金融そして時々山

山好き金融マン(OB)のブログ
最近アマゾンKindleから「インフレ時代の人生設計術」という本を出版しました。

少し早かった櫛形山のアヤメ

2006年07月08日 | 

7月8日(土曜日)朝7時半に車で自宅を出発し、アヤメの群生で有名な山梨県の櫛形山(2,053m)に向かう。花を見るために登山をすることは珍しいのだが、このところ余り体調が芳しくないので、岩場を攀じる様な激しい山登りはお休みして軽い散策で体を整えることにしたのだ。さて甲府南ICで高速を降り、増穂から池ノ茶屋林道に入り10時半頃終点の駐車場に到着。狭い林道のドライブは結構長く感じた。駐車場には既に50台程の車が止まっていてスペースがあるかどうか少し気をもんだが路肩に何とか駐車できた。7月10日頃は例年アヤメが一番見頃の時期だけに登山客が多い。10時40分登山開始する。

Annnaizu

駐車場には立派な案内図がある。駐車場は標高1,850m程度、10分程度の急登で櫛形山に続く尾根筋に出る。風が吹き抜けて気持ちが良いところだ。櫛形山の頂上は鬱蒼としたコメツガやカラマツの原生林の中にある。コースタイムは駐車場から1時間だが40分で着いてしまう。ここのコースタイムは中高年のハイカー向けに少し甘くしている様だ。

Koboku

オブジェ風のコメツガの形など楽しみながら裸山に向かう。途中にキンポウゲの様な花が咲いている。

Umanoasigata

後で調べてみるとウマノアシガタというらしい。昼飯を食べたり写真を撮ったりしながらゆっくり歩いて正午の裸山の頂上に着いた。アヤメの群生を楽しみにしていたが、一斉の開花はもう少し後のようだ。今年は天候が悪く日照時間が少ないので開花が遅れているのだろうか?

アヤメの代わりといっては何だが、グンナイフウロの花が沢山咲いていた。

Gunnnaihuuro

アブがミツを吸っているのでマクロレンズで思いっきり接写してみた。

Gunnaihuuro2

裸山からアヤメ平に下ってみる。アヤメの期待は薄いのだが、ここまで来た以上は寄らない訳には行かない。

Ayame

12時20分アヤメ平でショボショボと咲くアヤメを写真に撮る。立て札によるとアヤメは北海道から九州まで群生する多年草だそうだが、山梨県ではここが一番数が多いそうだ。

12時半頃アヤメ平を出て来た道を引き返す。途中でシロバナヘビイチゴの白い花の写真を撮ったりしながらゆっくり歩くと1時50分に駐車場に戻った。約3時間の軽い登山だった。

Shirobanahebiichigo

晴れたいれば裸山から白根三山の威容を見ることが出来るらしいが、今日は雲が厚く眺望はなかった。

テガタチドリの花もきれいだった。この辺りの花は中低山植物で名前を知らないものが多い。帰宅してから何とかしらべたものなので、誤りがあればご指導をお願いしたい。

Tegatachidori

以上のようなことで櫛形山アヤメ見物登山は多少の未達感を残して終了した。帰りにみはらしの丘 みたまの湯(入浴料750円)という日帰り温泉で汗を流した。この温泉は甲府盆地の南の縁の高台にあるので、八ヶ岳や秩父連山あるいは南アルプスの眺望が良い(もっとも今日は曇っていて眺望はなかったが)。温泉は濃い紅茶の様な色だ。何に効くのか効能書きを読むのは忘れたが、最近は肩こり・腰痛など一通りの問題は抱えているのでまあ何かに効けば良いと思って、38度のお湯に暫く浸かっていた。この位の温度だと交感神経を刺激することがないので、リラックスできる様だ。

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テポドン、ハワイを狙ったって本当?

