金融そして時々山

山好き金融マン(OB)のブログ
最近アマゾンKindleから「インフレ時代の人生設計術」という本を出版しました。

戦争法案との誤解を解くには、国防に関するオピニオンリーダーが必要

2015年07月17日 | ライフプランニングファイル

昨日(7月16日)安全保障関連法案が衆議院を通過した。今日菅官房長官は記者会見で「参議院の審議では戦争法案だとか徴兵制といった誤解を解いていく必要がある」と語った。

また安倍首相は国民の間で非常に評判が悪い新国立競技場について計画を白紙に戻し、ゼロベースで見直すと記者団に語った。

安全保障関連法案と新国立競技場とは直接関係がないが、国民に評判が悪い二つのプロジェクトを強引に推進すると支持率が一層下がると判断したことは間違いない。

さて安全保障関連法案に関する与野党の議論が噛み合わず、多くの国民が立法を急ぐことに疑義を感じているのは、安全保障関連法案の成立を急ぐ本当の理由を内閣が言わないからである。

正確にいうと「言えない」からである。安全保障関連法案の成立を急ぐ本当の理由は台頭する中国の軍事的脅威に対抗するためなのだが、名指しで中国の脅威をあげると中国が怒るので、ホルムズ海峡での機雷掃海などを想定事例として説明するので、国民の中には法案の必要性に疑問が生じるのである。

中国メディアは日本の軍国主義復活にお決まりの警告を発しているが、中国政府の対応は比較的おとなしいし、数日前には日中軍事専門家が偶発的な衝突を回避するための共同提言を行っている。

中国は南シナ海で軍事的プレゼンスを高める一方、目下のところやや日本に対してトーンダウンしているので、内閣が中国を名指しで集団的自衛権の本当の目標だとは説明し難い。

このあたりのことは、オピニオンリーダーがきっちり説明する必要があるのだが、上記のような話をすると右傾している意見と見られてしまう。

本来外交や軍事問題には、右も左もなく、現実を直視した国益に沿う対策が求められるのだが、難しい問題である。

数日前にエコノミスト誌はGloves off : A pcifist nation inches closer to taking responsibility for its own securityという記事を書いていた。

Gloves offはボクシングのグローブを外すこと。つまり本気になるということだ。何に本気になるかというと「自国の安全に責任を持つことに少しずつ近づいている」ということである。

孫子の言葉を引くまでもなく、「彼を知り己を知れば百戦危うからず」で「彼を知らずして己を知らざれば戦う毎に危うし」なのである。

本当は国民の多くが信頼するような外交・軍事のシンクタンクが日本を取り巻く地政学的な問題をはっきり示すことが必要なのだろう。それなくして自国の安全に責任を持つ国にはなれない。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

記憶は消えるが記録は残る(ライフプランニングノート③)

2015年07月16日 | ライフプランニングファイル

先週末行った名古屋セミナーについて、主催者の方から参加者のアンケート調査の結果を頂きました。分りやすさについて多くの方から「良い・大変良い」という評価を頂きました。当然courtecy(儀礼・好意)の分は割り引いて考える必要がありますが、参加者の方に多少なりとも参考になるところがあれば、講師冥利に尽きるというものです。

また「話が幅広くなりすぎてもっとライフプランニングファイルの構築について具体的な話が聞きたかった」というご指摘があり、これについては次にこのような話をする時に留意するべき点だと思いました。

ただしライフプランニングファイルの話を極めて具体的にする場合は、コンピュータのアプリケーションの話の比重が高くなります。特に各種のデータを保持しておくアプリケーションの話が多くなります。

私はデータを保存しておくアプリケーションとして「エバーノート」を多様しているのですが、セミナー参加者のICTレベルや関心度を忖度して余り細かい話には入りませんでした。

ただ一つ強調したことは「記憶は消えるが記録は残る」ということです。

この図は年齢と「日常問題解決能力(および言語能力)」と「短期記憶能力」と年齢の関係を示したものです。

図が示すとおり、短期記憶能力は50歳位から急速に低下します。一方問題解決能力は70歳を過ぎても伸びていきます。

だからシニア層の方は年齢による記憶力の低下を恐れる必要はありません。ただ短期記憶能力が低下することを自覚して、覚える必要のあると思うことは覚えるのではなく、記録することを考えれば良いのです。記憶は消えるが記録は残るのです。大切なことは記録することが簡単で取り出すことも簡単なアプリケーションを使うことです。

その答えがエバーノートの利用です。

以下私のエバーノートの活用方法を一部紹介しましょう。

①重要な受信メールをエバーノートに記録する。

受信メールをエバーノートのメールアドレス(短縮登録しておく。私の場合は「えば」で登録)にて転送する。

②重要な送信メールをBCCでエバーノートに送っておく

③名刺をスキャナーでエバーノートに取り込んでおく

④保存しておきたい新聞記事をネット上でクリックしてエバーノートに取り込んでおく

日経新聞のネット記事にはエバーノートのアイコンがついていて、そこをクリックすると記事を自動的に取り込むことができます。

⑤ネット情報をクリックしておく

⑥重要な通知書たとえば国民健康保険料の納入通知書をスキャナーで取り込んでおく

国民健康保険料は自動引き落としにしていますので、払い忘れることはないのですが、保険料は確定申告の時に必要になる重要な数字です。

エバーノートの強みはデータがクラウドサーバに保存されていますので、PCでもスマートフォンでもタブレットでも簡単に見ることができることです。

エバーノートにはエクセルデータや写真データも保持することができますから、「エバーノート上にファイルを構築する」というのが、現状では一番実行しやすいライフプランニングノートの作り方だ、と私は思っています。

