金融そして時々山

山好き金融マン(OB)のブログ
最近アマゾンKindleから「インフレ時代の人生設計術」という本を出版しました。

予想が難しい安倍・トランプ会談後のドル円相場

2017年02月10日 | ライフプランニングファイル

昨日トランプ大統領が、航空会社幹部を前に「規制緩和の促進と具体的な減税策を数週間以内に発表する」と述べたことを好感してドルが買われた。ドル円相場は1円40銭ほどドル高になり、113円40戦近辺で取引されている。

昨年11月にトランプが大統領選に勝利して以来、景気浮揚策期待からドルが他通貨に対して買われ、今年に入ってからはトランプの為替操作攻撃やトランプ政権が具体的な減税策を示さないことからドルが弱含むという流れが続いている。

今市場が注目するのは今週の安倍・トランプ会談の行方だ。政策論的な論争があるとすれば「大規模な量的緩和は為替操作に該当するのかしないのか?」という点かもしれない。

WSJは「安倍首相や日本政府の高官は量的緩和は為替操作に該当しないと主張するが、その主張はだんだん難しくなっている」というアナリストの声を紹介している。

日銀の金利政策は長期国債利回りをゼロ近辺にとどめるというものだが、米国の政策金利が上昇してくると日本の国債金利を低く保つのは困難になってくる。

投資家は高い利回りを求めて、日本国債を売り、米国国債を買う動きにでるので、日本国債の価格は下がる(利回りは上がる)。そこで日銀は日本国債を買い増すことで利回り上昇を防ごうとする。今月最初に10年国債の金利が上昇した時日銀が大量の国債購入に動いたのはその一例で、JPモルガンの石川為替ストラテジストは「外部から見るとこれは為替操作のように見える」と述べている。

一方米国側の問題は、減税と財政支出拡大で景気を浮揚させることでインフレが加速し、連銀が政策金利を引き上げることで、内外金利差が拡大し、ドル高が進むことだ。

安倍・トランプ会談の後何がでてくるかは分からない。

 

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バンカメ、完全無人店舗を3つオープン、日本の銀行は人が多すぎる

2017年02月09日 | 金融

銀行の店舗に行くことはほとんどない。送金等大半の用事はネット取引で済むからだ。だが個人の用事ではなく、事務局を務めている団体の用事ではたまに行くことがある。それは某大学の会館使用料の払込が「払込用紙持参の窓口払い」になっているからだ。銀行の窓口で現金払いをして、収納印を押してもらった紙を某大学事務局に送る必要があるからだ。

この事務プロセスは恐らく20~30年前の事務プロセスを踏襲したもので、IT技術の進歩を全く利用していない某大学事務局のエゴとコスト意識の欠如の表れである。

因みにいうと取り扱っている銀行の支店にも不要なほど不要な人が多い。不要な人というのは、ロビーにいる案内係のおばさんである。ロビーには発券機があり、顧客が希望する取引毎に券を受け取り待つようになっているので、ロビーおばさんの案内は不要と思うのだが・・・そしてその割に窓口で受け付ける人は少ないので待ち時間は長くなっている。

偶々グーグルファイナンスでニュースを見ていると、米国の大手銀行バンクオブアメリカが完全無人店舗を3店舗オープンしたという記事がでていた。

無人店舗にはATMと寮店とのテレビ通話システムがあり、顧客はそれを使って取引を進めることができる仕組みだ。

日米とも銀行は伝統的な預金業務では収益を得ることはできなくなっているので、住宅ローンや自動車ローン等各種のローンの拡販に力をいれている。コスト意識が高い米国では、不採算店舗をどんどん閉鎖するとともに、新しく出店する場合は、IT技術を活用し、より面積の狭いより従業員の少ない店舗を展開している。その究極の姿が無人店舗という訳だ。いや、その先に無店舗というインターネットバンキングの世界があるので、無人店舗というのも中間形かもしれない。(もっとも完全やキャッシュレス・小切手レスの社会にならない限りかならずATMは必要だが)

因みにバンカメは2010年に5,900店舗あった支店を直近では4,600弱まで減らしている。

今後バンカメなど米銀がIT技術を活用して、いかに店舗を効率化していくか?ということは興味深い。そして日本の銀行が思い切って営業店の効率化を進めらないことについても興味深い。そして株式投資の観点からいうと、これから金融株を買うとすると日本の銀行の株を買うか米銀の株を買うかと判断する上で一つのヒントを与えてくれると私は思っている(もちろん株価に影響を与えるのは効率化だけではなく、長短金利差など収益環境が大きい)。

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そろそろ銀行にマイナンバーを届けますか

2017年02月09日 | ライフプランニングファイル

僅かながら海外から年金を某都市銀行で受け取っている。その銀行からの「送金到着案内」の備考欄に「来店時にマイナンバーをお届けください」と書いてあった(おそらく少し前の案内から書いてあったのだろうが、見過ごしていたと思う)。

取引銀行に確認したところ、本当にマイナンバーが必要になる(つまり銀行が税務署に提出する法定調書にマイナンバーを記載する)のは、来年3月からということなのだが、忘れてしまっては不都合が生じる可能性無きにしも非ず(たとえば年金の振込がサスペンドされるなど)なので、近々届けることにした。

ところで海外送金とマイナンバーの問題、今の私にはそれほど重要な問題ではないが、海外赴任者などが家族に送金する時など結構問題になっているのではないだろうか?とふと気になった次第。

幾つかの銀行のホームページを見たが、海外送金とマイナンバーの問題については「説明の深さ」や「取り扱い方法」に少し差があるように思った。セブン銀行などはかなり法律的根拠まで説明し、顧客の理解を求めるとともにマイナンバーを届けないと送金できませんと厳格な運用を行っていると思った。

海外送金については既存銀行よりセブン銀行のようなネットバンク(セブン銀行は実際の店舗もあるが)を利用する人が多いということだろうか?

確定申告に続き、少しずつマイナンバーが身近なものになってきたようだ。

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Wordpressで作成しているHPが改ざんされた

2017年02月08日 | デジタル・インターネット

私が管理している団体のホームページHPは簡単な更新はWordpressで行っている。そのHPに変な図が入っているとメンバーの1人から連絡があった。

写真は修整前のHPで〇〇がhack(不正侵入)したと書いてある。

考えていても仕方がないので、HP管理会社に連絡をしたところ数時間で修復された。

管理会社によると「Wordpressの脆弱性に起因するもので世界的に発生している」「対策済の最新バージョンにアップデートしました」ということだった。

 情報処理推進機構のHPによると「WordpressにはRest APIの処理に起因する脆弱性が存在します」とのこと。Restとは何か?APIとは何か?チンプンカンプンである。ただしAPI(アプリケーションプログラムインターフェイス)については、最近ネットバンキングのことを調べる機会があったので極大雑把にアバウトな意味(外部ネットワークからシステムを呼び出して使う機能)?は押さえていた。

まあ、とにかく皆で使えるような便利なアプリケーションには落とし穴があるんだ、とド素人的な印象で終わった次第。

HPのハッキングなんて他人事だと思っていたが、起きる時は起きるのですね。

 

 

 

 

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ドイツ連銀総裁、為替操作批判に反論

2017年02月08日 | 金融

米国政府は対米貿易黒字国に対して「為替操作をしている」と批判を高めている。

先週米国のピーター・ナヴァロ国家通商会議代表は「極端な通貨安でドイツ企業は海外の競争相手に対し競争力を高めている」と批判した。

これに対し、ドイツ連銀のヴァイトマン総裁は、マインツで開催されたビジネスマンの会合で「ドイツが貿易相手から搾取するために、通貨安を利用しているという批判は馬鹿げている」「最近のドル高は米国の新政権の政治的発言の結果でホームメードのものだ」と反論した。

2014年には概ね1ユーロ=1.4ドルだったが、最近では1.07ドル弱までユーロは下落している。ユーロが下落した大きな要因は欧州中銀の総額2兆3千億ユーロに及ぶ量的緩和政策の結果だ。

ヴァイトマン総裁は欧州中銀の緩和策がドイツ企業の競争力を高めていることを認めつつも、政治的な為替操作であることを否定するとともに、欧州中銀の政策についてはドイツ国内で議論があると述べている。

また同総裁はドイツ企業は米国で2千7百億ユーロの投資を行い、80万人以上の雇用を創出し、ウイン・ウインの関係にあると述べた。

まあ、このあたりまでは、日本の政治家や日銀も同じようなことを言っているが、ヴァイトマン総裁の次の発言には注目しておきたい。

「ドイツ政府にドイツ国内における投資を促進する施策を求める。それは貿易不均衡の是正につながるからだ。また欧州中銀はインフレ目標の2%に近づいたら、イージーマネー政策の終了に取り掛かるべきである」

★   ★   ★

阿部首相の訪米時に「米国の雇用を拡大するため、米国のインフラ投資資金を投融資する」という土産話がでそうな勢いだが、それが本当に長期的に見て、日米がウイン・ウインになる方法なのか?と疑問を感じざるを得ない。

本当はヴァイトマン総裁がいうように、日本の国内に投資して内需を拡大する方が貿易不均衡の改善につながるのではないだろうか?

日本の雇用状況を改善(非正規雇用者を中心にベース賃金を引き上げる・長時間労働を削減するなど)し、消費マインドを高め、内需を拡大することに資金を活用する方が長期的には日米ウイン・ウインになると思うのだが・・・

 

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