金融そして時々山

山好き金融マン(OB)のブログ
最近アマゾンKindleから「インフレ時代の人生設計術」という本を出版しました。

特別展「日本美術ひも解くー皇室、美の玉手箱」を堪能する

2022年08月07日 | アート・文化
今日(8月7日日曜日)上野の東京芸術大学美術館に掲題美術展を見に行きました。
今日は開催2日目で人出が予想されたのですが比較的暑くない日なので出かけることにしました。
 以上は私の予想より空いておりゆっくり見学することができました。

一番迫力があったのは狩野永徳と狩野常信による唐獅子屏風図で、分けても永徳が描いた右隻です。さすが国宝です。
また実物を見て大きさに感心したのが高橋由一の「鮭」でした。

この会は美術の教科書で見た記憶があるのですがもっと小さいと思っていました。ところが実物は本物の鮭よりもかなり大きいのです。
やはり本やネットではなく、実物を見ることは大事ですね。

 



コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

予想を上回る強い雇用統計に株式相場はやや弱含む

2022年08月06日 | 投資
 昨日(8月5日)発表された米国7月の雇用統計は事前予想を上回る強いものだった。非農業部門雇用者増はダウ・ジョーンズの事前予想258千人の倍以上の528千人で、失業率は3.5%(事前予想は3.6%)だった。米国はコロナウイルスで一時22百万人の雇用を失ったが2年半かけてそれを取り戻したとWSJは大きく報じていた。また求人数は鈍化しているものの、求職者数を上回っている。このため引き続き、時間給押し上げ圧力は強く、先月の時間給は前年同月比5.2%上昇した。
 雇用が堅調なことは、リセッションリスクを低下させるので、一般的には株価にプラス材料だろうが、連銀が政策金利の引き上げピッチを加速するのではないか?という懸念が高まり、S&P500は0.16%、ナスダックは0.5%下落した。ただしダウはプラス0.23%で引けた。3市場とも雇用統計発表後は大きく下落したが午後になってかなり取り戻した。
 投資家は週末に強い雇用統計の中身を分析して来週の物価統計を待つ。
 コロナは世界中の国の経済や社会に多大な影響を与え、脆弱なところを炙り出した。ゼロコロナ政策を続ける中国では若者の5人に1人は失業しているという。世界の大勢はウイズコロナだから中国もゼロコロナ政策を転換させてもよいのではないか?という意見もあるようだが、ゼロコロナ政策を止めた途端に感染爆発が起きるという予測もある。中国製ワクチンの有効性が低いことや高齢者のワクチン接種率が低いことが原因だと言われている。
 世界の国々はそれぞれの問題や悩みを抱えながら、コロナ問題に対処してきた。うまく対処できたかどうかは相対的な話だが、大国の中では今のところ米国が一番うまくいっているのではないだろうか?少なくとも経済と雇用の面では。難しいことは学者先生の解釈に任せるとして投資家としては引き続き米国株に軸足を置く以外に選択肢はないだろう。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

歴史小説のウソをあげつらう訳ではありませんが・・・

2022年08月04日 | 本と雑誌
 猛暑やコロナ感染拡大の中で、不要不急の外出を控えて、という警告が目立ちますよね。もっとも外出を控えてボーっとしているとそれはそれで精神衛生上好ましくありません。中国の古典(礼記)に「小人閑居して不善をなす」という言葉があるとおり、小人(つまらない人間)は暇を持て余しているとろくなことはしません。
 暇をつぶす手頃な方法は読書でご同輩の中にはや時代小説や歴史小説をこの時期耽読している人も多いと思います。一般に「歴史小説は歴史的事実を元に人物を描き、時代小説は架空の人物を描く」と説明されますが、その線引きはあいまいです。時代小説の代表的作家として藤沢周平をあげ、歴史小説の代表的作家として司馬遼太郎をあげる人がいますが注意が必要です。市井に住む人々の人情物語などを描いた藤沢周平にも新井白石の生涯を描いた「市塵」という歴史小説があります。また司馬遼太郎の小説のあちらこちらに「見てきたようなウソ」があるのもご存じの方は多いと思います。例えば斎藤道三の生涯を描いた「国盗り物語」の中に織田信長に嫁がせる愛娘・濃姫に短刀を渡し、信長がうつけなら刺し殺してこいという場面がありますがこれはまったくの作り事。娯楽のために読む歴史小説ですから、ウソをあげつらう必要はありませんが、ウソが多くの国民に中で歴史になってしまうのは怖いことだと思います。
 私は30年位前は司馬遼太郎のファンで歴史を面白くするウソを楽しんできたのですが、だんだん飽きてきて十数年前からは時代小説であれば中村明彦氏の小説を楽しむようになってきました。中村明彦氏は会津藩の藩祖・保科正之を描いた「名君の碑」など多くの小説があります。もちろん氏の小説にもフィクションはありますが、氏の史論やエッセーを合わせて読んでいくと歴史的事実に向き合おうとする氏の姿勢がわかり、ああ、この作家の話は歴史的事実で裏打ちされているな、と感じます。
 ただここでやっかいなのは「歴史的事実」です。「歴史的事実」は新しい資料の発見などにより書き換えられる宿命を持っています。時間と文献解読力があれば、自分で一次資料に当たるとよいのでしょうが、それは手に余る作業です。そこで私は時々信頼できそうな歴史学者が書いた人物評伝などを読むことにしています。ミネルヴァ書房が出している「ミネルヴァ日本評伝選」などです。娯楽性は低い本ですが、辛抱して読んでいくとだんだん面白くなってきます。
 不要不急の外出自粛要請はまだまだ続きそうですから、少し辛抱のいる読書をするチャンスかもしれませんね。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

