金融そして時々山

山好き金融マン(OB)のブログ
最近アマゾンKindleから「インフレ時代の人生設計術」という本を出版しました。

米国最大級の地銀で支店次長削減

2019年10月23日 | 金融

WSJによると米国最大級の地銀の持ち株会社US.Bancorpは、全米約2,800拠点で次長(原文はassistant branch manager)とテラー責任者(調整役)(原文はteller coordinator)の削除に取り組んでいる。

同社の報道担当者は、このリストラで影響を受ける従業員の人数を明らかにしていないが、全従業員の2%以下だろうとコメントしている。

同社の総従業員は7万4千人なので2%は約15百人に相当する。支店数2,800から考えると首を切られる次長の数が少ないような気もするが、元々次長職を置いていない支店も多いのだろう。ただしその辺りのことは記事には書いていないので想像するしかない。

同社のCecere社長は従業員向けのメモで「今回のリストラで影響を受ける従業員(Bankerと呼んでいる)は長期間この会社で働き、会社の成功に貢献してきた。(しかし)顧客の行動が変化しているのである。」と述べている。

同社は今春2021年の年末までに支店の10~15%を閉鎖すると発表していて、今年既に140店舗を閉鎖している。

次長職など管理系スタッフの削減を進めるBankcorpだが、一方で顧客とのリレーションシップマネージャーなどより顧客に焦点を当てたポジションの採用を発表している(ポジション数は公表していない)。

日本の銀行であれば、次長職やテラー責任者を解雇せずにリレーションシップマネージャーへの配置転換を進めるのだが、職務的採用を行っている米国の銀行はあっさりしたものである。故にリストラの速度は速い。

もっとも実態面では、解雇対象の次長職などが新規採用のリレーションシップマネージャー職に応募することは可能だろうが、その辺りの具体的な話は記事にはでていない。

「顧客行動」という最大の環境要因に対応できるかどうかに銀行が生き残れるかどうかはかかっている。これは銀行に限った話ではないが。

 

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世界の銀行の半分は脆弱すぎて不況を乗り越えられない~マッキンゼー報告~

2019年10月22日 | ライフプランニングファイル

ブルンバーグは、著名なコンサル会社マッキンゼーが、世界の銀行の過半は脆弱すぎて次の不況を乗り越えられないだろうと昨日発表した産業レポートで述べていると報じた。

マッキンゼーは、現在世界は景気サイクルの最終局面にあり、企業基盤の弱い銀行は不況の影響をもろに受けると見ている。

リーマンショック以降銀行業界には、フィンテック系の新規参入者やアマゾンなど巨大IT企業の参入が目立っている。

これらの新規参入者は預貸業務のような伝統的な業務を目指すよりは、クレジットカードビジネスのように収益性の高い業務を伸ばすことに注力している。

また現在の金融業は情報産業化し、システム投資の多寡が将来の勢力地図を大きく変える可能性がある。

しかしフィンテック系の新規参入者がイノベーションのためにシステム予算の70%を投下しているのに比べ、既存の銀行はその

半分の35%しか投入できないとマッキンゼーはいう。

従来の銀行業には儲からなくてもやらざるを得ないことが多過ぎるのだ。

この逆境を乗り越えるにどうすれば良いか?

マッキンゼーは2つの方法を示唆する。一つはノンコア業務のアウトソーシングによるコスト削減であり、もう一つは合併により企業規模を拡大することである。

銀行を取り巻く環境は厳しい。一つは日本や欧州の場合、マイナス金利が常態化し、銀行は金利差で基礎的な収益を上げることができなくなったことだ。また日本の場合は消費税引き上げを起因にキャッシュレス決済が加速しつつあるが、そのメリットは銀行よりもクレジットカード会社や物販会社・JR等に行きそうである。

銀行はキャッシュレス化のメリットをあまり受けることはできないとしても、キャッシュレス社会に向けて各種のシステム投資は求められる。銀行業自体が決済インフラのコストセンターになりつつあるというところだろうか?