2006年07月07日 | 国際・政治

今日(7日)日本政府は「テポドンはハワイ方面を狙って発射されたのではないか」という見解を示した。そう判断した根拠が示されてしないので、正否を判断しにくいが、もし本当なら脅威というより悲喜劇というべきだろう。

悲喜劇というと昨日エコノミスト誌がロケット・マンというタイトルで金正日の狙いは何かということを述べている。ポイントを見てみよう。

  • たとえ世界中を神経質させるからといってミサイル発射テストを禁ずる法律はない。より大きな問題は今週の花火製造技術(エコノミスト誌は北朝鮮のミサイルを「花火」といって戯画化している。)で、列国の競争が激しいこの地域を安定させようとする努力を焼いて灰にしてしまったことだ。
  • 古い経済と風変わりな指導者により、北朝鮮はしばしば脅威というよりは悲喜劇的に見える。北朝鮮はアジアで一番危険な国ではない。そのいかがわしい名誉はパキスタンに帰属する。
  • 金正日の狙いは北朝鮮がイランの様に、更にはインドの様に扱われることである。インドは核不拡散条約に調印(北朝鮮やイラクは調印している)することなく、核爆弾を開発してきたにもかかわらず、最近ブッシュ大統領から核の平和利用技術の提供を受けることになった。(もっとも米国の議会の承認が必要)

しかしハワイを狙ったテポドンが日本海に落ちた・・・こりゃ笑い話だとばかりも言ってはおられない。そんなに不正確なものなら狙ってなくても日本に飛んでくるリスクはある訳だ。そこが大都会だったり、危険物の集積地だったらとんでもないことになる。

確かにエコノミスト誌が言うように、あるいは北朝鮮が言うように、ミサイル実験は権利かもしれない。しかしゴルフでもある程度狙ったところにボールを打てる様になってからコースに出てもらわないと周りが危なくて仕方がない。それと他人のいるところに向かってボールが飛んだら大声で叫ばないといけないだろう。

気違いに刃物(これは差別用語らしいが昔からのことわざなのでご容赦を願いたい)という言葉があったが、金正日にミサイルはご免である。

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失敗したから怖い北朝鮮のミサイル

2006年07月06日 | 国際・政治

昨日(7月5日)北朝鮮が長距離ミサイル・テポドン2を含む7発のミサイル発射実験を行なった。この内テポドン2については発射後40秒で空中分解したので失敗と言われている。テポドン2については理論的にはアラスカやハワイ諸島を射程距離に入れるものだけに、失敗で米国防省は一息ついているところだ。というのは米国は20年の歳月と1千億ドル(11兆円位)の資金をかけてミサイル防衛システムを構築してきているが現時点で完全な迎撃能力があるとは言えない。

米軍は来月アラスカから実験用ミサイルをハワイに向けて発射し、追跡・迎撃テストを行なう。また年内にHIt to Killという迎撃方法のテストを行い、これで軍事上・政治上の自信を深めようとしているところだ。

本日午後額賀防衛庁長官が衆院の安全保障委員会で「米軍と協力して一刻も早くミサイル迎撃体制を整備したい」と言っている。多いに結構なことである。ただし政府は日本とアメリカの基本的な違いをきちんと国民に説明しておく必要がある。

それは3つの点である。

1)北朝鮮がテポドン2に核弾頭を実装して米国に発射する技術水準に到達するには数年を要する。従って米国そのものにとって現段階では北朝鮮のミサイルは軍事的にはなんら脅威ではない。しかし今回の北朝鮮のミサイル実験でも明らかなように、日本を射程距離に置くミサイルについては十分な脅威であることが一層はっきりした。つまり長距離ミサイルの実験に失敗したから、日本のリスクは高まったといえる。北朝鮮はテポドン2の失敗を覆い隠すためにも、ノドン級のミサイル実験を繰り返す可能性は高いと私は見ている。

2)次に米国と日本では北朝鮮のミサイルが到達する時間が違う。米国には30分位かかるが、日本には10分弱で到達する。それだけ迎撃する時間が短いということだ。

3)ミサイル防衛体制で十分迎撃することが出来ない場合、米国には北朝鮮がミサイル発射準備をした場合にミサイル発射基地を攻撃するべきだという意見がある。因みにウオール・ストリート・ジャーナルが行なっているインターネット上の世論調査でも4分の1の人が北朝鮮のミサイル実験に対して軍事的行動を取るべきだと言っている。米国の国防体制とは理念ではなく実効性が尊重されその結果常に先制攻撃を内包すると考えて良い。

