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金融そして時々山

山好き金融マン(OB)のブログ
最近アマゾンKindleから「インフレ時代の人生設計術」という本を出版しました。

地形図1枚を縦断する清水峠越え

2015年10月13日 | 

10月12日(月・体育の日)Nさんと清水から清水峠を越えて、谷川岳の表玄関・土合まで歩いた。Nさんとは過去2回ネパールをトレッキングで歩いている。今年はネパール大地震のため、トレッキングを見送ったが、二人でこの古い街道を歩くというのも何かの縁だろう。

連泊した民宿・雲天のご主人が「清水越えをするなら車で登り口まで送ってあげる」と前日言ってくれたので、朝ごはんを頂きゆっくり出発することにした。宿の朝食は油の乗った塩鮭・キノコたっぷりの味噌汁・舞茸とナスをさっと炒めたものとボリュームたっぷりで美味しい。80歳を越えたご隠居が「馬道(居坪坂)コースなら清水峠まで2時間、清水峠から土合まで3時間だな」というので、のんびりした気分で出かけた。

当初の計画は清水から歩いて十五里尾根に取り付き清水峠に登るというものだが、車で檜倉沢出会いまで送ってくれるというので歩きやすい馬道コースを取ることにした。

8時車を降りて檜倉沢を横断。標高930m。天気は快晴で爽やかな一日になりそうだ。馬道は傾斜が一定で歩きやすい。

途中昨日登った巻機山方面がよく見えた。右の大きな山は柄沢山(からさわやま・1,900m)で中央の三角形が割引岳だ。巻機山はその間にある。

ブナがきれいだ。

ナナカマドの実もみのる。

稜線にでると清水峠まで平たんな道が続いた。

10時12分清水峠到着。

西側の笹薮の道は七つ小屋山(1,675m)に登っている。越後(新潟県)と上野(こうづけ・群馬県)を結ぶ重要な交易路であった清水越えは明治11年に国道に昇格し道幅が5mに広げられたというが、相次ぐ雪崩でずたずたに寸断され復旧工事が追い付かなかった。その後上越線が開通し、輸送路としての使命を終え荒れるに任されているという。

清水峠で馬蹄形縦走をするという元気な女性2人にあった。朝3時に出発して谷川岳を越えてここまで来たという。これから朝日岳を登り、白毛門まで行くという。

写真はその朝日岳(1,945m)だ。十数年前宝川上流のナルミズ沢から朝日岳に登り白毛門へ縦走したことがあるが、朝日岳・笠ヶ岳の間には小さなピークが連なり、結構疲れたことを思い出した。

一ノ倉岳の上をヘリコプターが飛んでいった。遭難救助ヘリではなく遊覧ヘリのようだ。

10時35分 清水峠出発。道は水平道だが、何カ所か沢を渡るところでは崩壊しているところがあり、歩きやすい道とは言えない。

ガイドブックによると「7月1日の山開き以前は雪渓を渡る箇所が多く危険なので蓬峠から稜線を歩く方が良い」とある。

途中(11時15分)清水峠を振り返り写真を撮った。

谷川岳周辺では中年時代に沢登りを楽しんだが清水峠には来たことがなかった。一度は通りたい峠だったのでちょっと感慨がある。

12時20分白樺避難小屋。蓬峠への道が合流する白樺避難小屋から湯桧曽川に真っ直ぐ降る「新道」は比較的歩きやすい道だ。

12時53分武能沢出会い。

13時32分湯桧曽川の河原で休憩。清水峠を出て3時間経過した。民宿・雲天の爺様の話では3時間で土合に着くというが土合はまだ遠い。爺様は「熊を100匹獲ったマタギ」だったというから我々とは足腰が違うのかもしれない。あるいは往年の清水越えの道は整備されもっと歩きやすかったのだろうか・・・・

芝倉沢・幽ノ沢・一ノ倉沢・マチガ沢の出会いごとにちょっとした登りがあり少しうんざりしたが、14時35分に土合バス停に到着。JR土合駅まで歩いて電車を探したが小1時間の待ち時間があったので、バスで水上駅にでて在来線を乗り継いで帰宅した。

