ウイグル人の人権侵害等を理由に、アメリカが北京オリンピックへのボイコットも選択肢に入れる表明するなどヒートアップする米中関係。背景には米中間の覇権争いがある。
「数字はウソをつかない」Numbers don't lieもHow far can China go?で中国の将来を予想している。
中国がいつアメリカを凌駕するか?というテーマをどの通貨単位を使って経済力を比較するか?にまずかかっている。
購買力平価を使って計算するとIMFの試算では2019年に中国のGDPはアメリカのGDPより約32%大きかった。
一方ドル・人民元為替レートを使ってGDPを比較するとアメリカのGDPは中国のそれより50%大きかった。しかし仮に為替レートを使ったGDP比較についても中国の成長率はアメリカを上回っているので、計算上はいずれ中国が追いつくことになる。
だが中国は相対的な意味では富裕国ではない。世銀が購買力平価を使って計算した中国の一人当たりGDPは19,504ドル(2019年)で世界ランキングは73位だ。
中国の環境は悪化を続けている。大気汚染は信じがたいほどひどい。
WHOはPM2.5 (微小粒子物質)の最大許容値を25㎍/㎥と定めているが中国の多くの都市では500㎍/㎥を繰り返し超えている。
このような高いレベルの大気汚染は呼吸器疾患や心臓病を起こし、寿命を縮めている。飲料水の汚染も深刻だ。
中国は石油消費の6割を輸入に頼っているが競争相手のアメリカは今では原油輸入量は激減している。
最後に急速な高齢化が中国の大きな課題だ。仕事に従事している人の仕事に従事せず経済的に依存している人の割合は2010年にピークに達し、その後低下を続けている。それに伴って経済のダイナミックさも低下し始めている。
中国の将来を予想する上で日本の過去と重ね合わせてみると良い。
1990年の日本は西欧世界全体に挑戦するかのように見えたが30年後には経済的停滞に陥っている。
30年後の中国の姿は今に日本に重なるのではないか?