なお「米国そのものにとって北朝鮮のミサイルは軍事的に脅威ではない」といったが、イラン問題を考えるとやはり一つの脅威にはなる。昨年後半北朝鮮は旧ソ連の潜水艦発射型のミサイルSS-N-6の改良型(ノドン?)をイランに相当数輸出している。米国の政財界に大きな力を持つユダヤ人の母国ともいうべきイスラエルはイランからのミサイル射程圏に入る。以上のような文脈から米国が北朝鮮のミサイル問題に極めて高い関心を持っていることは念のため補足しておこう。

さて日本のミサイル防衛体制であるが、そもそも防衛体制とは「敵国のミサイル発射準備をスパイ衛星で継続的に観測する」「ミサイルの発射時に大量に発生する赤外線を観測する」「発射直後の上昇段階を撃つ」「ミサイルを追跡する」「水平飛行段階を撃つ」「下降段階を撃つ」といった複数のプロセスの組み合わせである。その構築・運用には多額のコストがかかるし、敵国が防衛網の突破する方法(例えばおとりのミサイルを使う等)を工夫すると又手直しがいるという具合にメインテナンスは大変なものだ。それでも完璧な迎撃が可能なのであろうか?概ね米国の軍事専門家は悲観的な見方をする様だ。

私が主張しておきたいことは「北朝鮮の攻撃意思が明確になった段階で、ミサイル基地を攻撃することも防衛体制に組み込む」ことを考えるべきであるということだ。具体的にいうと不測の事態に備えて、イージス艦に地上基地攻撃用の艦対地ミサイルを実装するということになる。これが北朝鮮のような危険な国に対して私は最も実効性の高い防衛策であると考えている。ただしこれは高度な偵察衛星と迎撃ミサイルと併用して運用するべきものであり、最後の切り札であることは言うまでもない。これは現在の憲法の範囲で可能であると考えているが、もし憲法の枠に入らないというのであれば、憲法を変えれば良いのである。そもそも憲法や法律は人々が安全で人間的な生活をするために作られたルールである。基本的な安全性が脅かされているのに、60年前に他の国が決めてくれた憲法を後生大事に守っている必要はない。

わが国は毎年5兆円という国防予算を使っている。これだけのお金を使って国防の実効性があがらないのでは、金の無駄使いであろう。政府や国会は今こそきっちりした対応を取らないといけない。

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ウエッブでウオール・ストリートを読む意味

2006年07月05日 | デジタル・インターネット

今日(7月5日)の日経新聞朝刊にウオール・ストリート・ジャーナル紙などを傘下に持つダウ・ジョーンズのCEOの記事が出ていた。同CEOは「ウオール・ストリート・ジャーナルの電子版が有料なのは、ネット企業に比べ閲覧者数が少なく、十分な広告収入を得られないからだ。競争に勝つ方法はほかでは手に入らず読者が絶対に必要と感じる価値の高いニュースを提供することだ」と述べていた。

たまたま今日未明北朝鮮が数発のミサイルをテスト発射したが、ウオール・ストリート・ジャーナル紙がその記事をどう扱っているか読んでみた。事実の解説等は他の新聞のネット版と大同小異なのだが、米国のミサイル国防について専門家のQ&Aを載せているところが一歩進んだところなのだろう。記事のポイントだけ紹介しておこう。回答者は以前国防省の高官を務めた人物である。

Q:米国は何回ミサイル迎撃テストを実施し、その成功度合いはどうなのか?