このルートは国土地理院1/2.5万分の1地図を上から下まで歩き通すルートだった。地図の縦の長さは37㎝。4cmが1kmだから、直線距離で9km。道は曲がりくねっているので実際はその倍は歩いただろう(途中でGPSの電池が切れたので正確な距離は不明)。

昔の人は健脚だったなぁ、と改めて感心した。

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紅葉の巻機山・ヌクビ沢を登る

2015年10月13日 | 

10月11日(日曜日)上越の巻機山をヌクビ沢から登った。

前夜は清水の民宿・雲天泊まり。雲天を5時45分頃レンタカー2台で出発し、桜台の駐車場に車を止めた。この駐車場は最盛期には駐車スペースを探すのに苦労するほど混雑すると言われているが、この日は小雨が降っていたので、登山客は少なく簡単に駐車することができた。

ここで井戸尾根パーティ7名と分かれ、Sさんと二人でヌクビ沢に向かった。

出発時間は6時8分。6時33分避難道分岐通過。6時39分入渓点。

熟年カップル+ガイドさん1名の3人組と前後しながら、しばらく右岸(上流から見て右)を歩く。

6時53分吹上ノ滝。

吹上ノ滝からアイガメの滝までは右岸をへつっていく。

アイガメの滝手前で沢を右岸から左岸にわたる。

アイガメの滝は右手の尾根に隠れてまだ見えない。

7時10分アイガメの滝。

アイガメの滝はヌクビ沢最大の40mの落差を持つ滝でルートは左手の草付きになる。草付きの左側に鎖があるが、その鎖を使わずに右手の岩を登る。滝を登る場合はできるかぎり水に近いところにルートを求める方が、足場がしっかりしていて登り易い場合が多い。ここもそうだ。

中々迫力のあるところでヌクビ沢のハイライトの一つだ。

7時55分 落合到着。ここは割引沢(左)とヌクビ沢(右)の合流点だ。ガイド付きパーティは割引沢から黒ツブネ尾根を登り割引岳に登るといっていたので、ここから左に向かうのだろう。

ヌクビ沢を登っていくとスラブ状の干布岩に到着。先行していた単独行の男性が濡れたスラブに全身を投げ出して匍匐前進していたが、ベストルートではない。この人は右手の枝沢の方に向かっていったがどこに行くのだろう?とちょっと気になった。ベストルートは流れの左側のスラブを直登するものだ。岩が乾いていると靴のフリクションでスタスタ登れるはずだが、小雨でスラブ全体が濡れているので、クラックを利用した多少細かい登りとなった。

なお状況が悪い場合は左手の藪をつかんで登る手もありそうだ。

後続のSさんが少し苦労していたので、お助けロープを投げる。

8時26分行者の滝下到着。

ここまで登ると水量は随分減ってきた。行者の滝は右手の岩を簡単に登っていく。

9時30分標高1,470m地点。沢の水が大分少なくなってきたので、ペットボトルに水を補充し稜線歩きに備える。

小雨はすっかり上がり気持ちの良い沢歩きにフィナーレになってきた。

しばらく行くと涸れた小滝に赤い××マークがついていた。ここで正しいルートは右手の藪から滝を越えそのまま尾根筋に登っていくものなのだが、小滝の岩登りが面白そうなのでそのまま沢筋を進んだ。ところがその上は急なガレ場になっていた。一度ガレ登りを試みたが、急すぎるので少し戻って小さなガレを登って踏み跡に出た。約20分ロスタイム。悪ふざけはいけないとちょっと反省。

