金融そして時々山

山好き金融マン(OB)のブログ
最近アマゾンKindleから「インフレ時代の人生設計術」という本を出版しました。

議会でのヤジそのものを禁じれば~株主総会との対比で

2014年06月24日 | うんちく・小ネタ

今日ある会社の株主総会に出席した。といっても株主側ではなく議長席の後ろに一監査役として座っていただけだが。この会社の株主総会に出席するのは3回目だが非常に整然とした株主総会なのでいつも安心して見ていることができる。その一番の理由は社長が株主総会とその直後の「経営方針説明会」を通じて数字だけでは語ることができない会社の本当の目指すところを株主に語りかけ、時間の許す範囲で株主の疑問に答えようとする姿勢にあると私は感じている。株主さんからは質問や要望はでるが、ヤジなどいわゆる不規則発言は一切なかったし、またいわゆる社員株主による議事進行!的発言もない気持ちの良い総会だったと私は思っている。

ヤジといえば今マスコミやSNSをに賑わしているのが、都議会の塩村議員に対する一部の男性議員からのセクハラ的ヤジ問題である。セクハラ的ヤジが論外であることは議論の余地のないところだが、この際議会のおけるヤジそのものを考えてみてはどうだろうか?

ヤジとは基本的に指名された発言者が発言している時に飛ばす不規則発言である。もちろん発言者を応援する景気づけのヤジもあるが、発言を妨害する不規則発言が多い。

一昔前の株主総会ではいわゆる総会屋による不規則発言がかなりの会社の株主総会で見られたが、会社法改正等の効果で現在は極めて少なくなっているようだ。

正当な権利に基づいて発言している人の発言を権利のない人が不規則発言で妨害することは民主主義の根幹を揺るがす問題である、と捉えるべきであろう。それは株主総会においては、正当に権利を行使しようと思っている株主と株主の利益を大切にしようと考えているまっとうな会社の志を踏みにじる行為である。

それと同様に議会における不規則発言は、志をもった議員とその議員を選出した選挙人を冒涜する行為なのである。

株主総会が粛々と運営されるようになってきたのだから、地方議会も国会も思い切って不規則発言は禁止する・不規則発言をする議員は退場させ、その名前を公表し、次の選挙で選挙民の判断を仰ぐようにする位の規律を導入して欲しいものである。

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電子本、場所を取らないという一つの欠点

2014年06月24日 | デジタル・インターネット

私は購入する本の中で電子本の比率を高めている。電子本は紙の本に較べて幾つかメリットがあるからだ(ディメリットもあるが)。幾つかあるメリットの一つは「場所を取らない」ということである。

ところが最近「場所を取らない」ということはメリットだけではなくディメリットになる可能性があることに気がついた。

どういうことか?というと紙の本であれば、買ってきて読まずに本棚に置いておくと段々目についてくる。1,2冊まらまだしも4,5冊そんな本がたまってくると、「新しい本を買う前に読んでいない本を読んでしまおう」とか「買ったけれど何らかの理由で読まない本ならアマゾンでも売ってしまおう」などと「整理するべきだ」というプレッシャーを受ける。読んでいない本が棚からにらんでいるのだ。

ところがタブレットにダウンロードした電子本は目立たないから、下手をすると読みさしの本がたまってしまう可能性がある。「思い立ったら直ぐに買うことができる」「紙の本より安い」という電子本のメリットも時として、読みさしの本を増やす可能性がある。

こんなこと気にしているのは私だけだろうか?

Kindle

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【イディオムシリーズ】株主アクティビズムにCatch fire

2014年06月23日 | 英語

株主総会の季節になった。今年の株主総会の特徴は高いリターンを求める株主提案が増えていることだ。

CNBCにShareholder activism catches fire in Japanというタイトルの記事があった。

Catch fireは「火を吹く」であり、「株主アクティビズムが日本で火を吹く」という意味だ。本文にShareholder activism is catching on in Japan.ともあった。Catch onは「流行する」という意味だが、catch fireとほぼ同じ意味で使われている。

記事によると、IRジャパンは「今月の株主総会でより高いリターンを求める株主提案が14件行われるだろう」と述べている。その内の5つはロンドンのザ・チルドレンズ・インベストメント・ファンドが行う予定だ。チルドレンズは昨年日本たばこ産業の株主総会で、配当を120円にする株主提案(会社側の提案は68円)を行ったが否決された。ただしその後日本たばこは増配に動いている。日本たばこ側は株主提案との関係を否定しているが。

長い間、欧米に較べて日本の株主は「もの言わぬ株主」として有名だったが、これは変わりつつある。今年2月に金融庁は「責任ある機関投資家の諸原則」(日本版スチュアードシップ・コード)を発表した。これは投資と対話を通じて企業の持続的発展を求めるものだ。

