今アメリカで極めて変な現象が起きている。与党の民主党にアフガン戦争反対の意見が高まる中で与党・共和党がアフガンへの派兵増加を検討しているオバマ大統領を支持・激励するという現象だ。もっとも私が極めて変だと思うのは「党議拘束」でガチガチになっている日本にいるからそう思うのであり「党議拘束」のないアメリカではそれほど変なことではないのかもしれないが。
ニューヨーク・タイムズによると、CBSニュースが今週火曜日に行った世論調査では、アフガン派遣兵を減らすことに賛成する人は41%(4月の調査では33%)、増員に賛成する人は25%(同39%)と戦線縮小を求める声が高まっている。オバマ大統領のアフガン戦略を指示する人は4月から8%減少して48%になった。
「私とアメリカ国民はいつアメリカのアフガン占領が終了するのか?というある種のコミットメントがないとこれ以上の軍隊を送ることができない」とウイスコンシン州選出の民主党上院議員はインタビューに答えている。
また政府高官も私見として「向こう1年間で顕著な進展を示すことができないと国民の全面的な信頼を失うと信じている」と述べている。アフガンの現地司令部は既に任務遂行には兵員不足であると述べているので、オバマ大統領は派兵を増やすかどうか向こう数週間で決める必要があるだろう。就任時に較べて人気が急落しているだけにオバマ大統領も悩ましいところだ。
それにしても身内から反対の声が出て、共和党タカ派がオバマ大統領を支持するとは変な構図である。
日本もチェンジするのなら「党議拘束」を止めて、議員が自主的な投票を行う範囲を広げることを考えるべきかもしれない(臓器移植法案では共産党以外は党議拘束を外した)。