ヌクビ沢を登る人は最後の××には注意してください。

11時稜線到着。

稜線は素晴らしい草紅葉が広がっていた。

11時14分巻機山(御機屋)到着。

避難小屋で待っていてくれた井戸尾根パーティと合流して、井戸尾根を下山する。

巻機山上部は草紅葉が広がる。

稜線は雲がわいてきた。

井戸尾根の緩斜面帯の紅葉が美しい。

途中天狗岩とヌクビ沢がよく見えるポイントがあった。

あの沢を歩いてきたのだ、と小さな感動を覚えた。

14時駐車場到着。後で民宿・雲天のご主人に聞くと「昔はヌクビ沢を登り井戸尾根を降るのが巻機山登山のメインコース」という話だった。現在ヌクビ沢は上級者向けのコースと表示されていて、安易な入山を警告しているが、残雪が消えたこの時期の遡行はそれほど困難ではない。ただしこのクラスの沢では登攀技術よりルート取りがポイントになるので、沢歩きの経験者と同行することが望ましい。条件に恵まれると巻機山の真髄に触れる素晴らしい登山ができるだろう。

 なお沢の源頭から尾根に登る踏み跡は国土地理院の地形図のルートよりかなり左側を通っていた。

崩壊が激しいところなのでルートが変わっているのかもしれない。

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【書評】インバウンドの衝撃~訪日外国人2千万人の影響を考えてみた

2015年10月09日 | 本と雑誌

今月不動産・ホテル業コンサルタントの牧野智弘さんが「インバウンドの衝撃」という本(祥伝社 税別800円)を出版したので早速読んでみました。この本を読んだのには幾つか理由があります。

一つは著者の牧野さんを多少知っているからです。牧野さんが書いた「空き家問題」という本が中々面白かったので、機会があれば講演をお願いしようと思ってコンタクトを取ったのがきっかけです。

次に私がアドバイザーを行っている会社でホテルを建設したいという話が持ち上がっているので、東京のホテル市場を分析する上で参考になるところがあるだろうと思ったからです。

また個人の資産運用の観点からは、中国経済の成長鈍化が来日中国人の訪日ペースや買い物熱にどう影響を与えるか?ということにも関心がありました。

最後には一旅行者として今後も外国人旅行者が増え続けるとホテルや宿屋の予約にどのような影響を与えるかということにも関心があったからです。

 【訪日外国人年間2千万人は目の前】

牧野さんは本書の中で「政府は訪日外国人客数の目標を2020年東京五輪が開催される年に年間2千万人としていましたが、おそらくかなり早い段階で、2千万人を突破することはほぼ確実な情勢になってきた、と言ってよいでしょう」と書いています。

足元の数字を見ると、今年1月~8月の訪日外国人客数は、12,875,400人です。1カ月当たりでは1,609千人です。これを単純に12倍すると19,313千人になります。今年(1~8月)の外国人客数の伸び率は前年比49.1%です。増加率が多少減少するとしても来年度に訪日外国人客数が2千万人を大きく上回ることは確実だと思います(データは政府観光局統計による)。

国連世界観光機関は2010年~2020年の全世界的な海外旅行社の年間増加率を3.8%と予想して、2015年についても3-4%の増加と予想していますから、訪日外国人客数の伸び率は驚異的な数字です。

牧野さんは訪日外国人客数が急増している理由に「中国・ASEANでの中間所得層の急増」「中国・ASEANからの旅行客へのビザ要件の緩和」「円安による為替効果」をあげています。また政府が観光立国に向けて本気で取り組んでいることも大きいでしょう。

これに加えて私は次の要因があると考えています。

一つは「今まで訪日外国人旅行客が他国に較べて少なかった」ことです。本書によると「日本は外国人訪問数で世界27位、アジアで8位」でタイの半分以下お隣韓国に較べても年間外国人訪問数は2百万人弱少ないのです。

分母が少ないと同じ数だけ増加しても成長率では高くなります。元々日本への外国人旅行者数が潜在的な市場に較べて少なかったのでしょう。

二つ目に私はスマートフォンの普及の効果が大きい、と考えています。スマートフォンは地図になり、観光ガイドブックになります。

ホテルや飛行機・列車の予約に使えます。外国語辞書にもなります。またカーナビにもなります。私は日本で英語のカーナビを使ったことはないのですが、夏にカナダに旅行した時、日本人の現地ガイドの人が日本語のナビを使って車を運転しているのを見て便利なものだなぁ、と感心しました。外国人旅行者は北海道など運転しやすいところではレンタカーの利用が増えているようですが、恐らく英語のナビを活用しているのだろうと思います。

