温かい秋が続いたためかスキーの話をしてもピンとこないだろう。ところが高い山ではもうスキーができるのだ。その山とは北アルプスの立山である。黒部立山アルペンルートが雪のため閉鎖される直前の11月中下旬に新雪が降ると立山でパウダースキーを楽しむことができる。今年はすでに1m以上の積雪があるので今度の土日(24,26日)で相棒のM君と出かけることにして、今日装備の点検を行った。
写真は山スキー道具一式で左上から兼用靴、シール(靴の横の青い帯)、ゾンテ(靴の前の金属管)、ビーコン(シールの前の灰色の器具)、ゴーグル、スキー板、スコップなどが並んでいる。一般の人になじみがないものはシール、ゾンテ、ビーコンだろう。シールはマジックテープのようなものでスキーの裏に貼り付け、雪面を登るための布で出来た道具である。ゾンテは雪崩で相棒が埋没した時、雪面に差し込んで探す道具。ビーコンというのは電波を出す装置で体につけておく。万一雪崩に埋もれた場合、相棒が電波で探知してくれる様になっている。スコップは雪崩で埋もれた相棒を掘り出す道具だ。帽子の下の赤いテープがついているのはアイゼン。スキーで登れない様な氷の急斜面を登る時に使う鉄の爪だ。
山スキーとはこれらの道具を担ぎ、30分か精々1時間の滑降の醍醐味を味わうため5時間も6時間も雪山を登る最も体力の要るスポーツの一つだ。四捨五入すれば60歳になった身でどうしてこんなことをしているのか我ながら疑問を感じる時がない訳ではない。
しかし次の写真を見てみよう。
春の平標山からヤカイ沢を滑るところである。怖いほど青黒い空の下に真っ白な雪面が広がる。スキーのトレースは2,3本あるがその外には広大な処女雪の斜面が広がる。そこを思いのままに滑るのだ。
山スキー程爽快な遊びは少ないかもしれない。それは高みと美しさを求める心と色々な雪面をこなすスキー技術と長いラッセル(雪かき)に耐える体力の、そう将に心技体が求められる『究極の遊び』であると言って良いかも知れない。