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「相続手続きは専門家頼り」?(ライフプランニングファイル2)

2015年07月15日 | ライフプランニングファイル

今日(7月15日)に日経新聞に「相続手続き、専門家が頼り 書類多く書式も複雑」という記事が出ていた。

主旨は

1)戸籍謄本集めは大変だ。

2)不動産の名義変更で法務局に提出する登記申請書は専門性が高い

3)預貯金の名義変更も大変だ

4)相続税の申告手続き以外の手続きを20万円前後で提供する司法書士や行政書士が目立つから専門家の活用を考えよう

5)社会保険の手続きは自力でも大丈夫だろう

というものだ。

でもこれは本当だろうか?

実は最近名古屋で行ったセミナーでこれには反対するようなことを述べた。

それは「登記等の諸手続きをDIYで」というものである。DIYつまりdo it yourselfである。例えば住宅ローンを借りていた人なら完済時に金融機関の抵当権を抹消する登記手続きがある。これは司法書士に依頼するとやってくれるが当然手数料がかかる。自動車の所有権移転登記も行政書士に依頼するとやってくれるが、手数料がかかる。これらのことを自分でやってみようというのが私の提案だった。色々な手続きを自分でこなす訓練ができていると、相続に関する手続きもかなりのことは自分でできるはずだ。

「時間はあるから、お金をセーブするために自分で手続きをする」という人に実はかなり行政機関は親切になっている。法務局にはOBがいてボランティアで、登記手続きを指導してくれる場合がある。陸運局の窓口も意外に親切だ。

また登記申請書のひな形はネットで入手することも可能だ。つまり「やる気」になればかなりのことは自分でできるのである。

マイナンバー制度が普及すれば、将来的には戸籍謄本も簡単に入手することが理屈の上では可能なはずだ。行政がどこまで素早く対応するかは不明だが。

ただ年を取るにつれて、新しいことに取り組むのが億劫になる。そこで元気なうちから、色々な手続きを自分で行って慣れておこうというのがセミナーでの私の提案だった。

もっとも20万円程度ですむのであれば、人生に1度か2度のことだから専門家にお任せしようという判断を間違っているとは思わない。また年を取ってあちらこちらの窓口に出向くのが大変になれば私も専門家にお任せするかもしれないと思っている。

上に列挙したことは総て「事務手続き」である。つまり手際の良し悪しはあっても、誰が行っても同じ結果がでるものなのだ。だから金銭的に余裕があれば誰かに代行して貰っても良い。

だが代行して貰えないものがある。それは「意思決定」である。相続の場合は「遺産分割の内容」である。これは専門家にお任せすることはできない。アドバイスを聞くことはできるが、最終的には自分(達)で決めないといけないのである。

そして自分(達)で決める時、決めたことを実行するにはどれ位のプロセスが必要で、どれ位の時間がかかるかを頭に入れておく必要があるだろう。そのためにもDIYの訓練は必要だ、と私は考えている。

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

【イディオム】Face off 夏の商戦、アマゾン・ウォールマートの激突

2015年07月15日 | 英語・経済

少し前からアマゾンから頻繁にメールが届き、7月15日(今日)の特別セールスを宣伝していた。

アマゾンの夏の特別セールスは日本だけではない。本場米国でも今日特別セールスが行われる。

シカゴ・トリビューン紙にAmazon,Wal-Mart face off in online discountingという短い記事が出ていた。Face offは「衝突(する)」というイディオム。タイトルは「アマゾンとウオールマートがオンライン ディスカウントセールスで衝突」という意味だ。

これまでアメリカで小売業のバーゲンセールというと、感謝祭の後の最初の金曜日に始まるBlack Friday(小売業が儲かって黒字になるのでBlackというらしい)からクリスマスにかけての商戦が有名だったが、夏のオンラインセールスが定着すると「7月のクリスマス」などという呼び方が出てくるだろう。

もっともアマゾンとウオールマートでは戦略は異なる。アマゾンは年会費99ドルのプライム会員を増やすことを目的とし(特別セールスはプライム会員でないと参加できない)、ウオールマートは無料配達の最低購入額を50ドルから35ドルに引き下げて、客筋を増やすことを狙っている。

ウオールマートの今年第1四半期の売上高は前年同期比7%の減収だったが、アマゾンは市場予想を上回る増収で最近株価は高値を更新した。

私の知人の中でもアマゾンで食料品、特に重たいお米などを買う人が増えている。店舗を構えるスーパーの競争相手は同業だけではなく、アマゾンなどのネット通販業者にまで広がっているのだ。

コメント (1)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

コロタン、まもなく食べることができそうです

2015年07月14日 | うんちく・小ネタ

今年初めて植えた「コロタン」。手のひらサイズのメロンです。一つ目が漸く色付いてきました。ここ数日の猛烈な暑さで熟してきたようです。

更に2つできていますので、収穫が楽しみです。ゴーヤも育ってきました。

ところでこの写真オリンパスE-M1の「フォトストーリー」モードで撮影してみました。フォトストーリ-モードというのは、複数の差しんを組み合わせて一つの作品に仕上げるモードですが、ブログに載せる写真などには使えそうですね。

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする