惑星ダルの日常(goo版)

(森下一仁の近況です。タイトルをはじめ、ほとんどの写真は交差法で立体視できます)

SF大賞贈賞式

2015-04-25 21:08:10 | SF

 昨夜は午後6時より飯田橋のホテルメトロポリタンエドモンドにて第35回日本SF大賞贈賞式(主催:日本SF作家クラブ、協賛:株式会社ドワンゴ)。

 

 今回、受賞されたのは次の方々――

  • 大賞:藤井太洋『オービタル・クラウド』(早川書房)
  •   〃 :長谷敏司『My Humanity』(  〃  )
  • 功績賞:平井和正氏

 

 

 写真は左から、藤井さん、長谷さん、平井さんの長女・摩利さん。

 

 選考委員を代表して選考経過を報告した篠田節子さんは、「選考を担当して2年目ですが、候補作のあまりのレベルの高さに目を見張ります」と、日本SFの充実ぶりを讃え、もっと多くの文壇関係者、編集者、読者の方々に、ぜひともSFを読んでもらいたいと訴えていました。

 

 賞の贈呈、受賞の言葉に続いて、乾杯の音頭の発声は南山宏さん(編集者としての名は「森優」さん)。

 

 

 「功績賞の平井さんには思い出があります」と切り出し、平井和正さんとの思い出をたっぷり語ったのが、嬉しく、また印象的でした。
 そもそもの馴れ初めは、南山さんが早川書房に入る前、〈SFマガジン〉も創刊されていない1957年のことで、同人誌〈宇宙塵〉で一緒になった時だったとか。その後、南山さんが立ち上げたハヤカワSF文庫から平井さんの「ウルフガイ」シリーズを出し、同文庫でもっとも売れた本のひとつになったこと。気難しかった平井さんが亡くなるまで唯一人、面会を許したSF・出版関係者が南山さんだったことなどを話されました。一人でも、ずっと平井さんが心を許せる友がいて、よかった。

 

 今日の談志師匠のCDタイムは「桑名船」。
 上方落語の「兵庫渡海鱶魅入(ひょうごとかいふかのみいれ)」を、桑名の渡しに変えたものだそうで、フカに魅入られて動きがとれなくなった渡し船の中で、元凶の講釈師がこの世の名残に得意の講釈のダイジェスト版を演じる。
 この日の家元は機嫌が良さそうで、マクラになぜか「寝床」の、出席を断る面々の言い訳をあれこれ紹介し始め、「これからどうやって、今日の演題につなげるか困っちゃってる」などと言ってます。
 講釈のくだりはピカイチ。ギャグもふんだんで、笑いながら唸りました。


巣立ち間近

2015-04-23 21:21:58 | 野鳥

 萩原流行さんが亡くなったバイク事故。現場となった高円寺南の青梅街道は五日市街道の始点あたりで、私も時々、走ります。広くて走り良いところだし、午後6時とまだ明るく、しかも萩原さんは片側3車線の中央車線を走っていたということで、そんなに過酷な状況下ではなかったはず。
 どうやら車線変更した警察の護送車とぶつかったようですが、普通の自動車運転手はバイクが眼中にないことがあるので、この場合もそうだったかも。私も西新宿の広い甲州街道をバイクでゆっくり走っていて、急に車線変更した乗用車にはね飛ばされたことがあります。横を通過する私のバイクにまったく気づいてなかったらしい。
 こういう時、バイクは前方だけでなく、横の車線も気にしながら走る必要がありそうです。今後とも注意しなくては。

 

 庭木にかけた巣箱でシジュウカラが子育てをしています。
 お昼、巣箱の前の枝にシジュウカラがとまっているのに気付きました。

 

 

 いつも餌を運んでいる親鳥とは様子が違います。羽毛は伸びきっていないみたいで、胸の「ネクタイ」も貧弱。嘴もまだ弱々しく見えます。
 3日前にも同じようなことがありましたが、たぶん、中のヒナが外に出てみたところなのでしょう。何分かあたりを見まわした後、また巣箱にもどりました。巣立ちもそう遠くなさそう。

 

 今夜の談志師匠CDタイムは「文七元結」。本とCDが届いた6日に聴いたのと同じ演目ですが、演出がかなり違う。

 マクラに、この噺は明治時代、三遊亭円朝が「江戸っ子とは?」と訊ねられた時、いちばんに挙げた演目だと振って、左官の長兵衛さんの夫婦喧嘩シーンへ入ります。長兵衛さんの造形は基本的には同じなんですが、文七とのやりとりのセリフなんかが、前とは少し違っているみたい。
 何度も何度も練り上げていったんでしょうか。それとも、頭の中には各人のキャラだけがあって、それが話の進行に合わせて、その都度、色々なことをしゃべるようなシステムなのでしょうか。

 いずれにせよ、前回以上の大熱演で、同じ噺なのについ聴き入ってしまいました。
 昔、落語は安上がりな芝居として重宝されたといいますが、こういうのを聴いているとまさに舞台のやりとりを見ているようで、優れた芸の力をまざまざと感じます。


スイカ苗

2015-04-22 20:52:58 | 園芸

 夕方、自転車でホームセンターへ行くと、小玉スイカの接木苗を売っていました。


 まだスイカ作りの準備は出来ていないのですが、うかうかしていると買い損ねてしまいそう。苗も小さいので、しばらくポットで育てればいいやと思い、2株購入しました。「ひとりじめ」という品種で、1株、税込248円也。

 

