトーナメントを開催したこともある井上誠一氏設計の名門コースだ。

名門コースだけに当たり損ねの「結果オーライ」はほとんどない。4年ぶりのゴルフには堪えるしっかりしたコースだった。

多少気になったことは、土日を通じてゴルファーの数が少なかったことだ。コースのレベルの高さに合わせて、中々強気の料金体系を維持している故か、プレーヤーの数は少なかった。

実のところ本格的にゴルフを再開するかどうか決めてはいない。指が痛いのどうのこうの、という問題もあるが、楽しみ事を増やしすぎても「遊び疲れ」に終わってしまう可能性も大きい。

山登りのハードさに較べると、ゴルフが要求する体力は知れている、と思っていた。だが今日は仲間の一人が肉離れを起こした。ゴルフのタフさを甘く見てはいけないよ、という警告だったのかもしれない。

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