【外国人観光客が少ない地域にはポテンシャルがある】

外国人観光客は急増していますが、地域的にはかなり偏りがあります。

観光庁が発表している都道府県別年間延べ宿泊日数を見ると東京54.3百万、北海道31百万、大阪28.4百万、千葉21.2百万、静岡21百万などが上位にきます。

また延べ宿泊数が少ないのは奈良・佐賀2.8百万、富山3.5百万、福井3.8百万、秋田3.7百万などです。

千葉はディズニーランド、静岡は富士山が観光の目玉になっているのですね。奈良や佐賀を観光する人は大阪・京都などから日帰りをするので宿泊客は少ないのでしょう。

また富山・福井についいては北陸新幹線の開通で今後外国人観光客が増える可能性は高いと思います。

中部地方では長野が18.9百万と愛知の15.4百万を上回っているのが目を引きました。長野はウインタースポーツで長期滞在する外国人観光客が多いからかもしれません。

今まで外国人観光客が少なかったところは、アクセスや受け入れ体制に問題があったのかもしれません。しかし私は日本に繰り返し訪問する外国人観光客が増えてくると、観光方法が多様化してくると思っています。

最初は「物珍しさ」「買い物目的」「観光名所訪問目的」で来日した観光客もやがて「スポーツ体験型」「イベント参加型」「民宿に宿泊する現地体験型」を指向する人が増えてくるでしょう。

その点から外国人観光客後進地域にはのびしろが大きいと思います。

他にも色々書きたいことがあるのですが、登山に出かける時間になりました。

今回は越後湯沢方面にでかけるのですが、リゾートマンションの墓場になっているこの地域にも外国人観光客を呼び込む方法があるのか?などと考えながら旅をしてみたいと思います。

 

 

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一億総活躍よりまずは自立社会へ

2015年10月09日 | うんちく・小ネタ

昨日ブログで改造内閣が新しくスローガンに掲げた「一億総活躍には違和感がある」と書いた。書いた後、違和感をもう少し掘り下げていくと、「活躍」よりもまず自立することが今の日本では必要ではないか?と思い至った。

「活躍」ということばには華々しさがある。だが総てのシニア層に華々しい活躍の場がある訳ではないし、若い世代もで総ての人が活躍できる場がある訳ではない。しかし「自立する」「自立を持続する」ということは、多くの人にとって実現可能性の高い目標だと私は思う。しかし色々な意味で「自立していない」人が多いのも、今の日本の社会ではないか?と感じている。

自立には色々な自立がある。まず健康で自分のことは自分でできることだ。次に経済的に自立していることだ。一定年齢に達すれば親のすねをかじらずに食い扶持を稼ぐということだ。

考え方の自立ということもある。人の意見を受け売りせずに自分で考え、自分の足で立つということだ。

無論一億人が総て自立できる訳ではない。介護や補助が必要な人は沢山いる。高齢化に伴ってそれらの人が増えることは間違いない。だが「自立できる間はできるだけ自立しよう」という意思を持つことで、自立する時間を長くすることは可能だと思う。そのような人が増えることが医療費等の社会保険料を抑制することにつながるのではないか?

補助金に頼らず事業を強化して競争力を高めるというのも自立だ。払うべき税金は払ってtax payerとして物申す時にはものを言うというのも市民としての自立だと思う。

若い人であれば一つの会社・一つの組織に頼り切るのではなく、必要があればそこを飛び出し、新しい世界を切り開く気力と知力を蓄えることも自立の道のはずだ。

なお自立は支え合うことを否定するものではない。むしろ「自立した個人」が必要な時に互いに支え合う社会が望ましいのだ。初めから誰かの支えを当てにする社会はやがて疲弊する。

