今日吉祥寺のエデヲン座で「ノマドランド」を観た。
まず文句なしに映像が美しい。舞台の一つになっているバッドランド国立公園の荒涼とした美しさが素晴らしい。
バッドランドBadlandは先住民が「悪い土地」と呼んでいたこの土地をそのまま英語にしたそうだ。乾燥した不毛の土地だ。
そこに現代のノマド(遊牧民)がキャンピングカーで集まっている。
不毛のバッドランドなのか?本当の人生を求めてピュアな生き方をする人々のノマドランドなのか?
主人公ファーンを演じるフランシス・マクドーマンドが良かった。大竹しのぶさんが出演しているのか?と思うほどマクドーマンドと大竹しのぶは似ている。姿かたちが似ているというよりは存在感が似ているのだろう。
この映画は我々の中に定着指向と放浪指向が同居していることを感じさせる。
人により定着指向が強い人と放浪指向が強い人の違いはある。
だが何かがトリガーになり放浪を求める心が強くなった時人はノマドになる。定着が良いのか放浪が良いのかはわからない。いや善し悪しで選択できるものではないだろう。そういきるしかない、ということだろう。おそらく。
だからリアルなのだ。だから本当の生き方があるのだ。
自然とリアルな人生に圧倒された108分だった。必見である。