円ドル為替はスルスルと100円近くに戻っている。この背景は何だろうか?ファイナンシャル・タイムズ(FT)によると、日本の個人投資家のドル預金が増えている。同紙によると、みずほグループでは米ドルを中心とした口座開設者が10月初めから増えている。10月下旬には同行の外貨預金は1日当り80億ドル増えている。月初の増加額が1日当り20億円から40億円なので顕著な伸びだ。しかし今年3月に円が95円まで上昇した時ほどの活気はない。日本の個人投資家は株価下落で疲弊して、リスクテイク意欲が低下しているというのが、外為取引業者達の見方だ。つまり日本の個人投資家は今回のドル高の主役ではなさそうだ。
FTの別の記事には、米国の投資信託の動きがドル高と強い相関関係にあると報じている。ドルが弱含んだ時の米国の海外株式投信の比率は26%だったが、最近は23.5%まで低下している。つまり米国人投資家がドルを買っているのである。
まもなく米国の大統領・議会選挙の結果がでるが、マケインが勝つ見込みは1割程度だという。市場はオバマと民主党の勝利を織り込みつつある。過去の日米関係を見ると共和党政権は比較的親日的で民主党は日本に強い要求を行ってきたことが多い。
米国投資家がオバマ政権を見越して、国内投資ウエイトを高めているとすると緩やかなドル高が続くかもしれないと私は考え始めている。