私はこのような考え方を山登りを通じて学んできた。山登りでは複数のメンバーとパーティを組んで行うことが多い。パーティを組むことで1+1は2以上の力を発揮することができるからだ。しかし「1」(自立した人)以下の人間を集めてもパーティの力は高まらない。まず自分が「1」の力を持つことが大切なのだ。

もっともこのような主張は政治的スローガンにはなり難いことは分る。だが今本当に必要なことは「自立した人を増やす」ことなのだろうと私は考えている。そして多くの人にとって活躍することは困難でも自立を目指すことは可能な目標だと私は考えている。

 

 

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TPPの見通しと農業セクターへの影響

2015年10月09日 | ニュース

今日(10月9日)日経新聞一面は「(TPPで)農水産品の半数(輸入関税)撤廃」と「内閣支持44%小幅回復」だった。

内閣改造・自民党新執行部の顔ぶれについては「評価する26%」が「評価しない31%」を下回っているので、内閣支持率を小幅ながら持ち上げたのは「TPP交渉の大筋合意」と「新三本の矢」だったと思われる。

TPP交渉の大筋合意については「評価する」が49%で「評価しない」26%を大きく上回っている。政府や民間エコノミストの予想ではTPP発効により日本のGDPは0.66%~2%程度拡大されると予想される。また農水産品の輸入価格低下は我々消費者に恩恵が及ぶ。TPPは一部の農業セクターには深刻な影響を及ぼすが、国民全体として大筋合意を評価したのは当然の結果だろう。

一方米国では民主党の次期大統領候補にノミネートしているクリントン氏が「現時点ではTPP反対」という立場を明らかにした。もっとも選挙戦術的な側面が強いという見方もあるが。

TPPに参加が予定されている国々の国民のTPPに対する支持率にはかなり開きがある。

米国の調査機関Pew Research Centerが今年6月に各国の世論を調べたところでは、支持率が一番高かったのはベトナムで89%の国民がTPPを支持した。

日本での支持率は53%(不支持は24%)で、参加国中中位だった。この支持率は現在の世論の動向とほぼ一致している。

米国については49%の国民がTPPを支持し、29%が不支持だった。米国世論のTPP支持率はマレーシアの支持率38%についで低かった。

米国は1994年にカナダ・メキシコと北米自由貿易協定を締結したが、それにより労働集約的な産業の労働力がメキシコに奪われたとして労働組合が自由貿易協定に反発しているから支持率が高まらないと思われる。また6月の調査時点ではTPPの全貌が明らかになっていなかったので回答を留保した人も多かった。

興味深いのはベトナムでTPP支持率が9割近く高かったことだ。TPPは関税引き下げだけではなく、環境保護面でも高いスタンダードを要求するので、ベトナムの農業は相当な変革を求められる可能性があるからだ。

WSJによるとベトナムの小規模農家(耕作地2ヘクタール以下)の総人口に占める割合は11%だ。TPPは国際的な価格競争力と環境保全面の問題からベトナムの農業に大きな影響を与えると考えられるがTPP支持者がそのあたりのことを知っているのかどうか気になるところではある。

耕作地2ヘクタールというと、ほぼ日本の農家の平均的な耕作面積だが、TPPが発効すれば生産性を高めるために「農地バンク」のような仕組みを拡大して、単位農業主体あたりの耕作面積を拡大する動きが高まることは間違いないだろう。

TPP交渉の過程で「日本は米・小麦などの関税を守り通した」(日経新聞~ただしTPPに反対する側からはミニマムアクセス米枠外の輸入枠を新設するなど「聖域」は守られていないという批判はあるが)見返りに、オレンジなど多くの農水産品の関税を数年かけて撤廃することを認めた。

農家にとって大きな問題はTPPだけではない。高齢化と跡継ぎ不足の問題はもっと大きな問題かもしれない。今の農業従事者の平均年齢は67歳だ。幾ら米に778%という高率関税をかけ続けても、数年のうちに日本の米の生産量は大幅に減少する可能性が高い。

「農地を集約化して大規模化する」「米の直播栽培で耕作負担を減らす」など色々なことを検討する必要性が高まってきた。

 

 

 

 

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