金融そして時々山

山好き金融マン(OB)のブログ
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強い雇用統計で10年債利回り1.7%超えへ

2021年04月03日 | ライフプランニングファイル
 昨日(4月2日)発表された3月の米国雇用統計は予想より強い数字だった。
 労働省によると3月の非農業部門雇用者増は916千人でWSJの事前予想675千人を大きく上回った。
 また失業率は6.0%で前月より0.2%低下した。また1月と2月の雇用者数もそれぞれ67千人、89千人上方修正された。
 雇用回復のペースは速くなっている。コロナワクチン接種者が増えたことで各州は外出制限を緩和し、買い物や外食に出かける消費者が増えたことが大きな原因だ。あるエコノミストは「米国経済に地震のようなシフトが起きている」と表現している。
 この経済の躍動感は「まんえん防止等重点措置」にうんざりしている日本にいては感じることはできない。感じることができないとマーケットを動かす熱気を見落とす可能性があるだろう。もっともニューヨークに暮らす娘の話ではステイホームが続いているというから、アメリカにいても経済の熱気の感じ方には地域差・個人差があることは間違いないが。
 3月の雇用増の大きな要因は、レストラン・ホテルなどで雇用が280千人増えたことだ。
 今後の雇用増に関するエコノミストの予想は月514千人ペースが来年まで続くというものだ。つまり1年間で約6百万人の雇用が創出されることになる。もっとも現在1年前に比べると8.4百万人雇用減となっているので1年かかってもまだ元の状態には届かないということもできる。
 ただ注目しておきたいことは、アメリカではコロナを通じて、働き方が相当変わった可能性が高いということだ。具体的にはリモートワーク比率の上昇だ。無店舗化も加速しているだろう。
 おそらくコロナ前とコロナ後で日本の社会や経済は余り変わらないのに較べ、アメリカは際立った変化を見せるだろう。
 さて前日1.68%だった10年債利回りは1.721%に上昇した。株式市場は聖金曜日でお休み。株式先物市場は短期間開いてダウ・S&P500は0.4%強上昇した。
 アメリカ経済の原動力は消費だ。雇用の回復は消費拡大に直結し、消費拡大は物価上昇圧力を高める。2%程度の健全な物価上昇は持続的な経済発展のために必要なもので私は歓迎するべきだと考えている。
 日本の統計だけを見ているとインフレの足音は感じにくいが、日本も確実に世界的なインフレの影響を受けることは間違いない。
 シニアライフ設計もインフレ対策を真面目に考える時期に差し掛かっていると私は考えている。
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最近Kindleで「マインドマップとエクセルでライフプランノートを作る: 健康で充実した人生を送るために」を出版しました。
その中で資産運用の必要性にも言及しています。
コメント
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