貸金業規制に関して、自民党金融調査会の幹部会は10月24日批判の強かった特例高金利や実質利上げになる金利区分の変更を撤回する方針を決めた。自民党が9月にまとめた改正案は世論の強い批判を浴び、衆院統一補欠選挙で協力を受けた公明党の主張を丸呑みして大幅修正した形だ。
サラ金問題については私もブログが月一回寄稿している雑誌(ニューファイナンス)の中で私見を述べ、上限金利引下げを主張してきた。いわば世論の末端に参加した訳で今回の自民党の判断を評価したい。
今回の自民党の決定については幾つかの点で注目しておくべきことがある。一つは法律や政策決定が「政治献金の多い業界寄り」から「消費者重視」へ動いてきたことだ。今後パチンコ業界等の動きを見る上でも試金石となるだろう。
次の株式投資等の観点からいえば、消費者金融会社が相当なダメージを受け、メガバンクに大きなビジネスチャンスが生まれたということだ。それにしてもメガバンクというものは直ぐ驕りたがるものと一般消費者に思われかねない記事が「サラ金記事」の横に出ていた。それは「大手3行 政治献金再開を検討」というものだ。
メガバンクの中には米国に駐在経験を持つ社員もいるだろうから、もう少し米銀のスマートなところを見習ったらどうかと思うことがある。その一つが銀行等の地域貢献だ。米国ではCommunity Reinvestment Actという法律があり、金融機関に地域貢献を求めている。貢献方法はさまざまだが、低所得者層への低利融資というプログラムを実行している金融機関も多いはずだ。
以上の話をまとめると、メガバンクは政治献金の話を出して一般消費者の感情を逆なでするのではなく、地域貢献プログラムでも発表する方が宣伝上良いのではないだろうか?