10月30日付の記事でエコノミスト誌は米大統領選挙でオバマの大勝を予測している。調査によると強くオバマを支持する州の選挙人が259、オバマ寄りの州の選挙人が52.一方マケインを強く支持する州の選挙人は127、マケイン寄りの州の選挙人は15だ。
米国の大統領選挙は州ごとに選挙人を選ぶ間接選挙なので、全国的な支持率が勝敗に直結しない。このことは前回選挙で総得票数でブッシュを上回ったゴアが負けたことで分かる。
さて選挙人の総数は538なのでその過半の270という数字が勝敗の分かれ目だ。エコノミスト誌の調査を集計するとオバマが301で、マケインが142。残る95はスイング・ステートと呼ばれる激戦の州の選挙人だ。ここをマケインが全部とってもオバマに勝つことはできない。なお民主党・共和党両党の力が拮抗している州についてはスイング・ステートという言い方の他にtoss upという言い方もよく使われる。Toss upとはコインを投げて裏表を当てるゲームのことだが、転じて勝敗半々という意味でも使われる。
エコノミスト誌は「現在アメリカが抱える内外の問題を思うとこの調査結果に驚きは少ない。ベストケースではオバマは32年のルーズベルトや80年のレーガンのような地すべり的大勝をおさめるだろう。そこまで行かなくてもクリントンが第一回目の選挙(92年)で得た程度の勝利を得るのではないか」と予想している。
米国の大統領選挙はWinner takes all.といわれるように1票差でもある州で勝つとその州の選挙人を総取りできるので、地すべり的な勝利が起きるかもしれないのだ。
私は選挙結果に興味があるのはもちろんだが、エコノミスト誌の調査能力にも関心がある。そして個人的には今回の選挙でオバマが大勝して、米国の流れを一度大きく変える必要があると考えている。そのためにはオバマ候補が大勝する方が良いと思っているが、結果はどうなるだろうか?