米ISM非製造業景気指数を好感して、米国株大幅反発

2022年08月04日 | 投資
 昨日(8月3日)の米国株は、月初2日の下落後大幅に反発した。S&P500は1.6%、ダウは1.3%、ナスダックは2.6%上昇した。
 株価上昇要因の一つは、ISM非製造業景気指数が56.7と4カ月ぶりに上昇に転じ、事前予想も上回ったことだ。またWSJは特に具体的企業名をあげずに、幾つかの企業決算が予想より良かったことも株価を押し上げたと述べていた。ナスダックの上昇率が大きかったが、ペイパルの株価が9.3%上昇したことやアマゾン株が4%上昇したことも押し上げ要因だった。ペイパルについてはヘッジファンドのエリオットマネジメントが20億ドル相当の同社株式を保有していることを発表した後、株価が急上昇した。
 アマゾンについては昨日の株価上昇に関係あるのかどうかは分からないが、WSJにBig Tech is the West's surprise weapon in competition with Russia, China(IT大手はロシア、中国との競争の中で驚くべき武器)という記事がでていた。記事のポイントは、ロシアがウクライナに侵攻した今年2月に、ウクライナ政府は政府のデータをアマゾン・マイクロソフト・オラクル・アルファベット(グーグル)の国外のデータセンターに保存することを可能にする法律を可決しており、ロシア軍がキーフのデータセンターを破壊してもバックアップは既にヨーロッパ諸国に保存されていたので実害はなかったということだ。
 市場占有力の高さで時として独禁法の観点から政府機関のターゲットにされるIT大手だが、専制国家の武力行使に対して防御力を発揮した訳だ。
 ウクライナの情報防衛という点では大きな貢献をしたIT大手だが、今年の株式相場下落に対する抵抗力という点では個別企業ごとに差が出ている。
 今のところ一番好調なのはアップルで、年初来8.7%の下落にとどまっている。S&P500は13.3%下落しているが。
 マーケットには「S&P500の売り・アップルの買い」というストラテジーで臨んでいる投資家もいるという話なのでアップルの株価が対インデックスで好調をキープしているのかもしれない。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「ペロシ下院議長の台北訪問で円高」という説明はおかしいが・・・

2022年08月03日 | 投資
 外為市場で急速な円高が進み、一時130円台で取引された。もっともその後円安に振れ現在は132円台後半で取引されている。
 テレビのニュース解説を見ていると「円高が勢いづいたきっかけの一つはペロシ米下院議長が台北訪問すると伝わったことだ。米中の対立が激しくなることから投機筋がドルの買い持ちを減らし円を買ったからだ」という説明があった。
 論理的に考えるとこの説明はおかしい。台湾に有事が発生すれば、日本は深刻な脅威に晒され円の価値は暴落するはずだ。
 「有事の円買い」ははるか昔のマントラに過ぎない。
 ロシアや中国が引き起こす有事については有事のドル買いしかありえない。
 ただし市場参加者は想定外の事態に接するとリスク回避のため、傾けていたポジションを減らす行動を取る。その点からヘッジファンドは大きな円ショートポジションを一部圧縮したと考えられる。
 ただしこれは一時的な現象で米国の利上げペース鈍化による水準訂正はあるものの基本的な円安傾向は当面続くと考えるのが論理的だろう。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする