金融そして時々山

山好き金融マン(OB)のブログ
最近アマゾンKindleから「インフレ時代の人生設計術」という本を出版しました。

【数字は語る】61%の人が名古屋場所開催に反対

2010年06月29日 | うんちく・小ネタ

野球賭博問題で大揺れに揺れる相撲協会。毎日新聞の世論調査によると61%の人が名古屋場所開催に反対ということだ。他のメディアの世論調査でも6割の人が開催に反対している。

名古屋場所が開催されなくなると困るのはNHKだ。15日間の地上波(毎日3時間)、BS(毎日5時間)の穴があく。NHKから5億円の放映料を貰っているといわれている相撲協会も困る。そこで琴光喜らへの処分で名古屋場所開催に漕ぎ付けたい・・・というところだが世間の目は厳しい。

相撲界と裏の社会のつながりは今に始まったことではない。ワイフは「昔大鵬の化粧回しに山口組の田岡さんの名前が入っていたことを覚えている」と言っていた。

ところで今日は上場企業の総会がピークの日だった。昔は上場企業と総会屋の癒着が問題になっていたが、商法改正等で企業が総会屋との関係を絶ち始めたの1982年のこと。関係遮断にはかなり長い時間を要した。

NHKの放映料や財団法人という税制面の優遇措置に守られて、財政面では裕福な相撲協会や力士が裏の世界のターゲットとなってきたことは想像に難くない。

相撲協会の健全化には思い切って外部から外科医を投入し、透明性を高める必要がある。

打ち身に絆創膏をはって無理な出場をして、傷を悪化させるより、一場所休んで根治を図るべきなのだろう。

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クルーグマン教授、恐慌の懸念を示唆する

2010年06月29日 | 社会・経済

今日(6月26日)の日経新聞は、社長100人に対するアンケート調査で「二番底懸念が3ヶ月前の調査より6%減って34%に後退」という回答だったと報じている。先週末に終わったG20のムードも前回より楽観的だったようだ。

そんな中でクルーグマン教授がニューヨーク・タイムズにThe Third Depression「第三の恐慌」というエッセーを寄せ、各国政府の緊縮財政策が今回の不況を恐慌に陥れる危険性があることを指摘していた。

不況と恐慌の違いは何か?ハリー・トルーマン元大統領は It is a recession when your neighbor loses his job; It is a depression when you lose yours.と述べている(箴言集 Keep calm and Carry onより)。

「あなたの隣人が職を失うのがリセッション(不況)であなたが職を失うのがディプレッション(恐慌)だ」

第1の恐慌は1873年に起こり、第2は有名な大恐慌(1929-31年)で、今我々は第3の恐慌の初期段階にいるのではないかとクルーグマン教授は述べる。失業率は少し前ならば、破滅的と考えられたレベルに高止まりし、低下する兆しがない。そして米国・欧州は日本スタイルのデフレの罠に向かっている。

このような状況下、クルーグマン教授は各国政府が積極的な景気刺激策を取らないことに不満を示し、在世緊縮派の勝利は数千万人の失業者を招くと警鐘を鳴らしている。

☆   ☆   ☆

二番底がくるのか?我々は恐慌に入り口にいるのか?それは分からない。

1千メートルの山の上から見える風景は限られている。だが3千メートル、4千メートルの山に登ると視野は広がる。人里は晴れていても遠くの空に黒雲が渦巻いているのを見ることができる。

クルーグマンはその高みからものを見ているのだろうか?

答はもう少し経たないと分からない。

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