金融庁は6月初旬に「諸原則」の受け入れを発表した127の機関投資家の名前を公表している。また日本最大の機関投資家であるGPIFが4月にシアトルの「友好的アクティビスト」ファンドのタイヨー・パシフィックを運用マネージャーのリストに加えたこともアクティビズムには追い風だ。

過去5年間の日本株(TOPIX500)の平均ROEは8%弱で18%強の米国(S&P500)に較べるといかにも低い。

GPIF等日本の機関投資家がどれだけものを言うかに今後の日本株のリターンとアベノミクス第三の矢の成否がかかっている。

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【イディオム・シリーズ】Tip the apple cart

2014年06月21日 | 英語

米国株が堅調だ。昨日(6月20日)も、ダウとS&P500は新高値を更新し、ナスダックも14年ぶりの高値になった。投資家は連銀の低金利持続方針を好感している。だがイラクでスンニー派過激派が攻勢を強めており、原油価格がじりじりと上昇を続けている。アナリストの中には原油価格が一定価格を超えて上昇すると経済と株価にマイナスの影響を与える可能性が高まっていると警告を発する人がいる。

Heaven forbid these guys get close to where oil is produced in the south of Iraq, that could be what tips the apple cart hereという一文がCNBCに出ていた。

「とんでもないことだが、彼ら(スンニー過激派)がイラク南部の産油地域に近づくと経済見通しをひっくり返す可能性がある」という意味だ。

Heaven forbidは直訳すると「天が禁じる」だが、これは「とんでもないことだだ」という慣用句。tip the apple cartは「リンゴの手押し車をひっくり返す」という意味だが、これは「計画を覆す」という慣用句だ。一般的にはtipではなくupsetを使う方が多い。

スンニー派のサダム・フセイン政権下で多数を占めるシーア派(CIAによると60-65%)は弾圧を受けてきた。フセイン政権崩壊後シーア派主導で新政権が作られた。マリキ政権がシーア派による支配を強める中、スンニー派の不満が高まり内戦が激化している。

金曜日のクルドオイルの先物価格は過去9か月の最高値の1バレル107.26ドルになった。あるストラテジストは原油価格が140ドルになると、GDPは0.5%減少するだろうと警鐘を鳴らしている。

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庚申さんに二日遅れて柴又帝釈天へ

2014年06月20日 | まち歩き

1か月ほど前柴又帝釈天を取り上げたTV番組を観た。詳しい内容は忘れたが、「庚申さんの日にお詣りする人が多い」「お堂の外壁の木彫が素晴らしい」という話が印象に残っていた。

庚申は「かのえさる」十干十二支の一つで60日に一度回ってくる。2日前の6月18日がその庚申の日であることは、柴又帝釈天のHPで分っていたが、天気予報が雨だったので見送った次第。次の庚申の日は8月になり暑くて行く気がしないのではないか?と思い庚申の日ではないが、今日(6月20日)ワイフと出かけてみた。

Gate柴又帝釈天には30年ほど前に家族で出かけたことがあった。寅さんシリーズ全盛の頃だった。だがその時は 団子屋さんには行った記憶はあるが、お寺の中をじっくり拝観
した記憶はない。

今日は拝観料400円を払ってゆっくり帝釈堂を見学した。

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これらの見事な彫刻は昭和初期の作品だ。お寺のお堂の壁一面をレリーフが飾っているのは珍しいのではないだろうか?

珍しいというとお寺の本尊が帝釈天というのも少し珍しいかもしれない。というのは帝釈天は元々ヒンズー教のインドラという非常に位の高い神様だからだ。

その帝釈天=インドラと庚申さんがどう結びつくか?というと中国の道教では「庚申の日に人間の身体の中の虫が人が寝ている間に出てきて天帝にその人の行動を報告する。天帝はその人の行いが悪い場合は寿命を縮める」という教えがあった。だから庚申の日は人々は寝ずに起きている(虫は人が寝ていないと這い出せず、天帝に報告できない)という土着信仰が起こった。そして天帝と帝釈天が結びついた結果、柴又帝釈天で庚申の日がイベント日となったようだ。http://www.taishakuten.or.jp/index2.html

さてどうして帝釈天をお祭りする帝釈堂の壁が見事な木彫で飾られているのか?という点についてはまだ調べていないが、素晴らしい木彫はネパールの古都バクタプルの寺院彫刻を思い出させた。

帝釈天を出て江戸川の堤防から矢切の渡しを遠望した後、山本亭(入館料100円)を拝観した。

GardenTurtle説明書きにはここの庭園は京都の桂離宮の庭園などに次いで日本の五指に入る庭園と評価されていると書いてあった。

私は桂離宮に行ったことがないので軽軽な判断は避けたいが、日本の五指は少し大袈裟な感じである。入り口の水盤には陶器の朝顔や亀が浮かんでいた。

この位ののどかさが柴又には合うと私は感じた。

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