金融そして時々山

山好き金融マン(OB)のブログ
最近アマゾンKindleから「インフレ時代の人生設計術」という本を出版しました。

観光寺院の拝観料、京都は鎌倉の1.6倍~2倍

2019年06月24日 | うんちく・小ネタ

先週末北鎌倉の名刹を回った時、一部のお寺で拝観料が値上がりしているな、と感じた。

そう感じたのは建長寺で拝観料は500円(昔は300円だった記憶がある)。私の中でお寺の拝観料は300円が相場?と考えていた。実際か建長寺と並んで鎌倉五山の一つである円覚寺の拝観料は300円だった。ちなみに紫陽花で有名な明月院も6月に限り拝観料は500円になっている(通常月は300円)。

インターネットで鎌倉五山の拝観料を調べてみた。一番高いのは建長寺の500円で一番安いのは浄妙寺の100円。拝観料の平均は280円で中央値は300円である。従って拝観料は300円が相場?という私の相場観は妥当なものだ。

ついでに京都五山についても拝観料を調べてみると、京都五山の拝観料は鎌倉の1.5倍~2倍ということが分かった。京都五山の拝観料の計算は複雑である。何故かというと拝観エリア毎に加算される場合があるからだ。たとえば南禅寺(南禅寺は五山の別格であるが、五山の中の万寿寺が非公開のため計算上五山に加えた)では、方丈庭園500円、山門500円、南禅院300円と分かれている。全部拝観すると1,300円になる。

山門については建長寺などは山門拝観を行っていないので厳密な比較は難しい。そこで南禅寺は方丈500円の拝観料にとどめ、相国寺は800円(特別拝観期間)で計算してみた。結果は京都五山の拝観料の平均は540円で中央値は500円だった。

中央値で見ると京都五山の拝観料は鎌倉五山の1.6倍強で、平均値でみると2倍弱である。しかも京都五山はオプションが多いので、オプションを追加していくと拝観料は相当高くなる。

さて京都五山が鎌倉五山の二倍も見どころがあるか?というとそれは疑問(多分に主観的な問題だから)。

ただざっとみたところでは鎌倉五山(建長寺や円覚寺)では、まだインバウンド観光客が少ないと感じた。一方京都の町ではしばしばインバウンド客の方が国内旅行者より多いと感じる風景を目にする。

このインバウンド客の多さが京都の有名寺院に強気の拝観料設定を可能にしている、と私は考えている。

何年かして鎌倉にももっとインバウンド客が訪れるようになると拝観料が高くなっている可能性はあるだろう。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

働き方改革、必要なことは喜びの心

2019年06月24日 | うんちく・小ネタ

ふと図書館で借りた「にっぽん醤油蔵めぐり」(高橋 万太郎 東海教育研究所)で良い言葉に出会った。

「仕事をすることは生活の糧だけど、喜びの心がないといけない。そうしないと寂しいでしょ?」と語るのは秋田県湯沢市で醤油の天然醸造を行っている石孫本店の石川裕子社長。

石孫本店では機械に頼らず、代々使い込まれた道具を使い、人の目と手だけで醤油を造っている。

蔵人たちが納得して自発的に行動して造る醤油の味は格別だそうだ。筆者の高橋さんは「秋田の厳しい冬、麹蓋を見守り続ける寝ずの番、きついはずの日々の仕事にこそあるという喜びの心・・・」と書いている。

働き方改革というと「残業削減」「有給休暇の取得」が喧伝されるが、それが働き方改革の総てではあるまい。ワークライフバランスの観点から過度の残業や少な過ぎる有給休暇取得が問題であることは間違いないが、私は働き方改革の本丸は「喜びを感じるような仕事をする」ことだと考えている。随分古臭い精神論を持ち出すね、と言われるかもしれないが、実は数年前から米国などで経営者が注目しているEngagementという概念を簡単にいうと「仕事に喜びを感じる」ことである。

米国ではEngagementを持っている従業員の割合が高く、日本は低いと言われている。ごく簡単にいうと米国では「仕事に喜びを感じている社員が多く、日本では仕事に喜びを感じている社員が少ない」ということだ。

働き方改革の本丸は、従業員のEngagementを高めることで会社の生産性をあげ、その結果として少ない労働時間で従来並み以上の成果を上げることにある。

総労働時間を減らすには、モノの作り手や売り手は過剰な手間やサービスを減らす必要がある。だが一方差別化を図るためにこだわるべきところにはこだわらないといけない。そのこだわりが働く人の自主性につながり働く喜びを生むのではないだろうか?

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする