金融そして時々山

山好き金融マン(OB)のブログ
最近アマゾンKindleから「インフレ時代の人生設計術」という本を出版しました。

てんこ盛りの習性は年をとっても変わらず

2019年06月26日 | うんちく・小ネタ

名古屋の山友達の企画で、7月中旬に尾瀬・至仏山とその隣の武尊山に行く予定だ。

この山友達は深田久弥の日本百名山制覇を目指して、登山を続けている。現在80余座を踏破しているようだ。

送られてきた計画案を見て少しびっくりした。

彼は夜行バスで名古屋から東京に入り、朝早い時間に我が家の近くの駅まで来て、私の車で尾瀬に向かい、至仏山に登る予定だ。

その日は尾瀬ヶ原に泊まり、翌日は尾瀬ヶ原を横断して、尾瀬沼から大清水に降り、武尊山山麓にテントを張り、翌日武尊山を登り、その日の内に名古屋に帰るという。

なんとも強行軍である。名古屋の山友達も既に世間ではシニアと呼ばれる年齢に入っているが、この計画は壮年の健脚者の計画である。

若い頃は時間的な余裕がなかったし、経済面からもできるだけ効率よく沢山のピークを登る計画を立ててきた。

どうもその癖が年をとっても抜けないらしい。かく語る私も自ら計画を立てる場合は、結構目一杯てんこ盛りの計画を立てる傾向があるのだが。

ドイツ文学者でエッセイストの池内紀さんが「すごいトシヨリBOOK」(毎日新聞出版)の中で次のようなことを書いている。

「(高齢者にとって)旅行は一番、俗にいう活性化にはいい」「旅行は楽しいが、老いてからの旅では、方法に工夫を凝らした方がいいかもしれない」「その一つは一日余分に日を用意することだ」「また老いた旅では時間の余裕が大切だから欲張らない方が良い」

簡単にいうと池内さんは「年をとったてんこ盛りの旅はするな」と言っているのである。

名古屋の山友達も私もてんこ盛りの山旅計画を作るということはどういうことなのか?と考えてみた。

一つ目は「余裕を持って旅を楽しむ」というシニアの特権(お金の余裕はそんなになくても時間の余裕はある)をうまく活用することに思いが至っていない可能性があるということである。

二つ目は名古屋の山友達は片手間(失礼)である士業を行っているので、時間的に意外にタイトな可能性がある。この場合は現役とシニアの汽水域に棲息しているからハードなスケジュールになると理解するべきだ。

三つ目は~これが一番可能性が高いと私は思うのだが~てんこ盛りが習性になっているのではないか?ということだ。

年をとったからといって若い時の習性が簡単に変わるものではない。効率よく一筆書きの旅をしよう、という習性は中々抜けないのである。

その習性を変えるためにストレスを感じるよりは、しばらくはてんこ盛りでも良いか?と苦笑いしながら私は彼の旅行計画に応諾の返事を出した。

池内流の旅に至るには、我々はもう少し苦労を重ねる必要がありそうだと感じた次第。

 

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米連銀、金利引き下げに慎重姿勢で株価急落

2019年06月26日 | 投資

昨日(6月25日)の米国株は5月以降で最大の下落。ダウは0.7%、S&P500は1%、ナスダックは1.5%下落した。

下落の最大の理由は、複数の連銀高官が早期の政策金利引き下げに難色を示したことにある。

まずセントルイス連銀総裁ジェームス・ブラード氏が「0.5%の金利引き下げは早過ぎると信じる」と述べたことだ。ブラード氏は2010年に「このままでは米国は日本のようなデフレに陥る」と警鐘を鳴らし、政策金利引き上げに反対する立場を示したが、一方過度の金融緩和についても警戒を示している。

午後にはパウエル連銀議長が、「我々は金融政策がいかなる個々のデータや短期間のセンチメントのブレに過剰反応しないように注意している」と述べた。また同議長は「連銀は政権からの圧力に屈しない。連銀が政権の直接的な支配から独立していることは機関の重要な特性であり、それにより国家と経済に貢献することができる」と延べ、トランプ大統領の金利引き下げ要請を牽制した。もっとも同議長は景気動向によっては早期の金利引き下げが行われる可能性は否定しなかったが。

5月の暴落の後、連銀の早期政策金利引き下げと米中貿易摩擦の解消期待からラリーを続けてきた米国株にブレーキがかかった形になった。

もっとも私は連銀が早期に金利引き下げに動くという点については懐疑的だったので、このこと自体はサプライズではない。

さて残るもう一つの相場牽引のG20開催時におけるトランプ大統領と習近平主席の頂上会談の行方だが、こちらについてもあまり期待しない方が良いだろうと私は考えている。

習近平側の戦略を推測すると、気まぐれで次の手が読めないトランプ大統領を相手とするよりは、次の大統領に期待して(トランプが再選される可能性もあるが)長期戦に持ち込みたいと考えているのではないだろうか?

もっともそれまで中国経済が政権基盤を揺るがすほど劣化しないかどうか?という問題はあるが。

とにかくリスクオフモードとなり、6月のラリーはピークアウトしたようだ。

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