金融そして時々山

山好き金融マン(OB)のブログ
最近アマゾンKindleから「インフレ時代の人生設計術」という本を出版しました。

私も知らない内にクラウド化にはまっている・・・

2010年06月16日 | デジタル・インターネット

クラウドコンピューティングというのはIT業界の人には大きなテーマだ。別のブログでエントリーしたが米国の調査機関の調べでは業界関係者などの7割は向こう10年間の間にクラウドが汎用PCを圧倒すると見ている。

ところでITに詳しいユーザは別として我々のような普通のユーザは余り意識することなく、クラウドコンピューティングの世界に取り込まれているのではないだろうか?

このことを自分の例で考えてみた。

最近私がちょっと凝っているのが、グーグルの地図機能を活用してアウトドア活動の記録をビジュアル化するというものだ。例えばグーグルの地図の上に移動した軌跡を記録するなどというもの。これはグーグルのサーバの上に存在する巨大な地図と何階層かのデータを利用する・・・というものだ(恐らく)。

次にもう一歩踏み込んでグーグルの地図上に自分で撮影した写真を埋め込むということもやりたいと考えている。

より大きな地図で 昭和記念公園 を表示

その一例が上の地図に写真を埋め込んだもの(池の近くの青いマークをクリックすると池の写真が出てくる)

これは昭和記念公園の地図と写真だ。写真についてはグーグルが無料で提供しているPicasaという画像アプリケーションを使っている(詳しい仕掛けは分からないが、1ギガまでの画像データを無料で預かってくれる)。

次にグーグルのマイマップを使ってPicasa上の写真を地図とリンクさせている。更にご関心のある方はこちらをご参照 → http://maps.google.com/support/bin/static.py?page=guide.cs&guide=21670&topic=21676&answer=144364#photos

この作業をグーグルのサービスなしにやろうと思うと恐らく大変な作業になるだろう。だがグーグルが情報基盤を提供してくれているので、何の専門的知識(例えばHTMLを記述するとか)がなくてもこの程度のことができる訳だ。

地図と写真の組合せを上手く使うと「使い易い旅行ガイドや登山ガイド」を簡単に作り無料で提供することもたやすくできる。もしHTMLの知識があれば更に見栄えの良いものができるだろう。

クラウドコンピューティングを意識している訳ではないが、これなどまさにクラウドなのだと私は思っている。

ネットワーク上で写真や地図を共有する人が拡大する時、気がつけば我々はクラウドの真ん中にいるのだろう。

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【数字は語る】クラウド優勢派71%、PC持続派27%

2010年06月16日 | デジタル・インターネット

米国の大手調査会社Pew Research社が6月11日にリリースしたニュースによると、IT専門家等のクラウドコンピューティングに対する予想は次のように分かれた。

約71%の人は「2020年までに大部分の人は汎用PC上のソフトウエアを使わなくなり、その代わりインターネットベースのグーグル・ドキュメントのようなソフトウエアやスマートフォンの上で動くソフトウエアを使うようになる。意欲的なアプリケーション開発業者はインターネットベースのソフトウエアやスマートフォン向けのソフトウエア開発を指向する」という考えに賛意を示した。

約21%の人は「2020年になっても大部分の人はまだ汎用PCの上で作業を行っている。インターネットベースのアプリケーションやスマートフォン上のアプリケーションは一定範囲の機能性を持つが、大部分の革新的で重要なアプリケーションはPC上で作動するだろう」という考え方に賛意を示した。

何人かの業界通は個人ユーザはブラウザの利用やソシアルネットワークアプリケーションを使うことで既にクラウドコンピュータへの切替が既に進んでいると述べている。

☆   ☆   ☆

私の観測を述べると恐らく個人ベースではユーザが意識するかどうかは別としてクラウド化は相当進むと考えている。一方企業のクラウド化は少し遅れるだろう。特に日本企業のクラウド化は遅れるのではないだろうか?

