金融そして時々山

山好き金融マン(OB)のブログ
最近アマゾンKindleから「インフレ時代の人生設計術」という本を出版しました。

アマゾン、貸付プログラムでバンカメと提携

2018年02月15日 | 金融

公式情報ではないが、CNBCは事情通からの情報として「アマゾンが貸付プログラムでバンクオブアメリカ・メリルリンチと提携した」と報じていた。

ネット販売最大手のアマゾンが提供する貸付プログラムというのは、出品者に対する在庫金融で貸付金額は1千ドル~75万ドル。広く宣伝しているプログラムではなく、アマゾンから勧誘を受けた業者だけが受けることができる与信プログラムである。

アマゾンの年次報告書によると、昨年末の残高は692百万ドル(約740億円)。アマゾンの商い高から見ると小さい金額である。

また融資残の伸びもこのところ鈍化しているようだ。

貸付金利は年6%~14%のレンジで、銀行借り入れが困難なスタートアップ企業には助けになるかもしれないが、企業が少し大きくなって銀行から有利な条件で融資を受けることができるようになると使いたくない高金利だといえる。

またアマゾン側も融資で利息収入を伸ばすことよりも、出品者のアマゾンでの売り上げ増を応援することでコミッションを伸ばすことに関心があると言われている。

そんな訳でこの情報だけでは、何か大きなビジネスが起きると判断するのは早計かもしれない。

しかしもう少し時間軸を長く取って考えると「アマゾン銀行」というのは成長性の高い銀行モデルの一分野であるとも思われる。

何故ならアマゾンは自社のプラットフォームに出品する業者の「売上データ」と「入金フロー」を完全に押さえているからだ。

アマゾン銀行は「クラウド型」銀行と呼ばれる銀行の未来像の一つで、この分野は伝統的な銀行よりデータと商流を押えているネット企業が強いと言われている。

今後アマゾン・バンカメの提携がどのような形で具体化していくのかという点は金融業の将来像を考える上で興味深い。

 

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高いインフレ率に売られた株式相場が後で持ち直し

2018年02月15日 | 投資

昨日(2月14日)発表された米国1月の消費者物価指数は、前年比2.1%(事前予想は1.9%)、エネルギー・食料品を除くコアインフレ率は1.8%(事前予想は1.7%)と高かったため、ダウは最初150ポイントほど下落したが、その後上昇に転じ、最後は253ポイント(1.03%)上昇して引けた。

現在株式市場が注目している10年債の利回りは2.93%に上昇した。先々週の株価急落のきっかけは長期債の利回り上昇だったが、昨日は債券利回り上昇にもかかわらず、株価は高値引けした。

アナリストの解釈を読むと、「1月の物価上昇の大きな要因の一つはこれまで下落傾向にあった衣料品価格の急騰が原因で季節的なものだ。従ってこの勢いで物価上昇が続くとみるのは早計で、物価上昇のペースは緩やかではないか」という見解があった。

そうかもしれないし、そうでないかもしれない。むしろ株式相場が「2%程度の物価上昇は正常な現象である」として落ち着きを取り戻しつつあることの方が昨日の堅調な株価の説明になるのではないだろうか?

ダウを押し上げたのは、ゴールドマンザックス株だった。金利上昇は銀行の収益を押し上げるので、金融株は軒並み上昇。ゴールドマンは2.8%上昇、バンカメも2.6%上昇した。

株式相場が底入れしたと判断するのは早計だと思うが、金融株等金利上昇に強い銘柄へのローテーションを続けながら、相場の底が形成されていくと期待したい。

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米国株、物価統計を待ちながら小高く終了

2018年02月14日 | 投資

昨日(2月13日)の米国株式市場は朝方値を下げていたものの、午後に値を戻し、3日連続してプラスとなった。

ただし底入れ感はなく、多くの市場関係者は今日発表される1月の物価統計の見守っている。

ひと月の物価統計がこれほど注目されるのも珍しいことかもしれない。

WSJの事前調査によると、1月の消費者物価指数は前月比0.3%、前年比1.9%。エネルギー・食料を除くコア指数は前月比0.2%、前年比1.7%だ。もし発表される数字がこれより大きい場合は、株は売り込まれると予想する人が多い。

物価上昇の速度が予想より早いと投資家が判断した場合、投資家は株を売却してコモディティや現金に回すからだ。現金にはインフレヘッジ力はないが、一旦株を現金化して株価の更なる下落を待つということだ。

このような資産配分の急速な変化は株価の変動幅(ボラティリティ)を大きくする。

そのボラティリティについて、世界最大級の投資会社の幹部社員から法律事務所を通じて、米国証券取引員会に「ボラティリティ指数が不正操作で歪められ、毎月投資家が数億ドルの損失を被っている」という内部告発があった。

当局が不正操作を証明することは難しいのではないか?というのが、専門家の意見のようだが、もしボラティリティ指数が急騰するようなことがあれば、この話題が脚光を浴びそうだ。

 

 

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蔵王、樹氷と大滑走の3日間

2018年02月13日 | スポーツ

2月の3連休(2月10日ー12日)は蔵王温泉スキー場で過ごした。天気が良かったのは1日目。

事前に予約していたジャンボタクシーで横倉ゲレンデのアストリアホテルを目指す。ジャンボタクシーの料金は9,500円定額。9人乗ったのでバス料金(一人1千円)と変わらない。アストリアホテルに直行することを考えると断然ジャンボを選ぶべきだ。

横倉のレストランで昼食を食べた後、まずは山頂(蔵王山山頂駅)を目指すことにするが、ロープウエイは混んでいるのでリフトを乗り継いで樹氷高原駅に登った。

樹氷高原駅では樹氷見物の観光客の方が沢山ゴンドラ待ちで並んでいる。

地蔵山山頂駅に着くと多くの観光客が地蔵山頂上に向かって登っている。

蔵王山に噴火に危険性ありというニュースが流れる前は天気が良かったら、シールを付けて蔵王山を越えて熊野岳に行こうと考えていたが、この風景を見るとシールを付けて登山という気持ちにはなれない。

ここからは有名な「ざんげ坂」を滑る。

幅が狭くて混んでいるのであまり快適な滑りはできないが、蔵王に来たからには一度は滑っておきたいとところだ。

滑る上で楽しいのは、黒姫スーパージャイアントコースだった。ここは高速クワッドがカバーしていて効率的に大斜面の滑降を楽しむことができた。ただ気温が下がった最終日は上部がアイスバーンになっていてあまり快適ではなかった。

チャレンジングという点では大森の壁が楽しかった。

新雪が50㎝ほど積もった3日目の朝一気に滑り降りると吹っ切れる。

実際3日間スキー三昧で蔵王に火山性微動があるなどという話もすっかり忘れていた。

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調整局面に入った米国株、回復にどれ位かかるのか?

2018年02月09日 | 投資

昨日(2月8日)米国株は大きく下落した。ダウは1,032ポイント4.15%下落、S&P500は100ポイント3.75%下落し、コレクション(調整局面)となった。高値から10%株価が下落するとコレクションと呼ばれる。

ゴールドマンザックスによると、過去の統計からコレクションに入ると元の水準に戻るのに平均4カ月かかるという。

また株価が高値から20%下落すると弱気相場入りと呼ばれ、弱気相場になると脱却するのに、過去の統計からは22カ月かかるという。

調整局面入りした背景やファンダメンタルズを考慮しない「平均」に大きな意味があるかどうかは分からないが、一つの目安にはなるだろう。

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