著名な風景写真家・竹内 敏信さんが脳梗塞で倒れ、リハビリ中だという話は昨日の読売新聞で読んだ。ショックである。最近あまり竹内さんの写真を雑誌などで見ないと思っていたら病気をされていたとは・・・・・。
竹内 敏信、写真好きな人ならまず知っている名前である。バンダナを頭に巻いて桜や滝を撮っていた風景写真の第一人者だ。私が写真好きになったのも竹内さんの写真集を見て触発されたところが大きい。竹内さんは撮影データを公開している。小学館が出した「名作写真館」という日本のプロカメラマンの写真を集めたシリーズでも、竹内さんは敢然と撮影データを公開している。
下の写真はその写真集の「火焔滝」という作品を転写したものだ。
竹内さんはカメラ(Pentax645)からレンズ、絞り値、シャッター速度、フィルターの使用有無などを詳しく公開している。ここまで撮影データを公開しているプロカメラマンは少ないだろう。撮影データを公開する裏には相当な自信があるはずだ。つまりデータを公開しても自分と同じような作品は作れないだろうという自信だ。無論撮影機材、撮影タイミング、構図を含めて到底同じような写真を撮ることはできない(私レベルでは)。しかし撮影データを公開してもらうと、レンズの選択や絞り・シャッター速度の選択で参考になることは確かでより良い写真を撮るヒントになる。
竹内さんのアドヴァイスも写真好きの者には役に立つ。竹内さんは何を撮りたいか迷った時の三原則を挙げている。「フォトジェニックな素材を選ぶ」「繰り返し通える地域や、何度も撮れる被写体を選ぶ」「好きなものを撮る」だ。
私は彼のアドバイスに従い「山」を追いかけているが、中々「訴えたい」何かをカメラに収めるまでには至らない。
竹内さんは12月4日から10日までの間、キャノンギャラリーで「リハビリ中の作品展」を開く予定だ。是非観に行きたいと思っている。頑張れ、竹内さん。あなたの作品の感動にまた出会いたいと思っています。