今朝神田駅で産経新聞の新しい新聞Expressをただで貰った。カラー写真が多くて中々きれいである。パラパラと紙面をくっていると「10万円ダウン大売れ 景気のアンカー『紳士』が来た」という記事が目に入った。紳士服というのは景気の回復局面では最も遅れて売れ始め、悪化局面では最初に売れなくなる紳士服がついに動き始めたというのだ。その代表例がフランスのブランド物「モンクレール」のダウンジャケットだとか。昨年のNTTドコモのテレビCMで木村拓哉さんが着用していたので大人気になったらしい。値段は一着10万円程度。
はやりものに全く疎い私は今日の今日までダウンジャケットがこんなに人気になっているとは知らなかったが、買った人はどういうところで着るのだろうか?恐らく街着として使われることが多いのだろうというのが私の推測だが。
モンクレールは本来氷雪の高山向けウエアであり、ダウン(ガチョウの羽)とゴアテックスで登山者を寒気と烈風から守ってくれるものである。しかしこれが街着に使われるとすればそれはランドクルーザーで青山辺りを走ってアウトドア好みをひけらかしている様なものだ。
「男は流行(ファッション)を追う必要はない。男は自分の生き方(スタイル)に拘れば良い」というのが私の持論だ。持論からすると風雪に身をさらし、アウトドアの厳しさを楽しむ男だけがモンクレールに値するということになる。しかし世の中にはこんなへそ曲がりなことをいう男や女は少ないのだろう。だから街乗り四駆が流行り優男がダウンジャケットを街で着るのである。
とはいうものの最近私も一枚ゴアテックスのアウターを買った。モノはデサントのWhole Earthで約4万円だ。中綿のないゴアのアウターとしては少し高いが色使い(微妙なアース色)と裁断に少し街着を意識したファッション性がある。
無論私は冬山で使うゴアテックスのアウターを持っているがこれは雪山で目立つ原色だ。又ザイルワークやリュックサックとの摩擦あるいは風雪で汚れが目立ってきた。そこで低山ハイキングやクロスカントリースキーあるいは撮影旅行用に少しファッション性のあるゴアテックスを買った次第だ。
男の基本はライフスタイルだが、多少のファッション性も欲しいと思うようになった。ささやかな贅沢はサイフを軽くし心を豊かにする。我々庶民にはその均衡点がいつも問題なのである。