ところでクラウド化で問題になるのが、セキュリティとかデータの安全性の問題だ。だが一般個人にとって自宅にPCのハードディスクにデータを蓄積しておくことと、グーグルのような巨大企業のサーバの中にデータを預けておくことではどちらが安全性が高いかというのは興味深い問題だ。

最近会社の同僚の自宅のパソコンが突然クラッシュしてハードディスク内の情報が取り出せなくなった。今ベンダーに修理を依頼しているそうだが、ハードディスクが復元できるかどうかは不明だ。

データの保護を図る点で外付ハードディスクでのバックアップに加えて、クラウドコンピューティングを使う手はあると私は考えている。

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私のエッセー作成術

2010年06月16日 | うんちく・小ネタ

エッセーEssayというと高級な感じがするが、日本語では小文・作文である。ちょっと気取ってみたが、毎月小さな雑誌に書いている小文のことである。決まったテーマはないが毎月何かを書くということはネタ探しに工夫がいる。その工夫を「術」と気取ってみた。

ネタの出発点は個人的な体験や内外の新聞雑誌で読んだニュースやエッセーである。来月号には「年齢とともに変わる日米の幸福感の差はどこからくるのか?」(仮題)というエッセーを書くことにしたが、その手順をちょっと紹介したい。定期的にエッセーを書こうとしておられる方の参考になれば幸いだし、もっと良い知恵があれば教えて頂きたいとも思っている。

ニューヨーク・タイムズのHappiness may come with ageという記事が出発点になった。記事の内容は「米国人は年齢とともに幸福感が増していく」という実証的な研究を紹介したものだ。これを読んだ時「じゃ日本はどうなの?」という疑問が起きたので、インターネットで調べてみると内閣府が今年の4月に「日本人の幸福度合い」を調査した資料があった。これによると「日本人の幸福感は年齢とともに減少する」という米国と反対の調査結果がでていた。ただし双方の研究とも「なぜ年齢とともに幸福度は増える(減る)のか?」という原因まで言及していない。

この時点ではこれ以上調べることはやめて調べたことをブログにエントリーしておいた。僕のブログは皆様に読んで頂くことを目的にしている他、自分の「エッセー作成用資料ファイル」でもある。

2週間ほど後、何気なく図書館で借りて読んでいた玄侑宗久氏の「まわりみち極楽論」の中で、次のような文章に出会った。「英語の『ハッピー』というのは幸福じゃなくて楽のイメージですよね」

玄侑氏は「楽というのは苦のない状態なのであって、幸福ではないということです」と説明する。楽しくてリラックスした状態が楽でこれがハッピーのイメージだというのだ。

このくだりを読んだ時「あなたは幸福ですか?」という日本語の質問とAre you happy?という英語の質問は同じ内容に見えて、回答者が受け取るイメージは少し違うのではないか?その違いが調査結果に出ているのではないか?という疑問が浮かんだ。

そこでHappinessという平明そうな言葉の意味をもう一度調べてみることにした。英和辞書によるとHappinessには①幸せという意味と②適切さという意味がある。②の適切さは「楽」のイメージに近そうだ。

次に英語のWikipediaでHappinessという言葉を調べていくと、多くの西欧の哲学者や宗教家はHappinessとはgood lifeを送ることだと定義していることが分かった。Good lifeとはアリストテレスが言った言葉でその説明は私の能力を超えている。ただし環境保護運動の先駆者といわれる19世紀の米国の詩人・思想家ヘンリー・ディビッド・ソローが森の中で送った生活を想像するとグッド・ライフのイメージは湧くだろう。

ここにきてエッセーのテーマは固まった。つまり「年齢による日米の幸福感の違いは幸福とは何か?という定義に起因するところが大きいのではないだろうか?」という仮説である。

もしハッピーが「楽」のイメージで、自足して静かに生きることを意味するならば、米国のHappinessの方が欲望度合いが低いということになり、その分だけハッピーな人が多いという訳だ。一方日本人の幸福は「より健康」とか「より収入が多い」とか自分の外側に満足を求めるので際限がなくなり、いつまでも幸福欠乏感がついて回るというものだ。

☆   ☆   ☆

モノゴトを偶然うまく発見する能力をSerendipityという。適切な訳語がないのでセレンディピティと書くしかない。今回玄侑氏の文章に出会ったのはこのセレンディピティのお陰だった。インターネットが発達しても、この領域だけは人間に残されている。

小説家とか著名なエッセイストと呼ばれる人たちはこのセレンディピティを沢山持っている人なのだろう。そのような能力を持った人が沢山もとネタを集めていくとセレンディピティの作用で新しいストーリーや斬新なものの見方が生まれてくる。

私はセレンディピティに恵まれているとは思わないが、インターネットによる速読・乱読と紙の本をしっかり読むことの組合せで読んでもらえるとうなエッセーを書こうと考えているのである。

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