野村證券が店舗の「統合」を発表したのは5日前の6月5日。その頃夕食時に野村證券田無支店から電話があったが、株のセールスだと思い電話に出なかった。後で思うとどうも支店統合の挨拶だったと思う。
2,3日にして野村證券から「お客様各位」で「田無支店と吉祥寺支店の統合のお知らせ」という手紙が届いた。田無支店を吉祥寺支店に統合することになった。統合日については改めてご案内する。ご不便をおかけしますが、来店の頂く場合は「吉祥寺支店」をご利用ください。という内容だった。
「証券会社の店舗統廃合は軽いなぁ」というのが私の印象。野村證券は店舗「統合」と言っているが、消滅する店舗の視点を入れると「統廃合」である。もっとも我が家のような小口取引先には手紙一本で手続き終了だが、大口顧客にはface to faceの挨拶があるのだろうと推測しているが。
「証券会社の店舗統廃合が軽い」といった趣旨は「銀行の店舗統廃合に較べて軽い」という意味である。
経営環境が厳しくなる中銀行の店舗統廃合も加速しそうだが銀行の店舗統廃合は証券会社のそれに較べると手間がかかる。少なくとも考慮しないといけない項目が多いことは間違いない。
銀行の場合は現金受け払い、公共料金の支払い窓口をどうするか?場合によっては貸金庫をどうするか?ということを検討し、顧客不満を最小化する努力が必要だ。(最終的には顧客に交通費を負担して貰っても自行の統合存続店に誘導するか?あるいは廃止する店舗お近くの他行店舗に流出することを容認するか?だろうが)
これは銀行が顧客の決済インフラを担っているという宿命からくる課題である。
証券の場合はオンライン取引が進んでいるので、来店取引は少ない。オンライン取引の方が委託手数料が安いからだ。余程「重要な相談」を伴わない限り来店取引は少ないだろう(個人的意見だが)。
実際今回店舗統廃合が起きてもほとんど不便はない。
通帳がないというのも証券会社の強み。取引明細や月末残高などはネット配信となっており、郵送されてくるものは「確定申告」に必要な書類程度だ。この辺りの仕掛けの軽さが証券会社の店舗統廃合手続きを軽くしているということができる。
逆にいうとセミナーでもやらない限り来店客は少ないので、店舗網を構築していること自体が無駄だったということもできる訳だが・・・
決済インフラを担っている銀行としても、証券会社の軽いところは見習って仕掛けを極力軽くする努力はするべきだろう。いずれ店舗の統廃合は避けて通れないだろうから。