A:国防省は10回のテストを行なっている。しかし失敗した最近の2回を数に入れることを彼等は好まないので、8回という時もある。その内5回は成功した。つまり模型の標的を打ち落としたのである。しかし米国はここ4年間迎撃テストで成功していない。また米軍は敵が迎撃ミサイル対抗作戦やデコイ(おとりのミサイル)を使う場合、打ち落とす能力がない。

Q:北朝鮮または他の国が米国をミサイル攻撃した場合、迎撃ミサイルが機能するのにどれ位時間がかかるのか?

A:ミサイルが米国に到達するのに20-30分かかる。迎撃に要する時間はどれだけ初期の段階でミサイルを発見するかどれでけ上手く追跡できるかにかかわる。一つの問題は米軍が迎撃ルールを開発していないことだ。たとえば一つのミサイルに一つの迎撃ミサイルを発射するのか?一度に迎撃ミサイルを発射するのか?といった問題だ。

Q:ミサイルを開発するのにどれ位時間を要するか?

A:どれ位時間を要するかは様々である。米国でもっとも早くかつ成功した例は30年ほど前に完成したポラリス・ミサイルである。これは海軍が4,5年で開発した。米国が開発した他のミサイルにはもっと時間を要している。

ざっとこの様な具合である。私はウオール・ストリート・ジャーナル紙のネット購読に年間数千円支払っているが、提供しているデータの豊富さとタイミングの良さは評価している。

ところで北朝鮮のミサイルの件だが、CNNによれば米国の軍事専門家は「北朝鮮のミサイル技術は10年遅れで脅威にならない」ということだ。因みに米国本土の11の迎撃ミサイル基地は実戦モードに入っていたということだ。

今回北朝鮮のミサイル発射実験は、同国の技術的未熟さを露呈しただけで得るものはなかった。少なくとも米国を脅かせる様なものではなかったということが明らかになったという効果しかなかったというのが私の直感的判断だ。

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小泉首相、軽く見られただろうなぁ

2006年07月03日 | 国際・政治

最初に断っておくが、私は以前から小泉首相を支持している。しかし今回の訪米の件、特にメンフィスまで行ってプレスリーの歌まで歌ったのは感心しない。これは日本国内より海外で甚だ日本の首相が軽く見られたのではないかと危惧する。

エコノミスト誌はこういう表現を使っている。With the only world leader to have serenaded him with the Elvis Presley song "I want you・・・" エルビス・プレスリーのI want you, I need you, I love youをブッシュ大統領に歌ったたった一人の世界の指導者・・・

現在の欧米の慣行はいざ知らず、古代中国から続く東洋の伝統では、一国の王が他国の王の前で歌を歌うといった芸人の真似などしないものだ。何故なら芸人の真似をするということは臣下の礼を取るということだ。もし対等の関係を保つのであれば相手にも歌を歌わせる等の芸をさせなければならない。こんなことをしているから、エコノミスト誌にワールドトレードセンターの爆破事件の後、小泉首相は日本をアメリカの後に投げた Mr Koizumi threw  his country behind Americaと言われるのだ。もっとも小泉首相やブッシュ大統領はこのような意識をどれ程持っているのか分からないが。

小泉首相の訪米をブッシュ大統領が心から歓待したことは疑う余地はないが、一般のアメリカ人が心から歓迎したかどうかはよく考えておく必要がある。小泉首相は当初上下院の議員を前に演説する心積もりだったそうだが、米国の議員達の反対で計画はぽしゃった。その先鋒に立ったのが、戦争経験のあるヘンリー・ハイド上院議員(国際関係委員会委員長)だ。彼は「小泉首相が日本の敗戦日である8月15日に靖国神社に参拝するのであれば、日本の真珠湾攻撃を公然と批判したルーズベルト大統領と同じ演説台を使うことは好ましくないだろう」と言っている。

また中国や韓国ほどではないにしろ、戦時中日本軍が捕虜を残虐に扱ったので日本の戦犯行為に嫌悪感を持っている人がアメリカにいることは事実だ。こういうことはきちんと踏まえておくべきだろう。

今回の小泉首相の訪米は彼個人のためには良い思い出になったろうが、日本のためには尊敬を勝ち得る様なものではなかった様だ。有終の美を飾るということは難しいことなのだろう。

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