日本の銀行は投資信託などのリスク商品の販売による手数料収入で一息ついてきたが、この分野でも逆風が目立ち始めている。

世界的に運用報酬や有価証券売買の委託手数料を引き下げる動きは強まっている中で、日本にもじわじわと影響が及んでくるだろう。

とネガティブなことを書き綴ったが、私なりに一つの処方箋も提案したいと思う。

それは何か?というとコンサル力で勝負することである。キャッシュレスなど決済の世界は、規模とテクノロジーの世界だ。覇権を取るのは企業規模とユーザ数の多い会社であり、IT資源(人材・資金など)が潤沢な会社だ。

多くの銀行にとってこの分野で覇権を取るのは難しい。銀行が活路を見出す余地があるとすれば、コンサル特に超富裕層未満の個人客に対するコンサル業務である。超富裕層は外資系証券会社等に取り込まれており、邦銀の金融知識レベルで太刀打ちするのは難しい。よってそれ以下の富裕層がターゲットになるが、これとて生易しい話ではない。

どれだけ現状に危機感を持っているか?が問われる時代が続くだろう。

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日本の年金システムは37ヶ国中31番目~マーサ・グローバル年金指数から

2019年10月22日 | 投資

最近発表されたメルボルン・マーサ・グローバル年金指数によると日本の年金システムは調査対象37ケ国中31位だった。

同指数は年金システムをA(最上位)からE(最下位)にランキングしている。Aクラスにはオランダとデンマークが入り、日本、韓国、中国等アジア諸国はDクラスに分類されている。なおEクラスの国はないので、実質的には日本の年金システムは最下位クラスに分類されている。

なおここでいう年金システムは、公的年金(国民年金・厚生年金)に企業年金等の補助的年金システムを加えたもので、給付水準などの妥当性Adequacy、持続可能性Sustainability、誠実性Integrityの3点から評価を行っている。

妥当性、持続可能性、誠実性の配点割合は40%、35%、25%である。

因みに日本の場合は妥当性が54.6点、持続可能性が32.2点、誠実性が60.8点で合計48.3点となっている。

年金システムは、マーサも指摘しているように国毎に相当異なる。それは雇用に関わる法制度や慣行の違いによるところが大きい。その中でマーサは世界の年金システムを横断的に見てある興味深い指摘を行っている。

それは「年金資産の積立額が大きいほど家計が借金する割合が高い」というものだ。年金資産の積立額と家計の負債比率はそれぞれGDPに対する割合で示され、二つの数字の間には74.4%という強い相関関係がある。

この関係についてこのレポートは、In short, if your wealth increases, you are more willing to spend and/or enter into debt.「簡単にいうとあなたの富が増加すると,あなたはより消費を増やし、そして借金を増やそうとする」と述べている。

つまり年金システムが老後の不安を払底するレベルまで充実していると消費者は安心して消費を増やし、必要に応じて借金をするということだ。

年金制度や雇用制度を見直し、安心できる老後を迎えることができる人を増やすことが消費水準を高め、それが経済を活性化していく訳だ。時間はかかるがこの問題に真正面から取り組まない限り、日本の年金制度はじり貧を続けるだろう。

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消費税アップでスタバの店内飲食が減った?

2019年10月21日 | うんちく・小ネタ
昨日常磐道守谷SAでスターバックスに立ち寄った時、気がついたこと。
店内で飲食する人が減っているのではないか?ということ。
滅多にこのスターバックスには来ないので消費税引き上げ前がどうだったか分からないので、断言はできないが、レジに長蛇の列ができているのに、店内の座席はガラガラだった。テイクアウトする人が増えていると感じた。
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コキアとパワースポットを巡る「ひたちなかと大洗」

2019年10月20日 | まち歩き

今日(10月20日)は久しぶりに天気の良い日曜日なのでワイフとひたちなか海浜公園にコキアを見に行くことにした。

約2時間のドライブで「ひたちなか海浜公園IC」に到着。出口には車の長蛇の列ができていた。迷わず次のIC(常陸那珂港IC)へ。こちらはガラガラだ。ここから車を海側の「海浜口」駐車場へ向けるとすんなりと駐車することができた。海浜公園ICが混んでいる場合はこの手に限る。

予想していたことだが、大勢の人がコキア見物に来ていた。

でも人物も風景の一部と考えると悪いものではない。

コキアは露出補正で写真を明るくするとピンクが強くなるようだ。

3枚の写真をオリンパスのフォトストーリーで1枚にまとめてみた。

コキアの後はランチ。車で阿字ヶ浦に向かい(10分弱)、黒勢鮨という民宿兼お鮨屋さんに立ち寄った。990円で頂いた握りの中トロが美味しかった。

次に15分ほど車を走らせ、大洗磯前神社を参詣。

車で神殿の横まで上がってしまったので、荒磯に立つ「神磯の鳥居」は石段を下りて参詣することになってしまった。

この神磯の鳥居はパワースポットとして有名らしい。

この日は波が穏やかだったが、荒れた日はすごい迫力だろう。

ひたちなか・大洗へ半日300㎞のドライブ旅行だった。

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