10月12日(月・体育の日)Nさんと清水から清水峠を越えて、谷川岳の表玄関・土合まで歩いた。Nさんとは過去2回ネパールをトレッキングで歩いている。今年はネパール大地震のため、トレッキングを見送ったが、二人でこの古い街道を歩くというのも何かの縁だろう。
連泊した民宿・雲天のご主人が「清水越えをするなら車で登り口まで送ってあげる」と前日言ってくれたので、朝ごはんを頂きゆっくり出発することにした。宿の朝食は油の乗った塩鮭・キノコたっぷりの味噌汁・舞茸とナスをさっと炒めたものとボリュームたっぷりで美味しい。80歳を越えたご隠居が「馬道(居坪坂)コースなら清水峠まで2時間、清水峠から土合まで3時間だな」というので、のんびりした気分で出かけた。
当初の計画は清水から歩いて十五里尾根に取り付き清水峠に登るというものだが、車で檜倉沢出会いまで送ってくれるというので歩きやすい馬道コースを取ることにした。
8時車を降りて檜倉沢を横断。標高930m。天気は快晴で爽やかな一日になりそうだ。馬道は傾斜が一定で歩きやすい。
途中昨日登った巻機山方面がよく見えた。右の大きな山は柄沢山(からさわやま・1,900m)で中央の三角形が割引岳だ。巻機山はその間にある。
ブナがきれいだ。
ナナカマドの実もみのる。
稜線にでると清水峠まで平たんな道が続いた。
10時12分清水峠到着。
西側の笹薮の道は七つ小屋山(1,675m)に登っている。越後(新潟県)と上野(こうづけ・群馬県)を結ぶ重要な交易路であった清水越えは明治11年に国道に昇格し道幅が5mに広げられたというが、相次ぐ雪崩でずたずたに寸断され復旧工事が追い付かなかった。その後上越線が開通し、輸送路としての使命を終え荒れるに任されているという。
清水峠で馬蹄形縦走をするという元気な女性2人にあった。朝3時に出発して谷川岳を越えてここまで来たという。これから朝日岳を登り、白毛門まで行くという。
写真はその朝日岳(1,945m)だ。十数年前宝川上流のナルミズ沢から朝日岳に登り白毛門へ縦走したことがあるが、朝日岳・笠ヶ岳の間には小さなピークが連なり、結構疲れたことを思い出した。
一ノ倉岳の上をヘリコプターが飛んでいった。遭難救助ヘリではなく遊覧ヘリのようだ。
10時35分 清水峠出発。道は水平道だが、何カ所か沢を渡るところでは崩壊しているところがあり、歩きやすい道とは言えない。
ガイドブックによると「7月1日の山開き以前は雪渓を渡る箇所が多く危険なので蓬峠から稜線を歩く方が良い」とある。
途中(11時15分)清水峠を振り返り写真を撮った。
谷川岳周辺では中年時代に沢登りを楽しんだが清水峠には来たことがなかった。一度は通りたい峠だったのでちょっと感慨がある。
12時20分白樺避難小屋。蓬峠への道が合流する白樺避難小屋から湯桧曽川に真っ直ぐ降る「新道」は比較的歩きやすい道だ。
12時53分武能沢出会い。
13時32分湯桧曽川の河原で休憩。清水峠を出て3時間経過した。民宿・雲天の爺様の話では3時間で土合に着くというが土合はまだ遠い。爺様は「熊を100匹獲ったマタギ」だったというから我々とは足腰が違うのかもしれない。あるいは往年の清水越えの道は整備されもっと歩きやすかったのだろうか・・・・
芝倉沢・幽ノ沢・一ノ倉沢・マチガ沢の出会いごとにちょっとした登りがあり少しうんざりしたが、14時35分に土合バス停に到着。JR土合駅まで歩いて電車を探したが小1時間の待ち時間があったので、バスで水上駅にでて在来線を乗り継いで帰宅した。
このルートは国土地理院1/2.5万分の1地図を上から下まで歩き通すルートだった。地図の縦の長さは37㎝。4cmが1kmだから、直線距離で9km。道は曲がりくねっているので実際はその倍は歩いただろう(途中でGPSの電池が切れたので正確な距離は不明)。
昔の人は健脚だったなぁ、と改めて感心した。