 ブログを振り返ってみると、去年はちょうど今日、スイカ苗を植え付けていました。今年は天候不順と、仕事が忙しいせいもあって、作業が遅れています。明日の締切をクリアしてから、頑張らねば。

 

 今日の談志師匠のCDタイムは「雑俳」。
 もの知りのご隠居と、野暮でわけがわからない八五郎のやりとりを楽しむ、どちらかというと単純な形式の噺。
 家元はマクラ抜きで、「八っつぁん、熊さんとご隠居が出て来ると落語になるようで」と、いきなり本題に入ります。脱線もせず、俳句に関するやりとりを続け、後半、「瓜売りが瓜売りにきて瓜売りのこし……」から始まる、繰り返しが重なる言葉遊びに入ってゆくのが、この演目としては珍しいようです。
 淀みなく、お手本のような話しっぷりに終始して、オシマイ。この日の師匠は機嫌が悪かったのかしらんと思ってしまいました。


芽だし

2015-04-21 21:21:26 | 園芸

 種蒔き前に、種を水に浸して芽を出し始めさせることを「芽だし」というようです。
 本当は、出るのは、芽ではなくて、根という感じ。というか、ニョキっと出た白いものが下に伸びて根になり、その後、途中から芽がもちあがるのかな。

 

 それはともかく、この芽だし、普通は濡れた布を2つ折りにしたりして使うようですが、私は写真のように薄い皿にスポンジ2枚を入れて湿し、間に種をはさむようにしています。

 

 

 これはホウレン草の芽だしをしているところ。
 ただね、せっかく芽だしをしたホウレン草の種を、蒔いても、蒔いても、ダンゴムシが齧ってダメにしてしまうんです。
 頭に来て、今日はこんなものを買ってきました。コンテナごとに少しずつ使って、ダンゴムシを必要最小限、駆逐するつもり。

 

 そろそろゴーヤの苗を作りたいのですが、ゴーヤも芽だしをした方がいいみたい。
 上記のスポンジ芽だしセットを使うつもりです。

 

 今日の談志師匠のCDタイムは「洒落小町」。
 外で遊んでばっかりの亭主を、おしゃべりなおかみさんがダジャレや短歌で家に引き止めようとするという話ですが、ダジャレの元になっている成句が難しくて、半分くらいしかわかりません。時代の違いを痛感します。
 「足駄(あしだ)通れば二階から招く」って「吉田通れば――」の洒落らしいんですけど、どちらもどういう意味だか……?
 でも、立板に水のおかみさんの口舌を聴くだけでも唸ってしまう部分はあります。
 家元は凄い早口が可能なんですね。それが出来なくなっていた晩年の高座は痛々しかった。


繁殖干渉

2015-04-20 21:33:38 | 自然

 昼過ぎから、雨に加えて強い南風が吹き荒れ、とても散歩ができる状況ではありませんでした。今日は生きがいを奪われ、残念無念。

 

 それでも、午前中は降ったりやんだりのお天気。やみ間に近くへ出た際、空き地にセイヨウタンポポの群落があるのを見つけました。

 

 

 セイヨウタンポポが日本のタンポポ在来種を駆逐してしまうメカニズムについて画期的な発見があったのは一昨年のこと。
 名古屋大学の西田佐知子(どこかで聞いたような?)准教授のグループが、駆逐される内地のタンポポはセイヨウタンポポの花粉を受け入れ、受粉しても種子ができなくなって子孫をどんどん減らすといいう研究結果を発表したのでした。
 この現象を「繁殖干渉」というのだそうです。

 

 西田准教授が研究に使用したのはカンサイタンポポ(セイヨウタンポポに駆逐されている)とトウカイタンポポ(駆逐されていない)でしたが、カントウタンポポもカンサイタンポポと同様の弱みをもっているのでしょうね。
 セイヨウタンポポや雑種のタンポポは他の花の花粉を受け入れなくても種子をつくる(自家受粉によるクローン)といいますから、手に負えません。凄まじい生存戦略だ。

 

 今夜の談志師匠のCDタイムは「五貫裁き」。講談の大岡政談から、家元が落語に仕立てたものだそうで、別途、円生師匠は「一文惜しみ」という題目にして演じていたとか。
 この話には「文」とか「両」とか「貫」とか、江戸時代のお金の単位が出てきます。よく知らなくてもだいたい内容は分かりますが、知識があった方が面白い。

 

 1文=寛永通宝1枚――今のお金にして、この話の時代となる江戸中期で6~8円ぐらいでしょうか。
 1両=4000文(3万円ぐらい?)
 1貫=1000文(7000円ぐらい?)

 

 吝嗇な質屋に怪我させられたと大岡越前守に訴え出た八五郎が、逆に、1文の銭をないがしろにしたということで、その罰に、毎日1文ずつ、5貫の金を、質屋を通して奉行所に届けるように申し付けられる。それを聞いた大家が、これはかえって質屋を懲らしめる材料になると、八五郎を焚きつけて朝晩おかまいなしに「お奉行さまへのお金」と、質屋へもってゆかせる。質屋は、夜、眠れなくなって……という筋書きですが、人情家だが悪賢い大家と、お調子者で乱暴な八五郎、吝嗇だが権威に弱い質屋の描きわけが見事なうえに、テンポが良いものだから、ついつい笑ってしまいます。吝嗇な質屋を懲らしめるというストーリーを追うだけの噺になったら、たいして面白くないと思われますが、絶妙のくすぐりを交え、文句なく楽しめるものになっています。